書評の記事一覧

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書評の記事一覧です

書店員による「注目の新人作家」第5回

男性と女性、善人と悪人……差異の境界は曖昧なもの 山下紘加『クロス』、滝田愛美『ただしくないひと、桜井さん』評

渋谷センター街の入り口にある大盛堂書店で書店員を務める山本亮が、今注目の新人作家の作品をおすすめする連載。第5回である今回は、生…

「このすば」カズマが“最高”の主人公の理由

「このすば」シリーズ、大人気のうちに完結へーーサトウ・カズマ、最弱なのに最高の主人公たりえた理由

《異世界かるてっと》で最も弱くて最も外道な主人公を挙げるなら、暁なつめ『この素晴らしい世界に祝福を!』シリーズのサトウ・カズマを…

『はめふら』幸せなメディアミックス

アニメ版『はめふら』、原作ファンも虜にする魅力 メディアミックス成功のポイントは?

今期アニメの“伏兵”として快進撃を続けているのが、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』、通称『はめふら…

『タイタン』で問いかける“仕事”の意義

野﨑まど『タイタン』が問いかける“仕事”の意義 人類と人工知能がたどり着いた境地とは

思いもよらない事象を人々が暮らすこの世界にぶち込んで、社会や政治が振りまわされる様子を描きながら人々の営みの本質に迫る。そんな設…

『スパイ教室』少女たちが挑む過酷な任務

落ちこぼれ少女たちが死亡率9割の任務に挑むーー『スパイ教室』シリーズの圧倒的おもしろさ

毎月100冊は下らない新刊が発売されるライトノベルにあって、知らない作家の耳にしたことがないタイトルを読んでみようと思う時に、役…

金の力で事件解決、筒井康隆『富豪刑事』

大金持ちの刑事がお金の力で事件解決『富豪刑事』ーー筒井康隆は“社会派推理小説”の殻を破った

世の中の大体の問題は、金の力で解決できると思っている。金でどうにもならないのは、人の命(多少は金の力で寿命を延ばせても、誰もが必…

『すべては装丁内』著者は装丁デザイナー

本の“装丁”にはどんな演出が施されている? 現役装丁デザイナーが著したお仕事小説『すべては装丁内』

一冊の本が生まれる過程には色々な人が関わっている。著者はもちろん、イラストレーターや編集者、装丁担当、校正・校閲担当者や印刷所な…

「はめふら」人気は主人公の魅力にあり

悪役令嬢もの人気作「はめふら」の魅力は主人公の“人タラシ”にあり? 『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』評

女性向けのネット小説を中心に“悪役令嬢もの”と呼ばれるジャンルがある。悪役令嬢とは、物語の中で悪役的な立場に置かれる(もしくは将…

『麒麟がくる』のお供に、光秀ブックガイド

『麒麟がくる』がもっと楽しくなる! 文芸評論家が教える、様々な明智光秀像を描いた本7冊

今年(2020年)のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』は、帰蝶役の沢尻エリカが薬物問題で降板するなど、放送前から話題になっていた。し…

『大正地獄浪漫』で描かれる鬼、差別、時代

『鬼滅の刃』とは正反対の物語? 『大正地獄浪漫』で描かれる鬼、差別、時代

大正時代、古(いにしえ)より日本の平和を脅かしてきた悪の存在を、鍛え上げられた者たちが手に武器を持ち、体術も使って追い詰めていく…

『オーバーロード』はなぜ人気なのか?

『異世界かるてっと』を牽引する人気作『オーバーロード』は“サラリーマン社会”の苦悩を映す?

『異世界かるてっと』をご存じだろうか。テレビアニメのタイトルで、その名のとおりに異世界に転生、または転移した主人公たちが登場する…

ルシア・ベルリンが天才と言われる所以

『掃除婦のための手引き書』の筆致に漂う、ルシア・ベルリンの才気 没後16年、幻の天才作家の著作を手に取って

2004年、68歳の誕生日にルシア・ベルリンがこの世を去った。それから16年が経ち、我々は今『掃除婦のための手引き書』を手にする…

感染症を描く古典『ペスト』『復活の日』

カミュ『ペスト』の“予言”と小松左京『復活の日』の“警告”ーー感染症を描く古典は“不感症”への予防接種となるか

新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)が不安を広げるなか、感染症を扱った既存の作品が再注目されている。今回は、そのなかで…

山崎まどかが読む、全米ベストセラー小説

山崎まどかの『ザリガニの鳴くところ』評:多くの問題を内包する大ベストセラーの魅力

『ザリガニの鳴くところ』の舞台はアメリカの南部、ノース・カロライナ州。湿地帯の森にはオークやマツだけではなくパルメットヤシの木が…

アニメ化「裏世界ピクニック」シリーズとは

宮澤伊織「裏世界ピクニック」シリーズに騙されてはいけないーー“恐怖の果て”を描く百合小説の魅力

「騙されるな!」と注意を喚起するべきか。それとも「ようこそ!」と接触を歓迎するべきか。  宮澤伊織の「裏世界ピクニック」シリー…

『薬屋のひとりごと』人気の理由に迫る

『薬屋のひとりごと』ヒットに見る“中華風の世界観”の魅力 ラノベ週間ランキング考察

電撃文庫や角川スニーカー文庫、ファンタジア文庫、GA文庫にガガガ文庫と多々あるライトノベルのレーベルから出た人気シリーズの最新刊…

『本好きの下剋上』の止まらない下剋上

『本好きの下剋上』マインは個人で世界そのものに立ち向かうーー異世界ファンタジーとしての魅力を考察

『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』(以下、『本好きの下剋上』)の下剋上が止まらない。それは作品の…

村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』再考

村上春樹の小説は『ねじまき鳥クロニクル』以降に様相を変えたーーキャリア最重要作を再読する

村上春樹の代表作の一つであり、朝日新聞が実施した「識者が選ぶ平成時代に刊行された本のベスト30位」で10位となった小説を原作にし…

『ゲラゲラ』から考察する声優カルチャー

二次元キャラとライブエンタメの融合はどこまで進む? 小説版『GETUP! GETLIVE!』が示した可能性

文芸書の表紙が、ライトノベルのようなアニメ風のキャラクターが描かれているものになっていても、今はあまり驚かれないし忌避感も抱かれ…

書店員が勧める「注目の新人作家」第2回

名物書店員がすすめる「“今”注目の新人作家」第2回:『犬のかたちをしているもの』『タイガー理髪店心中』『箱とキツネと、パイナップル』

渋谷センター街の入り口にある大盛堂書店で書店員を務める山本亮が、今注目の新人作家の作品をおすすめする連載。第2回である今回は、共…