書評の記事一覧
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『よう実』清隆の狙いとは……? 2年生編になっても衰えない人気の秘密を探る
最近はやりのラブコメでもなく、アニメ化作品が続出している異世界転生でもない。現代の高校を舞台にしたデスゲームもののライトノベルシ…
『機龍警察』『マジオペ』ミリタリーSF作品で読む、未来の戦争
『機動戦士ガンダム』や『新世紀エヴァンゲリオン』に登場するようなロボット兵器が出現するのはまだ先になりそうだが、身体機能を拡張す…
ライトノベルは“現実”とどう響き合うか パンデミックを描いた『鹿の王』が映画化される意義を考察
現実を超える展開を描いて驚きを与えてくれるのがフィクションだが、今はフィクションが現実になったような事態や、フィクションを超える…
「もし、あの時こうしていたら」選ばなかった人生を想像する痛切な物語 カツセマサヒコ『夜行秘密』
これは、幾重にも重なった「後悔」の物語だ。「あの時、こうしていれば」「あの時、こうしなければ」彼は/彼女は……と思いをめぐらせ、…
カツセマサヒコが浮き彫りにした“すれ違い”の切なさと苛立ち indigo la Endとのコラボ小説『夜行秘密』レビュー
カツセマサヒコの新作『夜行秘密』は、indigo la Endの同名アルバムをベースにしている。といっても、音楽作品としての『夜…
実写映画化で話題 『夏への扉』が“永遠の傑作SF”と称される理由
SFとは『夏への扉』であり、『夏への扉』こそがSFの珠玉であると言って言い過ぎにならないのは、オールタイムベストSFの…
本の続きが読めないなら生きている意味がないーー『死にたがりの君に贈る物語』が描き出す、深い小説愛
生活必需品、という言葉をコロナ禍になってから頻繁に耳にするようになり、緊急事態宣言が発令されるたびその定義に紛糾している。最近で…
『このすば』に匹敵する“外道な笑い” 暁なつめ『戦闘員、派遣します!』の魅力とは
「笑い」「パロディ」を体現するラノベ ロシアの批評家・文学理論家ミハイル・バフチンは『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネ…
『異世界居酒屋「のぶ」』がアニメ化と実写化をともに果たしたワケ 独自の立ち位置を考察
蝉川夏哉『異世界居酒屋「のぶ」』は2012年10月から小説家になろうにて連載が始まり、2014年9月から宝島社の単行本で刊行(1…
『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』への違和感が消えた理由 社会的に認められない恋愛をどう描く?
違和感を覚えた。だから、しめさばがカクヨムに連載した小説を書籍化し、2018年から刊行し始めた『ひげを剃る。そして女子高生を拾う…
異世界転生ガチャは思い通りにいかない! 『蜘蛛ですが、なにか?』の面白さとは?
勇者や英雄になれるとは限らないから異世界転生は厄介だ。カルロ・ゼンの『幼女戦記』では中年男が赤ん坊の女の子にされて送り出された。…
児童虐待、介護、毒親……本屋大賞受賞作『52ヘルツのクジラたち』は“誰にも届かない声”を拾う
先日、「本屋大賞」の2021年受賞作が発表された。本屋大賞とは、全国の新刊書店に勤務する全ての書店員が投票資格を持ち、一年間に出…
ヨーロッパ最後の独裁国家ベラルーシの実態とは? 『理不尽ゲーム』が暴く不都合な真実
フェスティバルに集まった若者たちが大雨を避けようと地下通路に殺到し、多くの死傷者が出た1999年の群衆事故。ベラルーシの国立芸術…
『テスカトリポカ』が克明に描き出す「麻薬カルテルの論理」 一級のノワールを堪能せよ
自分でも悪趣味だと思うが、メキシコ麻薬戦争を題材にしたコンテンツを見たり読んだりするのをやめられない。ドン・ウィンズロウの『犬の…
働く女性たちに向けて書店員が選ぶ2冊 『お探し物は図書室まで』『蝶の眠る場所』
本稿は、渋谷センター街の入り口にある大盛堂書店で文芸書担当として働く山本亮が、書店員としての日々を送る中で心に残った作品や、手に…
自殺志願少女との恋愛小説、なぜ支持される? 『死にたがりな少女~』から考える、若者を取り巻く状況
2021年2月末に、表紙の話題でバズった小説があった。 「作者の想像を数億倍上回った」表紙イラストが話題 ふわっとしたイメー…