【漫画】もしも彼女が変身ヒーローだったら? 揺れる表情がかわいいラブコメ『辺見さん 今どんな顔してる?』

好きな人のいろいろな表情が見られることは代えがたい喜びである。Xに投稿された『辺見さん 今どんな顔してる?』は、“顔”を軸にしたテンポ感の良いラブコメ作品だ。
椎野は高校で再会した幼馴染の辺見と付き合うことになった。交際して1か月、ラブラブ絶頂期ではあるが、唯野には1つ大きな懸念を抱えている。変身ヒーローである辺見の顔には常に仮面が装着されており、表情がまったくわからない。それでも椎野は、もっと辺見と仲を深めようと手をつないでみようと試みるも――。
シュールな切り口でありながらも、真っすぐなラブコメである本作を手掛けた小島えいゆさん(@yuiemajiko)に、制作におけるこだわりなど話を聞いた。(望月悠木)
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「顔だけ変身している女の子がクラスにいたら」
――なぜ『辺見さん 今どんな顔してる?』を制作したのですか?
小島:実は7年くらい前、とある媒体で連載するために、知り合いの編集プロダクションの人と制作した企画なんです。特撮ヒーローが好きだったので、「ずっと顔だけ変身している女の子がクラスにいたらどうなるだろう」という発想から生まれました。
――「ずっと顔だけ変身している女の子がクラスにいたらどうなるだろう」ということを出発点に、内容を膨らませていったと。
小島:はい。最初に“顔だけ変身ヒーローになっている女の子の絵”を思いつき、「なぜ顔だけ変身しているのか?」を深掘りしていきました。そこから「注目を浴びるヒーローの立場やルッキズムの問題につながっているのかな」と思い、仮面は心に直結しているという設定を思いつきました。
――唯野が「手をつなぎたい」という思いを縦軸に、その中で辺見の能力を紹介していく、という構成でしたね。
小島:特撮ヒーローの図鑑に、ヒーローのスペックを紹介しているページがあるのですが、「それをラブコメでオマージュするなら」という発想でストーリーを構成しました。
――序盤から中盤にかけて「平日の神社でフェスをやっている」「怪物が出現する」など、賑やかな展開が続きました。だからこそ、終盤に辺見の顔が見えた時の、ゆったりとした空気感がより色濃く演出されていた印象です。
小島:前半はラブコメの楽しい感じを演出したかったのと、唯野くんの焦っている心とシンクロするようなテンポ感を心がけました。後半は「どうしたら辺見さんは変身が解けるか」を考えた時に、「安心した時かもな」と思いつき、ゆったりとしたテンポにしました。前半からクライマックスまでは唯野くんの心、最後あたりは辺見さんの心のテンポを表しています。
――ちなみに、本作で取り上げる辺見の能力はどのように決めたのですか?
小島:某特撮ヒーローの人たちのスペックを参考にしつつ、辺見さんの今後の成長を鑑みて設定しました。その界隈の設定をあまり逸脱していないハズです。(笑)。
主人公=ムーミン?
――唯野と辺見はどのように作り上げましたか?
小島:唯野くんはムーミンをイメージしました。だから、たまに口が消えます。(笑)性格も意図していないですが、近いかもしれません。ムーミンが好きなんですよ。
辺見さんは「特撮ヒーローが女の子だったらどんなデザインになるか」と考えて作りました。性格も、見た目と設定にインパクトがあるので、あえてごく普通のおとなしい女の子にしています。
――また、変身時の辺見の仮面や腕などは、どのようにデザインしましたか?
小島:先述しましたが、「特撮ヒーローにどう女性らしさを入れるか」を意識しました。ショートボブの意匠(デザイン)があるのもそのためです。あと、可愛く見えるように、目の位置や大きさ、口の形も細かく調整しました。腕のデザインは、力のすごさや怖さ、辺見さん自身も触らせたくないくらいのイカつさを意識しました。
――辺見の顔がわかるカットはカラーでしたね。
小島:辺見さんを可愛く魅せたく、唯野くんの心情を表したくてカラーにしました。唯野くんは辺見さんの素顔が見られなくても、もちろん好きなんですが、「そんな好きな子の可愛い姿を見てしまったら、世界はさらに色づくだろうな」という思いがあります。
――また、作画で特に苦労したカットはありますか?
小島:やっぱり辺見さんの素顔のカットですね。あのシーンは辺見さんを可愛く魅せるために、3回くらい描き直しました。また、辺見さんを自転車から救う唯野くんのシーンも、意外と男前に描けたのでお気に入りです。
――今後はどのように漫画制作を展開していく予定ですか?
小島:現在、連載に向けて編集者さんと企画を練っているので、そちらを形にしていきたいです。まだ具体的には何も言えないのですが、楽しみにお待ちいただけたらと思います。また、自身で発信するマンガも作りたいので、最近はSNSでお試しの漫画をちょこちょこアップしています。自分は京都のマンガの学科がある大学出身で、京都を舞台にした漫画が多いので、ゆくゆくは「京都の漫画家といえばコイツだ!」と認識されたいです。





















