
【特集】夏のホラー文芸
ホラー文芸が近年、かつてないほど活況を呈している。ウェブライターの雨穴による不動産ミステリー小説『変な家』(2021年/飛鳥新社)が150万部を突破したことを皮切りに、背筋『近畿地方のある場所について』(2023年/KADOKAWA)や上條一輝『深淵のテレパス』(2024年/東京創元社)など、Web発の新鋭作家たちの作品が大ヒット。ドキュメンタリー風のフィクションである「モキュメンタリー」の手法が注目を集め、テレビドラマ『イシナガキクエを探しています』など映像作品にもそのムーヴメントは波及している。
さらに、『リング』『らせん』で知られる鈴木光司の新作『ユビキタス』(KADOKAWA)や、澤村伊智の『怪談小説という名の小説怪談』(新潮文庫)といったベテラン勢や実力派のホラー小説にも注目が集まり、1991年に発表された新井素子の『くますけと一緒に』(中央公論新社)が再ヒットするなど、新旧問わずにさまざまなホラー小説が人気を集めている状況だ。
リアルサウンド ブックでは、特にオススメしたいホラー小説の作家インタビューや対談、怪奇幻想ライター・朝宮運河氏をはじめとした評論家陣による書評などで、現在のホラー文芸ブームを多角的に読み解いていく。

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