作品評の記事一覧

(2757件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

荻野洋一の『リチャード・ジュエル』評

『リチャード・ジュエル』が誘う終わりのない問い イーストウッドの“悪意”を受け考えるべきこと

私たち現代観客は『リチャード・ジュエル』というアメリカ映画をどのように見たらよいのだろうか。一見シンプルなテーマを持ち、ひょっと…

『ロニートとエスティ』ラストに宿る感傷

人は抑圧にどう立ち向かうのか? 『ロニートとエスティ』ラストシーンが象徴する現代的なテーマ

セバスティアン・レリオの前作『ナチュラルウーマン』では、文字通りの「逆風」に立ち向かう女性が鮮烈に映し出されていたが、本作『ロニ…

『バッドボーイズ』成功した“引き算戦法”

『バッドボーイズ フォー・ライフ』はシリーズの転換点!? 成功した“引き算戦法”

見た目も中身もギンギラ、ナンパで武闘派刑事のマイク(ウィル・スミス)と、常識人ながらマイクの暴走の心労から時おり奇行が目立つ良き…

『パラサイト』が描く韓国社会の構図

【ネタバレあり】『パラサイト 半地下の家族』が描く韓国社会の構図 “善悪”で動かない物語の特殊性

ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』の興行収入が10億円を超えたという。筆者も二度鑑賞したが、最初に観たときは、そ…

『キャッツ』の酷評は妥当なのか?

映画『キャッツ』の悪評は妥当なのか? 小野寺系が作品の真価を問う

猫を題材としたT・S・エリオットの詩集を基に、数々のヒットミュージカルを手がけている、アンドリュー・ロイド=ウェバーが曲をつけ、…

『ジョジョ・ラビット』が描いたもの

世界中の人間に共通する課題 “なさそうでなかった”戦争映画『ジョジョ・ラビット』が描いたもの

ナチスドイツを題材にした、“なさそうでなかった”戦争映画『ジョジョ・ラビット』は、観客に新鮮なインパクトを与える作品だ。本作は、…

『ロング・ショット』にみる新時代のラブコメ

『ロング・ショット』圧倒的“多幸感”の理由は? 新時代のラブコメとして重要な1本に

1月3日に公開されて以降、その評判が徐々に広まり、現在ロングヒットを記録しているラブコメ映画『ロング・ショット 僕と彼女のありえ…

『ロニートとエスティ』“自由”を巡る問い

意外な形で結論づけられる“自由”を巡る問い 『ロニートとエスティ』が描く、個としての女性の人生

愛する者と触れ合うとき、服を脱ぐよりも先にかつらを脱ぐ女の姿が官能的なのは、服を脱ぐよりもかつらを脱ぐ所作の方がよっぽど官能的に…

『フォードvsフェラーリ』ネタバレ解説

【ネタバレあり】『フォードvsフェラーリ』がラストシーンで到達した“マン映画”からの解放

アメリカのフォード・モーターとイタリアのフェラーリが、会社同士のいさかいをきっかけにして、60年代にレースで火花を散らした史実を…

劇場版は『ゼロワン』の所信表明に

“仮面ライダー自身が仮面ライダーを超える”二重構造 劇場版は『ゼロワン』という物語の所信表明に

振り返れば、2019年は仮面ライダーシリーズにとって怒涛の一年であった。  元はファンの俗称に過ぎなかった「平成ライダー」とい…

『ダウントン・アビー』初心者にも響く現代性

映画『ダウントン・アビー』を完全ビギナーが観てみたら? 意外にも強い現代性と間口の広さ

『ダウントン・アビー』といえば、2014年から2017年にかけてNHK総合でも放送されて、2010年代に入ってから始まったテレビ…

ホラー最前線製作チームが贈る『アナベル』

『IT/イット』『ソウ』のホラー最前線製作チームが贈る 『アナベル 死霊博物館』でパワーアップしたシリーズの醍醐味

アメリカ中で幽霊や悪魔を調査する心霊研究家のウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン&ヴェラ・ファーミガ)。東に悪魔があれば祓いに…

『SW』続3部作はベン・ソロの物語

シークエル3部作はベン・ソロの物語に 『スカイウォーカーの夜明け』はファンサービス満載な作品

いまから遡ること42年前、監督ジョージ・ルーカスは、『スター・ウォーズ』を生み出した。砂漠の惑星で暮らす青年ルークは、2体のドロ…

『ヒックとドラゴン』完結編が持つ一貫性

『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』のテーマは「自立と旅立ち」 ドラゴンの存在を信じさせる仕掛けとは

ドリームワークス製作のアニメ『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』が公開されました。正直、ここまでの完成度の高さとは思っていなかった…

『SW』続3部作とは何だったのか

【ネタバレあり】『スター・ウォーズ』続3部作とは何だったのか 小野寺系が“失敗の理由”を解説

2015年から、スピンオフを間にはさみながら、2年ごとのペースで製作・公開されてきた、『スター・ウォーズ』エピソード7、8、9。…

3DCG版『ルパン三世』が描く“変わらなさ”

『ルパン三世 THE FIRST』が描いた“変わらなさ” 新しいフォーマットで生き続ける一味たち

国民的アニメシリーズ『ルパン三世』の初の完全3DCGアニメ映画『ルパン三世 THE FIRST』が12月6日から公開されている。…

『SW』エイブラムスの哀しき独り相撲

J・J・エイブラムスの哀しき独り相撲 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』への同情

J・J・エイブラムス監督53歳、哀しき独り相撲……観終わった後、私はそう思った。面白い/面白くないかで言えば面白かったし、好き/…

『ジュマンジ』最新作の現代的なテーマ

テーマは前作よりも現代的に 『ジュマンジ/ネクスト・レベル』が示す、“人間性”の重要度

絵本を原作に、ボードゲームで起きた出来事が本当に起こってしまうという内容の、ロビン・ウィリアムズ主演ファンタジー映画『ジュマンジ…

『冬時間のパリ』で楽しむ「大人」の会話劇

フランス映画を楽しむ秘訣は“おしゃべり”にあり!? 『冬時間のパリ』が描く大人の恋愛観

会話、会話、会話。恋愛や夫婦の関係、仕事の悩みなどが描かれたフランス映画『冬時間のパリ』は、邦題のとおり冬のパリを舞台に、大人の…

『だれもが愛しいチャンピオン』を紐解く

スペインで映画賞と興行成績を制した理由は? 『だれもが愛しいチャンピオン』で“新しい世界”に出会う

『ブランカニエベス』、『しあわせな人生の選択』、『マイ・ブックショップ』……スペイン版のアカデミー賞といえる“ゴヤ賞”の“作品賞…

『テッド・バンディ』が「必見」である理由

『テッド・バンディ』が「必見」である理由 シリアルキラー作品の新たな形を提示

『テッド・バンディ』を観て最初に思ったのは、「時代が一周回ったな」ということだった。90年代初頭の時点で国内外の映画やドラマとご…

『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の憑依芸

前作の魅力は確かに「継承」! ロック様たちの“憑依芸”光る『ジュマンジ/ネクスト・レベル』

冴えない大学生のスペンサー(アレックス・ウルフ)。大学へ進学したけれど、学校では友達ができず、バイト先では叱られる。なんだか暗い…