作品評の記事一覧

(2488件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『グリーンブック』なぜアカデミー作品賞に?

『グリーンブック』はアカデミー賞作品賞にふさわしかったのか? 批判される理由などから考察

第91回アカデミー賞の栄えある作品賞に選ばれたのは、黒人の天才ピアニストと粗野な白人用心棒が、人種差別が根強い1960年代のアメ…

今語られるべき『サバービコン』のメッセージ

ジョージ・クルーニー監督の作家性が光る いま語られるべき映画『サバービコン』のメッセージ

先日開催された、第91回アカデミー賞で、天才黒人ピアニストと粗野なイタリア系の白人用心棒の交流が描かれた『グリーンブック』が作品…

松江哲明の『デイアンドナイト』評

阿部進之介×山田孝之の熱意が刻まれた1作 『デイアンドナイト』は善悪の“隙間”を描く

唯一無二の存在となった俳優・山田孝之が、俳優ではなく初めてプロデューサーとして手がけた作品が映画『デイアンドナイト』です。『山田…

『アリータ』なぜ世界的なヒットに?

『アリータ:バトル・エンジェル』なぜ世界的なヒットに? 原作を解釈し直した“愛の物語”

世界最大のヒットメイカーとして知られるジェームズ・キャメロン。彼は、世界興行収入歴代1位を記録した『アバター』の制作を開始する前…

『アンフレンデッド』続編の恐怖のアイデア

ホラー/スリラーのマエストロたちが集結! 『アンフレンデッド:ダークウェブ』の恐怖のアイデア

昨年公開された映画『クワイエット・プレイス 』の「音を立てたら、即死」が記憶に新しいように、「◯◯したら死ぬ」という設定やキャッ…

『アリータ』の絶妙なバランス

メディアミックスとして大成功? 『アリータ:バトル・エンジェル』の絶妙なバランス

実写化に限らず、メディアミックスは難しい。ゲームのアニメ化、漫画の小説化、映画の漫画化などなど、表現媒体を変え、なおかつ「原作」…

松江哲明の『クリード 炎の宿敵』評

『クリード 炎の宿敵』に刻まれたドラゴ親子の30年 歪な構造が“奇跡”の作品に

『クリード 炎の宿敵』はこの十数年間で一番と言っても過言ではないぐらい号泣してしまった作品でした。正直、冷静に鑑賞できたという自…

菊地成孔の『天才作家の妻 40年目の真実』評

菊地成孔の『天才作家の妻 40年目の真実』評:よく言うよね<愛すべき佳作><小品だが良品>でも、今時そんなモンあるのか?この作品以外で

もう、絵に描いたような「愛すべき小品」  この、昨今ではとんと見なくなった、絵に描いたような<愛すべき佳作><小品だが良品>で…

『フォルトゥナの瞳』神木&有村の初々しい恋人模様

神木隆之介と有村架純の初々しい恋人模様 『フォルトゥナの瞳』の繊細な心情描写

“フォルトゥナ”とは運命の女神のことで、その瞳を持った者には、“死を目前にした人間が透けて見える”という不思議な力が宿る。百田尚…

宮台真司『ア・ゴースト・ストーリー』評後編

宮台真司の『A GHOST STORY』評(後編):「存在」から「存在の記憶」へ、さらには「存在したという事実は消えないこと」へ

この社会は既に終わっているとはどういうことか  前々回と前回を通じて『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』を…

『女王陛下のお気に入り』の実験性

監督の作家性を維持しながらリッチな作品に “笑えない悲劇”『女王陛下のお気に入り』の実験性

オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ。3人のキャストが揃ってアカデミー賞の主演、助演女優賞にノミネートされ…

真舘晴子が語る『私は、マリア・カラス』

The Wisely Brothers 真舘晴子が語る『私は、マリア・カラス』 「年代も超えるほど人に伝わる」

オペラと聴くと、あまりなじみがないなぁと思ってしまいました。思い浮かぶのは、ある日届いた友達からの手紙の最後のほう、パリのオペラ…

『21世紀の女の子』が意味するもの

センセーショナルで深い意義があるオムニバス映画に 『21世紀の女の子』が意味するもの

「女の子だけが本当の映画を撮れる」  こんな印象的なフレーズが飛び出すのは、80年代後半~90年代生まれの女性の映像作家たちが…

『バーニング』現代韓国の若者たちの感覚

イ・チャンドンは村上春樹作品をどう改変した? 『バーニング』が捉えた現代韓国の若者たちの感覚

村上春樹の短編小説『納屋を焼く』を原作としたイ・チャンドン『バーニング』は、しかし、原作とまったく異なる主題と余韻を持つ作品であ…

ゆっきゅんの『チワワちゃん』評

ゆっきゅんの『チワワちゃん』評:“たくさんのひとり”と見つめたい、僕らの映画

“エイガサントラー”を自称する、架空の映画のサウンドトラックを歌う男女2人組ユニット「電影と少年CQ」。メンバーの1人であるゆっ…

『メリー・ポピンズ リターンズ』の価値

“不朽の名作”の続編の出来は? 原作の精神を守り抜いた『メリー・ポピンズ リターンズ』の価値

「さよなら、メリー・ポピンズ。またすぐに帰ってきておくれ」  桜通りのバンクス一家に幸せをもたらした魔法使いのナニー、メリー・…

『天才作家の妻』が描く“妻”という役目

グレン・クローズが見せる解放と恍惚の表情ーー『天才作家の妻』が描く“妻”という役目

過去何世紀にもわたって、女性は鏡の役割を務めてきました。鏡には魔法の甘美な力が備わっていて、男性の姿を二倍に拡大して映してきまし…

『轢き逃げ』は水谷豊監督“渾身の一本”に

配役と演出の妙が生み出す物語の奥行き 『轢き逃げ 最高の最悪な日』は水谷豊監督“渾身の一本”に

白昼の住宅街で、青のジープに乗った青年2人がスピードを緩めずに右折し、その先にいた女性をはねてしまう。運転していた青年・秀一は結…