菊地成孔の『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』評:<35ミリフィルムを使って70年代を再現した系>映画。の最高傑作としても全く異論はない。誠実で奇跡的な傑作
「SEX<E>S」ですよ!! タイトルだけ聞いたらエロ映画だと勘違いする人も多かろう。ここでの「セクシー」は日本人の大半が知…
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
「SEX<E>S」ですよ!! タイトルだけ聞いたらエロ映画だと勘違いする人も多かろう。ここでの「セクシー」は日本人の大半が知…
月明かりが照らす広大な雪原を、血を流しながら一人裸足で走る若い女性。彼女の死をめぐってこの映画は展開する。なぜ彼女は雪原を走って…
細田守監督の新作『未来のミライ』を見終えて、なぜこの作品は、主人公の4歳児「くんちゃん」のあらゆる挙手挙動をここまで熱心な目で観…
『ウインド・リバー』というきわめて地味な、だが孤高の美しさと悲しみをたたえたこの聡明なアメリカ映画は、現代にはたして西部劇は成立…
細田守監督の最新作『未来のミライ』に、SNSなどで容赦ない批判の声が浴びせられている。本編よりも、その開始前に上映された『シン・…
全ての映画製作者は真面目に映画づくりに取り組んでいるのだろうが、本作ほど真摯な姿勢が見て取れる作品はない。 『ゲヘナ~死の生…
うつむきがちな高校1年生の少女・大島志乃(南沙良)は、ほっそりとした身体をめいっぱいに震わせて、目にいっぱいの涙をためている。入…
あの『ジュラシック・パーク』シリーズを14年ぶりに再始動させ、スケールアップした映画『ジュラシック・ワールド』は、2015年に公…
「あれだけ人が死んだのに、普通に開園した!?」全世界の人間がそう突っ込んだ『ジュラシック・ワールド』(15年)から早3年。ついに…
漫画『エースをねらえ!』に登場する有名なキャラクター「お蝶夫人」は、高校生にも関わらず、なぜ「夫人」と呼ばれているのか。その答え…
乗り遅れた船 / 残されたインポテンツ 筆者はミレニアム・ファルコン乗り遅れ組だ。同様の、同世代の男性(女性差別ではない。当…
現代アートを批判した映画ではない この映画を現代アート周辺のスノビズムを批判した作品だと受け取る人がいますが、間違いです。言…
人生はサバイバルだ。どんなに過酷で、辛いことがあろうとも、それを乗り越え、ひたすら前に進んでいくーーそんなもっともらしい言葉の数…
今年5月に日本公開された米映画『ゲティ家の身代金』は、本編の内容もさることながら、俳優に支払われたギャラの男女格差で話題となった…
布団が艶めかしかった昭和と共に失われたもの 布団の話から始めます。昭和には和風ラブホテル──「旅荘」──がありました。門をく…
男子同士の空気感、女子同士の空気感、男女友達の空気感、そして好きな相手と一対一で過ごす空気感……すべて同じ人物なのに、流れる空気…
いろいろあってニッチもサッチもいかなくなっている殺し屋ブレイク(タラン・キラム)。このままじゃ男が廃ると一大決心を重ね、史上最強…
1999年に俳優の別所哲也が自ら立ち上げた、日本初の国際短編映画祭<アメリカン・ショート・ショート>を前身にスタートし、今年で2…
相棒の“チューバッカ”とともに「銀河一」と豪語する高速の宇宙船「ミレニアム・ファルコン」を駆り、レーザー光線を発射する銃「ブラス…
アメリカ合衆国アリゾナ州。乾燥した気候と多発する山火事で有名なこの地で、2人の男が人生の袋小路に迷い込んでいた。1人は青年マクド…
もともとイメージしていたのと違う内容の映画というのがあるが、まさに『オンリー・ザ・ブレイブ』は、イメージが覆される、良い意味で驚…
いやはや、徹底している。ボンジュールとメルシーボクーの次くらいに世界中のどこでも通じるフランス語のフレーズである『セラヴィ!』と…
遺伝子の疾患によって、多くの人とは異なる特徴的な顔で生まれてきた男の子、オーガスト(オギー)。両親や姉の献身的な愛情に恵まれて育…
常軌を逸する精神状態を演じさせれば、そこはニコラス・ケイジの独壇場となる。クレイジーな言動や行動をハイテンションで繰り返すのは、…
イーサン・ホークはいつだってボロボロだ。彼は紛れもなく名優だが、スクリーンではいつだって追い詰められ、狼狽え、憔悴している。乗っ…
Netflixで配信中のドキュメンタリー『ボクらを作ったオモチャたち』がめっぽう面白い。面白いというか、もう感動的と言っていい。…
2017年の末、日本で初めて、インド映画『バーフバリ 王の凱旋』が封切られた。娯楽映画の王道中の王道、“天道”を走る火の玉のよう…