作品評の記事一覧

(2469件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

小野寺系の『フロリダ・プロジェクト』評

アメリカ社会の現状を描き出すーー『フロリダ・プロジェクト』が重要な作品になった理由

中華料理の配達人や、路上で偽ブランド品を販売する不法移民、トランスジェンダーの娼婦など、アメリカ社会の片隅で顧みられずに生きてい…

『アベンジャーズ/IW』アイアンマンの成長

MCU10年の歴史に寄り添うアイアンマン 『インフィニティ・ウォー』に見るリーダーとしての成長

4月27日に日本で封切りされた『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が大ヒット上映中だ。マーベルの人気キャラクターが一堂に会…

『リズと青い鳥』が描く思春期のリアリティ

実写映画を超える思春期のリアル 『リズと青い鳥』に見る、京都アニメーション作品の映画的手法

『映画 聲の形』が公開された際、原作漫画があることも知らず、松岡茉優さんが声優を担当しているという情報だけで観に行きました。そし…

『ボストン ストロング』ヒーローのあり方

J・ギレンホールを通して苦しみを疑似体験 『ボストン ストロング』が示す“ヒーロー”のあり方

歴史あるボストンマラソンの競技中、ゴール付近に仕掛けられた爆弾が爆発し、3人が死亡、282人が負傷したという、世界中に衝撃を与え…

『インフィニティ・ウォー』新メンバーの役割

新メンバーがアベンジャーズの追い風に 『インフィニティ・ウォー』ヒーローたちの強烈なエピソード

感嘆、興奮、そして多くの悲鳴がほうぼうから上がって止まない『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。筆者も例外ではなく、その予…

『君の名前で僕を呼んで』が綴る楽園にいた記憶

『君の名前で僕を呼んで』が綴る“楽園にいた記憶” 同性愛をテーマにした『モーリス』との違い

1983年の夏。17歳の青年エリオは、別荘がある北イタリアの小さな村で運命的な出会いをする。エリオの父親は美術史を教える大学教授…

『ホース・ソルジャー』に見るアメリカ文化

馬に乗った兵士の“英雄の物語”はなぜ映画化された? 『ホース・ソルジャー』に見るアメリカ文化

アメリカ同時多発テロ事件(「9.11」)によって、ニューヨーク、マンハッタンを象徴するワールドトレードセンターのツインタワーが旅…

菅田将暉の幅広い表現力で“とな怪ワールド”へ

菅田将暉が与えてくれる“胸キュン”は、ひと味もふた味も違う 『となりの怪物くん』の温かさ

菅田将暉&土屋太鳳W主演の話題作『となりの怪物くん』。スクリーンに映し出された菅田は、まさに怪物・吉田春そのもの。土屋演じる水谷…

『タクシー運転手』が描く普遍的な希望

監督が運転するタクシー“ソン・ガンホ”に乗り光州事件を追体験 『タクシー運転手』の普遍的な希望

『タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜』(17年)は素晴らしい作品だと思う。本作を手掛けたチャン・フン監督は、すでに『義兄弟 S…

『アベンジャーズ/IW』真の衝撃を読み解く

【ネタバレあり】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の“真の衝撃”を読み解く

衝撃の展開の裏に隠された“真の衝撃”とは  マーベル映画のヒーローたちが集結し、強大な敵と戦う『アベンジャーズ』シリーズ。その…

『ママレード・ボーイ』原作と現代の融合

吉沢亮と一つ屋根の下で暮らすドキドキ感! 『ママレード・ボーイ』“非現実”という設定の魅力

吉住渉の人気少女コミック『ママレード・ボーイ』が、桜井日奈子&吉沢亮のW主演でついに実写化された。『りぼん』(集英社)に原作が連…

『アベンジャーズ/IW』衝撃作になった理由

真の主役は“あの人”? 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』期待以上の衝撃作になった理由

映画というのは事前の期待があまりにも高すぎると、観た後ちょっとガッカりみたいなことありますよね。決して作品自体は悪くないのに、こ…

松江哲明の『トレイン・ミッション』評

T・スコットに通じるJ・コレット=セラの職人芸 『トレイン・ミッション』に学ぶ映画の作り方

「リーアム・ニーソン主演」「舞台は電車」このふたつのキーワードだけで、どんな話かある程度の想像はつくかと思います。ですが、本作は…

『THIS IS US』巧みな脚本を分析

『THIS IS US 36歳、これから』は、山田太一、坂元裕二作品に通じる? 巧みな脚本を分析

自分が演じる役にほとほと嫌気がさしているイケメン俳優“ケヴィン”、定職に就かないまままずは“脱肥満”を目標として日々努力する女性…

『リズと青い鳥』の実写的リアリティー

アニメ的誇張なしで描く繊細な心理描写が魅力 『リズと青い鳥』から感じる実写的リアリティー

武田綾乃による吹奏楽部が舞台の原作小説をアニメ化した『響け!ユーフォニアム』シリーズ。同シリーズのスピンオフ映画『リズと青い鳥』…

『ゼロの執行人』は子供向けを超越

“子供向け”のレッテルを超越! ハリウッド超大作に匹敵する『名探偵コナン ゼロの執行人』の凄さ

つい4、5年前まではゴールデンウィーク興行の目玉であるにもかかわらず『名探偵コナン』を気にもかけていなかった筆者であるが、気が付…

『鋼鉄の雨』は韓国版『シン・ゴジラ』か?

『鋼鉄の雨』は韓国版『シン・ゴジラ』か? 韓国映画に通底する“未完の近代”としての自画像

平昌冬季オリンピックを機に盛り上がる南北融和ムードのなか、平壌で行われた韓国芸能人らによる公演を観覧し、人気のK-POPアイドル…

『パシリム』続編、なぜ賛否両論に?

『パシフィック・リム:アップライジング』なぜ賛否両論に? 不満の声が出る理由を検証

日本の怪獣映画や巨大ロボットアニメを、ハリウッドの最新技術によって合体させ実写映画化したら…。子どもたちのみならず、かつて幼い頃…

『ジュマンジ』のポジティブなメッセージ

“96年のメタラー”は何を意味する? 『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』のメッセージ

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(17年)はスクール・カーストを題材にした映画だ。ゲームの中に入った高校生が、冒険の…

荻野洋一の『ラブレス』評

ベルイマン映画に重なる“交わらない視線” 『ラブレス』が提示する、映画の残酷さと凄絶さ

ノンフィクションではあるまいし、これほど凄絶な悲劇はそうはないのではないか。かつてイギリスの劇作家シェイクスピアがあえて露悪さを…

小野寺系の『ワンダーストラック』評

トッド・ヘインズは少数者の孤独な魂に寄り添う 『ワンダーストラック』が示す数奇なつながり

いまアメリカ映画で最も注目されているトピックが「多様性」だ。『ブラックパンサー』が記録的な興行成績を収め、『シェイプ・オブ・ウォ…

アメリカ娯楽映画の状況と展望

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』から考える、アメリカ娯楽映画の状況と展望

ついに『ブラックパンサー』が、アメリカ国内興行収入で『タイタニック』を超え、アメリカ興行収入歴代3位にまでランクインした。非白人…

菊地成孔の『ブラックパンサー』評

菊地成孔の『ブラックパンサー』評:本作の持つ逸脱的な「異様さ」、そのパワーの源が、もしトラウマであり、タブーなのだとしたら

批評掲載の経緯(比較的面白い)  「<シェイプ・オブ・ウォーター>評の閲覧数が多く、好評なんで、『ブラックパンサー』もお願いで…

全米熱狂『THIS IS US』の魅力

『THIS IS US 36歳、これから』が熱狂を呼んだ理由 全米大ヒットの背景を読み解く

アメリカのテレビ局3大ネットワークといえばABCとCBSとNBC。21世紀に入ってからはFOXも加えて一般的に4大ネットワークと…

「新しい地図」が描く新しい映画のカタチ

『クソ野郎と美しき世界』は稲垣×香取×草なぎの決意表明だ 喪失感から生まれた“愛の映画”

稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による映画『クソ野郎と美しき世界』が公開された。ギリギリのスケジュールで制作され、マスコミによる試写…

モルモット吉田『ペンタゴン・ペーパーズ』評

モルモット吉田の『ペンタゴン・ペーパーズ』評:スピルバーグが問う報道をめぐる姿勢

1971年と2045年――2本連続で公開されるスティーヴン・スピルバーグの新作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』と『レディ…

荻野洋一の『ワンダーストラック』評

『キャロル』は手法上のリハーサル? 『ワンダーストラック』は混乱しつつ、なおかつ透明たりうる

トッド・ヘインズ監督の前作『キャロル』は素晴らしい映画だったけれども、新作『ワンダーストラック』を前にした今、『キャロル』は『ワ…

吉高由里子、殺人者役の底知れぬ魅力

吉高由里子、『ユリゴコロ』殺人者役の底知れぬ魅力 『かの鳥』にも共通する“愛”への問い

2017年は、イヤミスの女王とも呼ばれる沼田まほかるの小説『彼女がその名を知らない鳥たち』、『ユリゴコロ』が相次いで映画化された…

『レッド・スパロー』が描く女性の復讐と自立

二重性を持ったジェニファー・ローレンスが本領発揮 『レッド・スパロー』が描く女性の復讐と自立

2010年アメリカで、あるスパイ事件がセンセーショナルに報道された。核弾頭開発計画の情報を収集していたロシアのスパイが、FBIに…

菊地成孔の『シェイプ・オヴ・ウォーター』評

菊地成孔の『シェイプ・オヴ・ウォーター』評:ヴァリネラビリティを反転し、萌えを普遍的な愛に昇華した、見事なまでの「オタクのレコンキスタ」は、本当にそれでいいのか?

オタクに市民権を!(いつの叫びだ)  特に監督と音楽が際立って素晴らしい本作は、ゴールデングローブ(以下GGA)と米国アカデミ…

『ボス・ベイビー』なぜ人気作に?

『ボス・ベイビー』なぜ人気作に? 脚本の整合性を超えた実存主義的な姿勢

自宅の前に停まった一台のタクシー。7歳の少年ティムが外を見ると、そこから降りてきたのは、いかにも高級そうな黒いスーツと腕時計、サ…