作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
豊田利晃監督の本当の意味での“復帰作”に 『泣き虫しょったんの奇跡』で再び放たれた輝き
『青い春』(2001年)や『ポルノスター』(1999年)を撮った豊田利晃監督は、「天才」と呼べる数少ない若手監督だった。演出にお…
アクションで描かれる善と悪のカルマ 『SPL 狼たちの処刑台』が体現する香港ノワールの真髄を読む
香港ノワールをご存知だろうか? 1980年前後に香港を中心に世界的に流行した、黒社会の中での友情や裏切りを描いた犯罪映画のことで…
今のステイサムは演技も人の頭に回し蹴りもできる! 『MEG』は役者としての総決算に
「演技はできないが、人の頭に回し蹴りはできる」。かつてジェイソン・ステイサムは、自身をこのように評した(参考:ウレぴあ総研|ジェ…
“青春”は大人だけが持つ宝物だ 『高崎グラフィティ。』が描く“あの頃”の本当の姿
第1回「未完成映画予告編大賞」でグランプリを受賞した予告編をもとに長編化された作品、『高崎グラフィティ。』が現在公開中だ。本作は…
『アベンジャーズ』シリーズへの重要な布石? 『アントマン&ワスプ』で描かれた量子力学を考察
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で見せられた衝撃の展開。10年の歳月に渡って作られてきた、マーベル・スタジオによるヒー…
小野寺系の『ちいさな英雄』評:監督たちの才能とスタジオポノックの未来を読む
「ポンポンポン、ポノック、スッタッジッオ、ポノック♪」 木村カエラが景気よく歌うオープニングテーマ曲から始まる、ポノック短編…
劇場版も癒し効果バツグン! 「明日からまたがんばろう」と思える『のんのんびより』の魅力
のどかな田舎の風景の中でかわいらしいキャラクターたちがゆるゆるとした日々を送る、人気日常系シリーズ『のんのんびより』。テレビアニ…
『若い女』は冬のパリを舞台にした『ライ麦畑でつかまえて』? “好きにはなれない”人物造形の妙
「31歳のポーラは、10年付き合った写真家の恋人に突然別れを告げられる。お金も、家も、仕事も無い彼女は、恋人の飼い猫と共にパリを…
木村拓哉と二宮和也の組み合わせを楽しむだけではない 『検察側の罪人』の“異様さ”を解説
日本のトップアイドルの座に君臨し続け、主演俳優としてのキャリアも豊富な木村拓哉。人気絶頂の男性アイドルユニットに所属しながら、飛…
演出はハリウッド映画のよう 劇場版『ヒロアカ』は“TVアニメの映画化”の意義を感じさせる作品だ
『週刊少年ジャンプ』で連載中の堀越耕平のコミックス『僕のヒーローアカデミア』。テレビアニメ3期も絶賛放送中だが、初の劇場版『僕の…
探究心こそ人生の最高のスパイス 『ペンギン・ハイウェイ』が教えてくれる、謎に挑むことの楽しさ
ファインマンとアオヤマ君が教えてくれるもの 人生を豊かに彩るスパイスはいろいろある。愛でもいいし友情でもいいし、エロスでもい…
全てが過剰! アンディ・ラウ×ハーマン・ヤウ『ショックウェイブ』から感じる香港映画の意地
劉徳華ことアンディ・ラウ! 俳優・歌手としてアジアの最高峰を走る香港の大スターであり、数々の苦難を乗り越えてきた奇跡の人である。…
欠落感漂う日本の劇場長編アニメーション界の“希望の灯” 『ペンギン・ハイウェイ』を徹底解剖
先日、カナダの都市モントリオールで開催された、ジャンル映画祭として有名な「ファンタジア国際映画祭」に行ってきた。この映画祭のアニ…
山下智久のポジションは“憧れ”から“仲間”へ 『劇場版コード・ブルー』絆によって手に入れた“強さ”
『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(以下、『劇場版コード・ブルー』)が、公開から24日間で累計観客動員538万人…
トム・クルーズ『ミッション:インポッシブル』シリーズが、他のアクション映画と一線を画すワケ
にわかに信じがたいが、トム・クルーズは今年で56歳になったそうだ(ちなみに筆者の父親は今年で53歳、こちらもにわかに信じがたい)…
子供たちと負け犬音楽家を引き寄せる“音楽”の力 『オーケストラ・クラス』は生々しいドラマを描く
2015年、パリ19区にモダンなコンサートホールがオープンした。フランスを代表する建築家、ジャン・ヌーヴェルが設計したコンサート…
ピクサーの面目躍如は『インクレディブル・ファミリー』ジャック・ジャックの存在にあり?
ピクサー社アニメの魅力は、なんといっても「擬人化」ということだと思う。虫の社会もウディ・アレン映画のように世知辛いのだな(『バグ…
明らかに何かが変? 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の隠された魅力を徹底解説
第1作より22年、6作目となった人気シリーズの新作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は、トム・クルーズ自身が生身で演…
アン・ハサウェイ、米批評家から大絶賛! 『オーシャンズ8』が参照したポップカルチャーを解説
『オーシャンズ8』がオール女性キャストである理由はなんだろう? 答えは「女性は無視されるから」。人目の多い場所で虚をつくには、男…
『インクレディブル・ファミリー』が描く男女の対比 “ファミリー映画”としてのユニークさを解説
近頃、海外映画で扱われるテーマが、日本社会の状況にあてはまると感じる機会が多くなった。『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』('17)…
引退作になるのは惜しい ヤン・シュヴァンクマイエル『蟲』が生み出す“良い意味での不快感”
御年83歳になるヤン・シュヴァンクマイエル自らがカメラに向かって語りかける冒頭。前作『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生…
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は、まごうことなき“おじさん映画”の傑作だ!
私がおじさんになっても、カッコよく撮れるの? 肉体美はとても無理よ、若い子には負けるわ……。森高千里の名曲「わたしがオバさんにな…
ブラッド・バード監督が見せつけた“格の違い” 『インクレディブル・ファミリー』のすごさを解説
『アイアン・ジャイアント』(1999年)をはじめとする、規格外の傑作ばかりのフィルモグラフィーが示すように、群を抜く才能で「天才…
全編わずか10カット 『ブッシュウィック-武装都市-』の“長回し”は、3本の映画を想起させる
映画は映画であるから、役者の近くにはカメラとスタッフがいるものだ。この当たり前のことを私たちはけっこう忘れがちである。今、画面に…
大内雷電の『ハン・ソロ』評:特撮オタクが見た『スター・ウォーズ』の未来と可能性
THE 夏の魔物や科楽特奏隊で活躍する特殊ベーシスト・大内雷電が、オタク魂を込めて映画を熱く取り上げる連載企画。東京ディズニーラ…
菊地成孔の『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』評:<35ミリフィルムを使って70年代を再現した系>映画。の最高傑作としても全く異論はない。誠実で奇跡的な傑作
「SEX<E>S」ですよ!! タイトルだけ聞いたらエロ映画だと勘違いする人も多かろう。ここでの「セクシー」は日本人の大半が知…