作品評の記事一覧

(2488件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

荻野洋一の『アルキメデスの大戦』評

菅田将暉が演じた主人公は山崎貴の“自画像”だ 『アルキメデスの大戦』が描く倒錯した唯美史観

山崎貴という作り手を、後世の人はいったいどのように評することになるのだろうか? 彼は今や日本を代表するヒットメイカーとなり、多く…

菊地成孔のMCU評

菊地成孔の『アベンジャーズ/エンドゲーム』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』評: <第二経済>としての<キャラクターの交換>を前に我々ができることは、<損得>だけである

<第二経済>は  正規の経済用語であるわけがない。勿論、仮想通貨の話でもない。今や市場経済ー生活経済ー第一経済ー現実経済に並行…

『チャイルド・プレイ』リブートとしての成果

『チャイルド・プレイ』は現代のホラー映画として見事な出来! 作り手がクリアしたリブートの課題

いろいろと問題を抱える少年アンディ(ガブリエル・ベイトマン)は、生活に疲れ切ったお母さんカレン(オーブリー・プラザ)から、せめて…

荻野洋一の『COLD WAR』評

人生なんて88分もあればじゅうぶんだーー『COLD WAR あの歌、2つの心』が描く愛と絶望

わずか88分の上映時間のうちに、悠遠たる人生の有為転変が、まるごと入っている。私たちは決して長くはない時間を劇場の暗闇で過ごし、…

『シンク・オア・スイム』が映すフランス

フランス全土に漂う“倦怠感”を物語る 『シンク・オア・スイム』に滲み出る生々しい哀愁

昨年フランスで公開されて、400万人を動員する国民的大ヒットとなった『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』が日本公開さ…

『スパイダーマン』新作はヒーロー映画最先端

【ネタバレあり】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』がヒーロー映画最先端となった理由

マーベル・スタジオ制作の『スパイダーマン』シリーズ第2弾にして、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)映画における、“フ…

松江哲明の『きみと、波にのれたら』評

湯浅政明×LDHが生んだアニメーション映画の新たな可能性 『きみと、波にのれたら』の革新性とは

私は『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』や『クレヨンしんちゃん』の湯浅政明監督が手がけた躍動感溢れる映像が好きで、最初は「何な…

『ホットギミック』を徹底解説!

『ホットギミック ガールミーツボーイ』徹底解説! 山戸結希監督が確立させた“新しい映画表現”

相原実貴原作の少女漫画を基に、映画初出演、初主演となる、アイドルグループ「乃木坂46」の堀未央奈を主演に迎え、現代の少女たちのリ…

『X-MEN』シリーズ、アクションの変遷

『X-MEN:ダーク・フェニックス』は過去作と何が違う? アクションの変遷から辿る

X-MENとは、悪の脅威から人類を守り、人類とミュータントとの平和的共存を実現するために組織されたミュータントヒーローチームであ…

『ザ・ファブル』漫画実写化として上質な一作

『ザ・ファブル』漫画実写化として上質な一作 アクション×笑いだけにとどまらない本質をよむ

ファブル(寓話)と呼ばれてしまうほどの凄腕でどんな相手も即座に仕留める殺し屋だが一般常識は一切持ち合わせていない男が一年間カタギ…

『きみ波』苦難に立ち向かう人へのエール

『きみと、波にのれたら』不完全な者たちの等身大の姿 湯浅政明監督作にある“対比構造”を紐解く

湯浅政明が監督を務めた『きみと、波にのれたら』が6月21日より公開された。前作の『夜明け告げるルーのうた』で世界でも有数の国際ア…

A・エルゴート主演『ジョナサン』が描く愛

アンセル・エルゴートが演じきった2つの人格 『ジョナサン -ふたつの顔の男-』は“愛”の映画に 

夜がない映画。映る空はいつも青く、画面に光が立ち籠めている。この映画『ジョナサン -ふたつの顔の男-』には、ほとんど夜が描かれる…

松江哲明の『町田くんの世界』評

『町田くんの世界』は古典作品のような味わいに 石井裕也監督が込めた現代人へのメッセージ

『川の底からこんにちは』『舟を編む』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』など、石井裕也監督の作品にはモラルがあります。曲がっ…

真舘晴子の『さよなら、退屈なレオニー』評

The Wisely Brothers 真舘晴子の『さよなら、退屈なレオニー』評:“人を思いたい”気持ちについて

レオニーの本当のお父さんが、友達のお父さんに似ている。いつもは遠くに住んでいるから会えないけど、どこかしらで久しぶりに会えたとき…

菊地成孔の『月極オトコトモダチ』評

菊地成孔の『月極オトコトモダチ』評:パロディぎりぎりの引用は罠だ。とんでもないオチが音楽恋愛映画に(笑)

不勉強へのお詫び  本作は、30代の女性監督、穐山茉由の長編デビュー作であり、第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門…

実写版『アラジン』成功の理由を分析

『アラジン』成功の理由を分析 キャスティングと監督の選定に見る、ディズニーのプロデュース力

誰もが知るディズニーの名作アニメーション『アラジン』(1992年)を、その公開から27年の時を経て実写化した、同名の新作『アラジ…

『さよなら、退屈なレオニー』が灯す光

『さよなら、退屈なレオニー』は新たなティーン像を示す 主人公レオニーの鮮明さが灯す“光”

不機嫌そうな顔をした少女がスクリーンの前に現れる。その表情が物語るように、レオニー(カレル・トレンブレイ)は高校卒業を目前にして…