作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
菅田将暉の涙の熱演が訴えるメッセージ 『アルキメデスの大戦』“戦艦大和”のロマンと矛盾を描く
菅田将暉にとっては、『生きてるだけで、愛。』以来の出演作、主演となると『となりの怪物くん』(土屋太鳳とダブル主演)以来、実に約1…
『天気の子』から“人間性のゆくえ”を考える ポストヒューマン的世界観が意味するもの
ポストヒューマンから読み解く『天気の子』の可能性 新海誠の監督第7作となる最新作『天気の子』が7月19日に、いよいよ公開され…
『天気の子』が映すエンターテインメント産業の功罪 新海誠監督が選択したラストの意図を考える
※本記事は『天気の子』のネタバレを含みます。 無学なりに本を読んでいると「ハレとケ」という民俗学の言葉にしばしば出会う。柳田…
菊地成孔の『アベンジャーズ/エンドゲーム』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』評: <第二経済>としての<キャラクターの交換>を前に我々ができることは、<損得>だけである
<第二経済>は 正規の経済用語であるわけがない。勿論、仮想通貨の話でもない。今や市場経済ー生活経済ー第一経済ー現実経済に並行…
松田翔太が醸し出す狂気 『東京喰種【S】』原作を狭く深く掘り下げることで際立つ月山の魅力
昨今、レベルが上がってきている漫画実写化映画。『東京喰種 トーキョーグール【S】』もそのことを感じさせる1作だった。 前作…
“天気の子”と“転機の子”が出会うーー『天気の子』に描かれる自分たちだけの「セカイ」
『君の名は。』の公開から早3年。新海誠監督が巻き起こした社会現象は、いまだに続いている。その余韻があちこちに感じられるなか封切ら…
『君の名は。』との共通点と相違点から、新海誠監督最新作『天気の子』の本質を探る
2016年に社会現象といえる、思いがけない特大ヒットを記録した劇場アニメーションが公開された。新海誠監督の劇場長編作品『君の名は…
『チャイルド・プレイ』は現代のホラー映画として見事な出来! 作り手がクリアしたリブートの課題
いろいろと問題を抱える少年アンディ(ガブリエル・ベイトマン)は、生活に疲れ切ったお母さんカレン(オーブリー・プラザ)から、せめて…
『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』が浮き彫りにした“リメイクの難しさ” 他アニメ作品と共に考察
『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』が7月12日に公開された。リメイク元である『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』…
『トイ・ストーリー4』なぜファンが戸惑う内容になったのか? 作り手のメッセージから読み解く
『トイ・ストーリー』第1作(1995年)は、ピクサー・アニメーション・スタジオの最初の長編作品であると同時に、世界初の長編フルC…
奇跡のキャスティングと映像美が紡ぐ 唯一無二の身体の物語『Girl/ガール』の繊細な表現
黄金色の光のなかで、微睡む少女が目を覚ます。この少女ララ(ビクトール・ポルスター)は男性の性別を与えられて生まれたが、心は女性で…
『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』今再び蘇る理由とは ミュウツーが体現する現代社会の暗部
“HEY! そこのボーイ!……ポケモンバトル、できるかなァ?” およそ21年ぶりに、劇場内に響き渡ったセリフである。現在も放…
人生なんて88分もあればじゅうぶんだーー『COLD WAR あの歌、2つの心』が描く愛と絶望
わずか88分の上映時間のうちに、悠遠たる人生の有為転変が、まるごと入っている。私たちは決して長くはない時間を劇場の暗闇で過ごし、…
フランス全土に漂う“倦怠感”を物語る 『シンク・オア・スイム』に滲み出る生々しい哀愁
昨年フランスで公開されて、400万人を動員する国民的大ヒットとなった『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』が日本公開さ…
【ネタバレあり】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』がヒーロー映画最先端となった理由
マーベル・スタジオ制作の『スパイダーマン』シリーズ第2弾にして、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)映画における、“フ…
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は大満足の出来! “これからのMCU”への期待も
完璧だったと思う。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年)は上がり切ったハードルを楽々と飛び越え、今年公開された…
湯浅政明×LDHが生んだアニメーション映画の新たな可能性 『きみと、波にのれたら』の革新性とは
私は『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』や『クレヨンしんちゃん』の湯浅政明監督が手がけた躍動感溢れる映像が好きで、最初は「何な…
『ホットギミック ガールミーツボーイ』徹底解説! 山戸結希監督が確立させた“新しい映画表現”
相原実貴原作の少女漫画を基に、映画初出演、初主演となる、アイドルグループ「乃木坂46」の堀未央奈を主演に迎え、現代の少女たちのリ…
『X-MEN:ダーク・フェニックス』は過去作と何が違う? アクションの変遷から辿る
X-MENとは、悪の脅威から人類を守り、人類とミュータントとの平和的共存を実現するために組織されたミュータントヒーローチームであ…
『きみと、波にのれたら』不完全な者たちの等身大の姿 湯浅政明監督作にある“対比構造”を紐解く
湯浅政明が監督を務めた『きみと、波にのれたら』が6月21日より公開された。前作の『夜明け告げるルーのうた』で世界でも有数の国際ア…
マ・ドンソク祭りの幕開け! 『無双の鉄拳』は“ヴァイオレンス・ファンタジー欲”を満たす快作だ
かつて闇社会で「雄牛」の異名で恐れられた男がいた。その二本の剛腕は万物を粉砕し、標的を仕留めるためなら常識を軽々と無視して突き進…
『きみと、波にのれたら』の違和感の正体 湯浅政明監督の作風から探る
『夜明け告げるルーのうた』で、アニメーション界のカンヌといわれる「アヌシー国際アニメーション映画祭」最高賞を獲得し、次々に話題作…
アンセル・エルゴートが演じきった2つの人格 『ジョナサン -ふたつの顔の男-』は“愛”の映画に
夜がない映画。映る空はいつも青く、画面に光が立ち籠めている。この映画『ジョナサン -ふたつの顔の男-』には、ほとんど夜が描かれる…
“冒険”を前にした女性たちの反応と関係性の変化 『7月の物語』が描く夏のまぶしいひととき
ほんのちょっとした言動がきっかけで、それまでに築き上げてきた関係性がぐらりと揺らぐことがある。誰しも身に覚えのあることだろう。ギ…
The Wisely Brothers 真舘晴子の『さよなら、退屈なレオニー』評:“人を思いたい”気持ちについて
レオニーの本当のお父さんが、友達のお父さんに似ている。いつもは遠くに住んでいるから会えないけど、どこかしらで久しぶりに会えたとき…
『アラジン』成功の理由を分析 キャスティングと監督の選定に見る、ディズニーのプロデュース力
誰もが知るディズニーの名作アニメーション『アラジン』(1992年)を、その公開から27年の時を経て実写化した、同名の新作『アラジ…
『海獣の子供』なぜ賛否を巻き起こす結果に? 作品のテーマやアニメーション表現から考察
五十嵐大介による同名の漫画作品を、『マインド・ゲーム』(2004年)、『鉄コン筋クリート』(2006年)など、異色の作品を多く手…
『さよなら、退屈なレオニー』は新たなティーン像を示す 主人公レオニーの鮮明さが灯す“光”
不機嫌そうな顔をした少女がスクリーンの前に現れる。その表情が物語るように、レオニー(カレル・トレンブレイ)は高校卒業を目前にして…