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探究心こそ人生の最高のスパイス 『ペンギン・ハイウェイ』が教えてくれる、謎に挑むことの楽しさ

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ファインマンとアオヤマ君が教えてくれるもの

 人生を豊かに彩るスパイスはいろいろある。愛でもいいし友情でもいいし、エロスでもいいかもしれない。しかし、この映画を観た後、筆者は探究心こそ人生の最高のスパイスではないかと思うに至った。

 映画『ペンギン・ハイウェイ』は、知的探究心がいかに人生を豊かにしてくれるのかを描いた作品だ。こまっしゃくれてちょっと理屈っぽい小学生、主人公のアオヤマ君が、近所の歯科医のお姉さん、そして市街地に突然出現したペンギンの謎を解き明かそうと奮闘する物語だ。

 筆者は、半分冗談、半分本気でこれを名著『ご冗談でしょう、ファインマンさん』の映画化だと言っている(もちろん森見登美彦の素晴らしい原作があることは知っています)。本作が観客に与えてくれるものは、あの名著と同じものだと思うのだ。

 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』は天才物理学者リチャード・ファインマンの自伝本だが、小難しい物理学の話ではなく、ファインマンという人がいかに、いたずら好きで世の中のあらゆる事象に対して好奇心を抱き、人生を楽しんだかについて書かれたものだ。この本を読むと、不思議に立ち向かうこと自体がものすごく楽しくなる。

 この映画も同じだ。世界には謎がたくさんある、そのおかげで人生が楽しくなる、そんな気持ちにさせてくれる作品なのだ。

 筆者はもっと若い時分にこの映画に出会いたかった。そうすれば、筆者ももう少し真面目に勉強に励んだんじゃないという気がする。それぐらいのことを思わせる鮮烈な輝きがこの映画にはある。

 アオヤマ君は頭がよくて好奇心旺盛な少年だ。毎日発見したことをノートに記録して、日々世界についての理解を深めている。そんなアオヤマ君の一番の関心は、近所の歯科医に務めるお姉さん(の胸)だ。世界について日々学ぶアオヤマ君にとって、お姉さんは最もミステリアスな存在なのだ。

 ある日、アオヤマ君の住む街に突如としてペンギンが大量発生する。その謎を解くべくアオヤマ君は、親友のウチダ君とともにペンギンの研究に着手する。そんな日々を送るアオヤマ君はある日、お姉さんが投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。ペンギンの謎とお姉さんの謎がここに交錯し、アオヤマ君はさらに研究に没頭する。そのうちクラスメイトの女子、ハマモトさんから球体状の不思議な海を見せられ、謎はさらに拡大していく。

      

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