作品評の記事一覧

(2757件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『マイ・プレシャス・リスト』米文学の敬意

サリンジャー作品の登場人物のようで愛おしい 『マイ・プレシャス・リスト』世界の美しさと醜さ

映画『マイ・プレシャス・リスト』は、あまりに頭脳明晰なため、14歳にして飛び級でハーバード大へ入学した女の子、キャリーを描いた物…

『ここは退屈迎えに来て』が描く東京と地方

二分された“東京”と“地方”は何を意味する? 『ここは退屈迎えに来て』が描く人々の心の事情

地方都市近郊の国道によく見られる、広い道路とその両側にチェーン店が並ぶ風景。地方で生活する多くの人々が日々目にしているが、この眺…

『音量を上げろタコ!』は“沼感”を楽しめる

賛否分かれる反応が拡散!? 阿部サダヲ×吉岡里帆『音量を上げろタコ!』は “沼感”を楽しみたい!

ロマンスとは、大昔のローマ人が大好きだった空想物語や通俗小説のことを元々は指していたそうです。大昔のローマではラテン語が公用語で…

小川紗良の『バッド・ジーニアス』評

小川紗良の『バッド・ジーニアス』評:映画全体が“カンニング”のように緻密に計算されている

”making it happen”=「実現する」。少女の背中に書かれたその言葉は、希望か、それとも絶望の始まりか。映画『バッド…

『ルイスと不思議の時計』のメッセージ

イーライ・ロス監督のパーソナリティとも合致 『ルイスと不思議の時計』のメッセージ

児童文学『壁のなかの時計』を原作に、魔法と、愉快な魔術師の伯父さんに出会う孤独な少年の物語を描いた映画『ルイスと不思議の時計』。…

『あのトリ』吉沢亮と杉野遥亮の違った魅力

吉沢亮は徐々に自信をつけ、杉野遥亮はその逆をいく 『あのコの、トリコ。』2人の違った魅力

映画『あのコの、トリコ。』は、吉沢亮と杉野遥亮の違った魅力が交錯するラブストーリーだ。吉沢といえば、小栗旬に「すげぇキレイな顔」…

『クレイジー・リッチ!』2つの“格差恋愛”

アジアの超富裕層の光と影? 『クレイジー・リッチ!』2つの“格差恋愛”が伝えるもの

2013年に発表されたベストセラー小説『クレイジー・リッチ・アジアンズ』は、東南アジアでエリート層を形成する“海峡華人”と呼ばれ…

『若おかみは小学生!』による極上の映画体験

少女の通過儀礼から無我の境地までも描く 『若おかみは小学生!』がもたらす極上の映画体験

素晴らしい映画だ。快活で、情緒豊かで、含蓄がある。少女の通過儀礼というありふれた物語設定から、「森羅万象に神が宿る」とする神道的…

『DTC -湯けむり純情篇』は音楽映画?

コメディ映画であり青春映画であり音楽映画? 『DTC -湯けむり純情篇-』に寄り添う多彩な楽曲

『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』は、音楽が気持ちのいい映画である。  オープニングではドロー…

『かごの中の瞳』の視覚障害が意味するもの

視覚障害をメタファーにしたビターなラブストーリー 『かごの中の瞳』は“女性の欲望の解放”を描く

セクハラ告発に端を発した#Metooムーブメント以降、ではロマンスやエロスの問題をどう扱うかという議論があとを絶たない。つまり、…

松江哲明の『ザ・プレデター』評

シリーズの魅力を再確認! 懐かしさも漂わせる『ザ・プレデター』の“B級”映画らしさ

『プレデター』との出会いは、小学生の頃。プレデター=宇宙人ということは知らずに、「アーノルド・シュワルツェネッガーがジャングルで…

磯部涼の『フロリダ・プロジェクト』評

ラップはすべてスマホのスピーカーから鳴っていた 磯部涼が『フロリダ・プロジェクト』を解説

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』で使われるたくさんのラップ・ミュージックは、すべてスマートフォンのスピーカーから鳴っていた…

『食べる女』は自分と向き合うことを教える

小泉今日子、前田敦子らの食事姿が愛おしい 『食べる女』は自分と向き合うことを教えてくれる

筒井ともみの短編小説集『食べる女』『続・食べる女』。原作者の筒井は、映画『食べる女』の企画・脚本を担当し、そのシナリオを書いてい…

『スカイスクレイパー』の作品構造を読み解く

古い価値観を感じさせるも映画の作られ方は“現代的” 『スカイスクレイパー』の作品構造を読み解く

「ロック様」ことドウェイン・ジョンソンが演じる、筋肉ムキムキの一家のパパが、家族を救うために超高層ビルで決死の戦いを繰り広げる映…

まるでスポーツ団体戦『バッド・ジーニアス』

まるでスポーツの団体戦! 『バッド・ジーニアス』の後ろめたくも清々しい映画体験

この、えもいわれぬ緊張感に息苦しさを感じた方は、なにかしら後ろめたい気持ちがあるのではないのだろうか(……いや、疑うわけではない…

『クレイジー・リッチ!』なぜ大ヒット?

『クレイジー・リッチ!』が米映画史に起こした革新 “アジア”を巡る2人の女性の物語を読み解く

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』、『ブラックパンサー』、 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『クレイジー・…

夫婦アクションの快作『スカイスクレイパー』

“夫婦アクション”の新たな快作! 夫婦関係をカッコよく描いた『スカイスクレイパー』の新しさ

香港に作られた高さ1kmの巨大タワー“ザ・パール”。ビルの安全管理コンサルタントを務めるウィル(ロック様ことドウェイン・ジョンソ…

『ザ・プレデター』は捉え方で評価が変化?

捉え方で評価が変わる? 『ザ・プレデター』は「ドン詰まりの男子のバカ騒ぎ映画」として満点!

『ザ・プレデター』(18年)上映終了後、左右に座るカップルが絵に描いたように真反対の反応を示した。右は絶賛の言葉と共に笑い合い、…

『寝ても覚めても』が描いた運命と主体性

運命に翻弄される存在から“主体”の獲得へ 『寝ても覚めても』朝子の一歩を捉えたカメラの誠実さ

運命の恋というと聞こえがいいが、それが果たして当人にとって望ましいものなのかわからない。運命はときに暴力的である。わたしたちは恋…

『SPL 狼たちの処刑台』善と悪のカルマ

アクションで描かれる善と悪のカルマ 『SPL 狼たちの処刑台』が体現する香港ノワールの真髄を読む

香港ノワールをご存知だろうか? 1980年前後に香港を中心に世界的に流行した、黒社会の中での友情や裏切りを描いた犯罪映画のことで…

『検察側の罪人』が投げかける問いとは?

現代を生きる私たちは何を直視すべきか? 『検察側の罪人』が投げかけた問いを考える

石田ゆり子、古市憲寿、三浦瑠麗、鳥越俊太郎、立川志らく、遠藤憲一、山口真由、ロバート・キャンベル、尾木直樹、佐藤優、有村昆、ホラ…

挫折の先を描く『泣き虫しょったんの奇跡』

全ての人が心震える怒涛のラスト 『泣き虫しょったんの奇跡』は“夢を見続けること”を肯定する

これは、夢のその先の物語だ。「奇跡の実話」「感動の実話」「諦めなければ夢は叶う」、そんなキャッチフレーズに眉をひそめたくなる人こ…

荻野洋一の『きみの鳥はうたえる』評

三宅唱は“いつまでも続かない青春”をどう描いた? 『きみの鳥はうたえる』のただならぬ緊張感

主人公は、ただ単に「僕」。そしてその「僕」(柄本佑)のルームメイトが静雄(染谷将太)で、ふたりの間に飛び込んでくるのが佐知子(石…

『SUNNY』が教えてくれる人生の楽しみ方

すべての人にそれぞれの“サニー”がある 『SUNNY』が教えてくれる人生の楽しみ方

ルーズソックスにソックタッチ、ミニスカートにジャージ、109ブランドのショッパー、プリクラ帳、写ルンです、落書きした写真……“あ…

『アントマン&ワスプ』の量子力学を考察

『アベンジャーズ』シリーズへの重要な布石? 『アントマン&ワスプ』で描かれた量子力学を考察

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で見せられた衝撃の展開。10年の歳月に渡って作られてきた、マーベル・スタジオによるヒー…