作品評の記事一覧

(2489件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

小野寺系の『BANDIT FLOWER』評

狂気に包まれた不毛な残酷さーー『機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER』の特殊性

「音楽は空気の中に消えゆき、二度とそれを捕らえることはできない」-エリック・ドルフィー(ジャズ・ミュージシャン)-  『機動戦…

若者たちの愉快なロードムービー『ポンチョに夜明けの風はらませて』

明日とかどうでもいいーー太賀主演『ポンチョに夜明けの風はらませて』が描く“珍道中”の愉快さ

「丘を越え 行こうよ 口笛吹きつつ......」佐津川愛美演じる愛が唐突に口ずさみ始めるイギリス民謡『ピクニック』。太賀が演じる…

小野寺系の『ザ・サークル』評

高度化するネット社会の負の側面とは? エマ・ワトソン主演『ザ・サークル』が描く不安と恐怖

検索サイトで文字を入力するとき、位置情報を利用して目的地までの経路を割り出すとき、SNSで近況を報告したり、他人と交流するとき……

『マイティ・ソー 』路線変更の背景とは?

『マイティ・ソー バトルロイヤル』はマーベル映画にとって危険な存在に? 路線変更の背景を考察

『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、これまでの『マイティ・ソー』前2作とは大きく異なり、ギャグと肉弾バトルが大幅に増量し、それ…

『氷菓』、実写とアニメはどう違う?

山崎賢人×広瀬アリス『氷菓』、実写とアニメはどう違う? “目で語る”役者らの演技を考察

山崎賢人と広瀬アリス主演の、謎解き青春学園エンターテイメント映画『氷菓』。原作である米澤穂信の小説〈古典部シリーズ〉は、これまで…

小野寺系の:『IT/イット』評

社会への問題意識と潜在的な恐怖ーー『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が描く文学的テーマ

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が、予想を超える大ヒットを果たした。アメリカ本国だけで興行収入3億ドルを突破、今年…

荻野洋一の『マイティ・ソー』評

“ユニバース”過剰時代における、『マイティ・ソー バトルロイヤル』の役割

『マイティ・ソー バトルロイヤル』の魅力とは何だろう? アイアンマン、ハルク、キャプテン・アメリカ、ガーディアンズ・オブ・ギャラ…

『先生!』男性キャラが魅力的なわけ

広瀬すず×生田斗真『先生!』が見逃せない理由 冒険的な演出から読み解く

教師と生徒の恋愛模様というのは、少女漫画の鉄板中の鉄板ともいえる題材だ。現実で頻繁に起こりうる問題から、その題材について疑問の声…

小野寺系の『ブレードランナー 2049』評

観客の評価が二分した『ブレードランナー 2049』は内容的な成功を遂げたのか?

「『ブレードランナー』以降の近未来SF映画で、『ブレードランナー』を意識しない作品なんてあるのか」  アニメーション映画『GH…

『かの鳥』の“鳥”が意味するものとは?

白石和彌監督『彼女がその名を知らない鳥たち』の“鳥”が意味するものーー驚くべき二面性を読む

彼女がその名を知らない鳥たち、そして私たちもまたその名を知らない鳥たち。ここで言われている「鳥」とは一体何のことなのかーーそんな…

『ワレワレハワラワレタイ』レビュー

松本人志「キム兄は怒り続けるしかない」 『ワレワレハワラワレタイ』が切り取る、芸人の生き様

※文末に読者プレゼントあり! 「生まれ変わったら、(芸人とは)違うことをやると思うな。大変なのと、振り返ってみて、怖いのとね。…

小野寺系の『バリー・シール』評

トム・クルーズの狂騒がキラキラと輝くーー『バリー・シール』が描き出す、アメリカの病理

大手航空会社のパイロットからCIA秘密作戦のパイロットに転身、その任務のかたわら、密かに麻薬組織ともつながって密輸を繰り返し、大…

小野寺系の『アナベル 死霊人形の誕生』評

米ホラー映画は再びエキサイティングな実験場に 『アナベル 死霊人形の誕生』に見る、恐怖の化学式

『インシディアス』、『死霊館』シリーズなど、ホラー映画を先鋭的に更新し続けることで、映画館で現在の観客を震え上がらせるという古典…

田村千穂の『女神の見えざる手』評

『女神の見えざる手』は銃社会を“撃つ”ーージェシカ・チャステインのあまりに格好良いヒロイン像

映画の冒頭、聴きおぼえのあるジェシカ・チャステインのどちらかというとソフトで押しの弱い微かに揺れる声が、敏腕ロビイストとしての勝…

『コードギアス』総集編の意義とは?

『コードギアス 反逆のルルーシュ』総集編の意義とは? 11年間衰えない人気の理由に迫る

テレビアニメ版1期と2期の全50話を3部作で再構成した、劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュ』。その第1部「興道」が、10月2…

小野寺系の『猿の惑星:聖戦記』評

人間は生きる価値がない存在なのかーー『猿の惑星:聖戦記』が暴く、人間の傲慢な意識

猿が支配する惑星に降り立った宇宙飛行士の災難を描いたSF映画『猿の惑星』(1968)。その大ヒットによって製作された続編シリーズ…

『ロキシー』に漂う90年代Vシネの雰囲気

恋愛映画が突然、ヴァイオレンス映画に? 変てこ映画『ロキシー』に漂う、90年代Vシネの雰囲気

運命的な出会いを果たした一組の女と男、ロキシー(ゾーイ・クラヴィッツ。ロックスターのレニー・クラヴィッツの娘さん!)とヴィンセン…

川口敦子の『動くな、死ね、甦れ!』評

“素っ裸の少年魂”がここにある 『動くな、死ね、甦れ!』が照射するカネフスキー映画の真相

“素っ裸の少年魂”。  『動くな、死ね、甦れ!』に日本人宝石商役で出演した演出家清水柳一氏は、DVD=BOX所収のパンフレット…

『アウトレイジ 最終章』なぜ希望を描いた?

『アウトレイジ 最終章』は、なぜ希望を描いてしまったのか? 日本社会の“現実”との関係性

「全員悪人」とのキャッチコピーで知られる『アウトレイジ』。権力や金のために次々と殺人や暴力が繰り返される、このバイオレンスにまみ…

北野武、映画作家としての集大成

映画作家・北野武の集大成ーー『アウトレイジ 最終章』がもたらす贅沢な時間

104分という上映時間が予期させたように、『アウトレイジ 最終章』は簡潔にしてきわめて純度の高い圧倒的な傑作になった。冒頭の晴れ…

『あさひなぐ』乃木坂46の苦悩を昇華する?

西野七瀬『あさひなぐ』は乃木坂46を“苦悩”から救う? 『悲しみの忘れ方~』との関係を読む

西野七瀬や白石麻衣など、乃木坂46のエース級メンバーが多数出演し話題となっている映画『あさひなぐ』(英勉監督)が、近年のアイドル…

寺山修司は2021年に存在し得るのか?

寺山修司は2021年に存在し得るのか? 『あゝ、荒野』が描く魂のぶつかり合い

2021年、東京オリンピック以降という近未来に、1960年代から80年代を駆け抜けた表現者・寺山修司は存在し得るのか。吃音で赤面…

『ドリーム』はハリウッドの新しい波の象徴に

映画『ドリーム』はハリウッドの新しい波の象徴となるーー黒人女性たちが成し遂げた偉業

近年、社会の至るところで唱えられている「ダイバーシティ(多様性)」。これまで白人の、とりわけ男性が優位的な立場にあったアメリカの…

B・ウィリスの真骨頂『バッド・ウェイヴ』

“オリジナル・ウィリス”完全復活! コメディ俳優ブルース・ウィリスの真骨頂『バッド・ウェイヴ』

原点回帰という言葉があるが、本作のブルース・ウィリスはまさにそれだろう。映画のコピー通り、「完全復活」と言えるかもしれない。ただ…

『ハードコア』の映画的価値とは?

“一人称視点”の新感覚アクション『ハードコア』の映画的価値とは? 小野寺系が徹底レビュー

きっかけは、2013年にインターネットにアップされた動画だった。FPS(ファースト・パーソン・シューター)と呼ばれるTVゲームの…

荻野洋一の『奥田民生~』評

荻野洋一の『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』評:男だって水原希子を目指すべきだ 

私たち観客は、“出会う男すべて狂わせるガール” である水原希子に対し、頭(こうべ)を垂れて、この合言葉を言わなければならない。「…