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『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は、まごうことなき“おじさん映画”の傑作だ!

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 私がおじさんになっても、カッコよく撮れるの? 肉体美はとても無理よ、若い子には負けるわ……。森高千里の名曲「わたしがオバさんになっても」の一節が、一部のみ「おじさん」となって脳裏をよぎった。何の話か? トム・クルーズの話である。

 「ハンサム」トム・クルーズは、そんな少し古い表現が似合う。青春スターとして登場した80年代、演技派の名声を得た90年代、色んな意味で激動のゼロ年代を経て、今や御年56歳。年齢だけで言うなら、立派な「おじさん」である。そんなトムクルさんの最新作は、脅威と狂気のアクション超大作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』。この映画は「やれんのか!」というアントニオ猪木的な魂の叫びが響き渡る、おじさん映画の傑作である。いわばトムクルさんからの激励だ。

 大人気スパイ映画シリーズの最新作だが、既に各所で話題になっているように、本作最大の魅力はトムクルさんの肉体酷使である。例によって世界的な陰謀を描くストーリーを背に、全身アザだらけになったという格闘シーン、本当に足の骨を折ったビルからビルへのジャンプ、トムクルさん自ら操縦して撮ったヘリ・チェイス等々、まさにアクションの満漢全席。特にヘリ関連のシーンは凄まじい。演じるトムクルさんの顔は完全にマジだ(あれが演技なら、それはそれでもっと凄い)。爽やかな顔面は死の危険に歪み、そこにいるのは懸命に頑張る等身大の56歳である。

 しかし、ただ56歳で頑張っているだけでは、おじさん映画の「傑作」の領域には届かない。本作を「傑作」たらしめているのは、トムクルさんの横に、その魅力を比較されるのを承知の上で、新進気鋭の美形パワーの持ち主を傍らに置いたことだ。現代のハリウッドでトップ・クラスの美形、CIAの諜報員オーガスト・ウォーカーを演じたヘンリー・カヴィルである。身長184cmの35歳。『マン・オブ・スティール』(13年)でスーパーマンに抜擢された、ギリシャ彫刻のようなビジュアルの持ち主だ。こんな冗談みたいな美形と並べられるのである。トムクルさんは身長が170cmなので、どうしても身長差が目立つ。年齢も20歳近く差があり、その上、トムクルさんは危険なスタントが目白押しで、カッコつけるヒマもない。一歩でも間違えれば、いわゆる「食われる」という状態。「これ、トムクルさんよりカヴィルさんの方がカッコよくないか?」となりかねない。まさに新旧美形頂上決戦だが、普通にやればトムクルさんが勝つことは不可能だ。過去にも数々の映画で、ベテラン美形俳優が若い美形俳優に食われることはあった。その再現となった可能性はある。

      

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