作品評の記事一覧

(2489件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『鋼鉄の雨』は韓国版『シン・ゴジラ』か?

『鋼鉄の雨』は韓国版『シン・ゴジラ』か? 韓国映画に通底する“未完の近代”としての自画像

平昌冬季オリンピックを機に盛り上がる南北融和ムードのなか、平壌で行われた韓国芸能人らによる公演を観覧し、人気のK-POPアイドル…

『パシリム』続編、なぜ賛否両論に?

『パシフィック・リム:アップライジング』なぜ賛否両論に? 不満の声が出る理由を検証

日本の怪獣映画や巨大ロボットアニメを、ハリウッドの最新技術によって合体させ実写映画化したら…。子どもたちのみならず、かつて幼い頃…

『ジュマンジ』のポジティブなメッセージ

“96年のメタラー”は何を意味する? 『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』のメッセージ

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(17年)はスクール・カーストを題材にした映画だ。ゲームの中に入った高校生が、冒険の…

荻野洋一の『ラブレス』評

ベルイマン映画に重なる“交わらない視線” 『ラブレス』が提示する、映画の残酷さと凄絶さ

ノンフィクションではあるまいし、これほど凄絶な悲劇はそうはないのではないか。かつてイギリスの劇作家シェイクスピアがあえて露悪さを…

小野寺系の『ワンダーストラック』評

トッド・ヘインズは少数者の孤独な魂に寄り添う 『ワンダーストラック』が示す数奇なつながり

いまアメリカ映画で最も注目されているトピックが「多様性」だ。『ブラックパンサー』が記録的な興行成績を収め、『シェイプ・オブ・ウォ…

アメリカ娯楽映画の状況と展望

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』から考える、アメリカ娯楽映画の状況と展望

ついに『ブラックパンサー』が、アメリカ国内興行収入で『タイタニック』を超え、アメリカ興行収入歴代3位にまでランクインした。非白人…

菊地成孔の『ブラックパンサー』評

菊地成孔の『ブラックパンサー』評:本作の持つ逸脱的な「異様さ」、そのパワーの源が、もしトラウマであり、タブーなのだとしたら

批評掲載の経緯(比較的面白い)  「<シェイプ・オブ・ウォーター>評の閲覧数が多く、好評なんで、『ブラックパンサー』もお願いで…

全米熱狂『THIS IS US』の魅力

『THIS IS US 36歳、これから』が熱狂を呼んだ理由 全米大ヒットの背景を読み解く

アメリカのテレビ局3大ネットワークといえばABCとCBSとNBC。21世紀に入ってからはFOXも加えて一般的に4大ネットワークと…

「新しい地図」が描く新しい映画のカタチ

『クソ野郎と美しき世界』は稲垣×香取×草なぎの決意表明だ 喪失感から生まれた“愛の映画”

稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による映画『クソ野郎と美しき世界』が公開された。ギリギリのスケジュールで制作され、マスコミによる試写…

モルモット吉田『ペンタゴン・ペーパーズ』評

モルモット吉田の『ペンタゴン・ペーパーズ』評:スピルバーグが問う報道をめぐる姿勢

1971年と2045年――2本連続で公開されるスティーヴン・スピルバーグの新作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』と『レディ…

荻野洋一の『ワンダーストラック』評

『キャロル』は手法上のリハーサル? 『ワンダーストラック』は混乱しつつ、なおかつ透明たりうる

トッド・ヘインズ監督の前作『キャロル』は素晴らしい映画だったけれども、新作『ワンダーストラック』を前にした今、『キャロル』は『ワ…

吉高由里子、殺人者役の底知れぬ魅力

吉高由里子、『ユリゴコロ』殺人者役の底知れぬ魅力 『かの鳥』にも共通する“愛”への問い

2017年は、イヤミスの女王とも呼ばれる沼田まほかるの小説『彼女がその名を知らない鳥たち』、『ユリゴコロ』が相次いで映画化された…

『レッド・スパロー』が描く女性の復讐と自立

二重性を持ったジェニファー・ローレンスが本領発揮 『レッド・スパロー』が描く女性の復讐と自立

2010年アメリカで、あるスパイ事件がセンセーショナルに報道された。核弾頭開発計画の情報を収集していたロシアのスパイが、FBIに…

菊地成孔の『シェイプ・オヴ・ウォーター』評

菊地成孔の『シェイプ・オヴ・ウォーター』評:ヴァリネラビリティを反転し、萌えを普遍的な愛に昇華した、見事なまでの「オタクのレコンキスタ」は、本当にそれでいいのか?

オタクに市民権を!(いつの叫びだ)  特に監督と音楽が際立って素晴らしい本作は、ゴールデングローブ(以下GGA)と米国アカデミ…

『ボス・ベイビー』なぜ人気作に?

『ボス・ベイビー』なぜ人気作に? 脚本の整合性を超えた実存主義的な姿勢

自宅の前に停まった一台のタクシー。7歳の少年ティムが外を見ると、そこから降りてきたのは、いかにも高級そうな黒いスーツと腕時計、サ…

偏見を覆す『坂道のアポロン』の強み

ただのティーン向けキラキラ映画じゃない 漫画原作への偏見を覆す『坂道のアポロン』の強み

Hey! Say! JUMPの知念侑李が主演を務め、共演には『きょうのキラ君』の中川大志に、『黒崎くんの言いなりになんてならない…

『リメンバー・ミー』ヒットの社会的意味

『リメンバー・ミー』はなぜ感動を呼ぶ? “優しさ”がもたらした深いテーマ性

アニー賞、ゴールデングローブ賞などで主要な賞を獲得し、第90回アカデミー賞、長編アニメ映画賞に輝いた『リメンバー・ミー』。近年の…

『ちはやふる -結び-』、満点の出来栄えに

成功のカギは“原作”からの解放!? 『ちはやふる -結び-』、“映画”として満点の出来栄えに

人気漫画を映画化するとなれば「どのように映像にするか?」という課題は確実に付いて回る。とりわけ長く連載が続いている少女漫画の場合…

宇野維正の『ベルリン・シンドローム』評

「監禁モノ」に新たな秀作登場! 『ベルリン・シンドローム』のリアルで緻密な心理描写

この数年、「監禁モノ」という映画のジャンルとしてはかなり狭い状況設定の作品に、同時発生的に秀作が続いていることが気になっているの…

ISHIYAのイギー・ポップ ドキュメンタリー評

イギー・ポップの音楽への姿勢は70歳を過ぎても変わらないーーISHIYAの『ギミー・デンジャー』『アメリカン・ヴァルハラ』評

パンクというアティテュードを確立した開拓者であるイギー・ポップを語る上で、ザ・ストゥージズの存在は欠かせない。 …

映画『坂道のアポロン』に感じる息吹

映像の組み合わせ方によって“リズム”が生まれる 『坂道のアポロン』にみる、三木孝浩監督の手腕

生まれも育ちも違うのに、同性異性と関係なければ、年齢でさえもどうでもいい。それくらい誰かを愛おしく想った経験は誰にだってあるだろ…

荻野洋一の『ブラックパンサー』評

荻野洋一の『ブラックパンサー』評:普通の映画であることによって革命的作品に 

この映画にはメッセージはない。あるとすればただひとつ、「われは黒人」という一点が身体言語によって執拗にくり返されている。アメリカ…

『プリンシパル』理想と現実の絶妙なバランス

少女漫画原作映画はもっと評価されるべきーー『プリンシパル』が操る“理想と現実”の絶妙なバランス

今年も少女漫画の実写映画化は止まらない。ここ数年、毎年10本前後のペースで公開され、主要ターゲットとなる学生の長期休み期間をねら…

小野寺系の『シェイプ・オブ・ウォーター』評

『シェイプ・オブ・ウォーター』は、なぜアカデミー賞作品賞を受賞したのか?

アカデミー賞有力作品『スリー・ビルボード』との競り合いを制し、第90回アカデミー賞作品賞に選ばれたのは、一人の女性と半魚人との恋…

『グレイテスト・ショーマン』音楽の全能感

音楽がストーリーそのものに 『グレイテスト・ショーマン』の幸福な音楽の全能感

「さあ、立ち上がって」。第90回アカデミー賞で主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドが、メリル・ストリープをはじめとして…

『プリンシパル』で紐解く王道プリンセス映画

小瀧望、作品引っ張る役を演じ切る“強さ” 青春を駆け抜けるような『プリンシパル』の構成を紐解く

累計発行部数150万部突破の人気少女漫画『プリンシパル』(集英社)が、旬の若手キャストを迎え実写映画化された。本作では、ヒロイン…

『ブラックパンサー』は何が画期的?

社会現象にまでなった『ブラックパンサー』は何が画期的だったのか? 背景にある社会状況から考察

アメリカを中心に、いままさに社会現象を巻き起こしているマーベル映画『ブラックパンサー』。ヒーロー単独のシリーズとしては、マーベル…

モルモット吉田の『不能犯』評

松坂桃李、日本映画界に欠かせない俳優に 『不能犯』『娼年』『孤狼の血』まで、その演技を考察

映画の中で描かれる嘘にリアリティを与えるためには、俳優の力が不可欠だ。これが特撮映画ならば、特撮技術とそれを見せるセンスがなけれ…

韓国の“兄貴映画”に新たな金字塔!

韓国の“兄貴映画”に新たな金字塔! 『コンフィデンシャル 共助』が映像化した“愛され兄貴”の概念

韓国には親しい年上の男性を「兄貴」と呼ぶ文化がある。いわゆる義兄弟だが、日本のヤクザ的な兄貴/舎弟よりもっと気軽なノリだ。こうい…