IUとパク・ボゴム、最高の“ロマンスケミ” 『おつかれさま』は韓国ドラマ史に残る傑作に

Netflixで3月7日より配信がスタートした『おつかれさま』が感動のフィナーレを迎えた。配信前から高い注目を浴びていた本作は、IUとパク・ボゴムという二大スターによるW主演&初共演作であり、脚本は、韓国のドラマ賞を席巻した『椿の花咲く頃』のイム・サンチュンが手がけた。IUが事務所を通さずに、自ら作家と会い、作品の説明を受けて出演を快諾したそうだ。演出は、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』で2018 APAN STAR AWARDSの演出賞を受賞し、『シグナル』『ミセン -未生-』などの名作を演出したキム・ウォンソク監督なのだから、どんな名作が誕生するのかと多くの人々の期待が高まっていたのだ。そこへさらに、Netflixでの配信が毎週4話ずつというのも注目を集めた。第1章の配信後より、人々の期待を大きく上回る人間ドラマに感動した号泣者続出で、名作誕生の声が大きく聞かれた。そんな中で、回を追うたびに、毎話視聴者の涙を誘う物語が繰り広げられ、心を打つ名セリフが次々に誕生。そして、ついに物語は感動のフィナーレを迎え、韓国ドラマ史に残る傑作として多くの人の“人生ドラマ”に挙げられるような作品となった。
1950年代から現代までの済州島を舞台に、反抗者のエスンと鉄のような男グァンシクの冒険に満ちた生涯を“四季”で描いた本作。主人公エスンの若い頃をIUが演じ、中年期から晩年までをムン・ソリが演じている。さらにIUは、エスンとエスンの娘クムミョンの二役を担当。グァンシク役は、青年期をパク・ボゴムが、中年期から晩年をパク・ヘジュンがそれぞれ演じている。
※以下、第13話から第16話までのネタバレを含みます
最後の章である「冬」は、クムミョン(IU)の美しい花嫁姿から始まった。クムミョンの姿を切なげに車内から見つめるヨンボム(イ・ジュニョン)。ヨンボムは、ウェディングドレスに身を包み、嬉しそうな笑顔のクムミョンを見つめながら、彼女と初めて出会った日から幸せだった日々を思い出す。ヨンボムが「お前のドレス姿を必ず見てやる」とクムミョンに告げていたのが切ない。
一方、現代のエスン(ムン・ソリ)とグァンシク(パク・ヘジュン)には、孫ができていた。無職の息子ウンミョン(カン・ユソク)と、エスンの元見合い相手プ・サンギル(チェ・デフン)の娘ヒョンスク(イ・スギョン)が、授かり婚をしていたのだった。無職のウンミョンを心配するグァンシクだが、ウンミョンは事業を始めて一発当てる気でいた。そんなある日、韓国を襲った経済破綻によりクムミョンまでもが、大企業の職を失って無職になってしまう。
ここで、プ・サンギルを演じたチェ・デフンの存在感にも触れておきたい。エスンの元見合い相手として登場したサンギルだが、折に触れてエスンとグァンシクと反目する。時に彼らをいじめる悪役でもあったが、その人となりは実は弱い人であったことが明かされる。妻や子供を大事にしないサンギルだが、最後には自分自身を省みるという彼の人生もリアルであり、実際にいそうな人物像だ。チェ・デフンの存在感がピリッとしたスパイスになっていて、見応えを増す役割を果たしている。
クムミョンは、転職活動をする中で、以前のバイト先である映画館の閉館を知り、映画を観に行くことにする。そこで、キム・ソンホ演じるチュンソプと再会を果たす。すっかりあか抜けたキム・ソンホが、バスを追いかける姿がカッコいい! 183cmと長身のキム・ソンホがロングコートに長いマフラーをたなびかせ、長い足で走る姿に見惚れてしまう。キム・ソンホの走る姿があまりにカッコいいからか、キム・ソンホが演じた『海街チャチャチャ』のホン班長も『スタートアップ:夢の扉』のジピョンも、真剣なまなざしで全力で走る姿を魅せていた。
クムミョンが乗るバスに追いついたチュンソプが、眠る彼女を見つめる嬉しそうな眼差しもとてもいい。目覚めたクムミョンが、チュンソプを見て「これは夢?」と言った姿を見て、嬉しそうに照れくさそうに微笑む姿がかわいすぎる……! キム・ソンホのキラーえくぼが出ると、その甘さに観ているこちらもとろけそうになってしまう。
チュンソプは、クムミョンに「死んでも逃しちゃいけない気がして」と映画館から走ってきたことを伝える(すでに強烈な恋の告白だ!)。互いに映画館にひとりで来ていたことを確認し合って、嬉しそうなふたり。そして、チュンソプは、「こういう時に使う表現ですよね “ついに”って」と互いの想いを確認する。互いに「いいな」と思っていながら、交際相手がいることは、実際にあるものだ。そして、そのふたりが互いにシングルとなる瞬間もタイミングで、縁である。「ついに」とチュンソプが放った言葉を聞いて、照れくさそうに顔を撫でるクムミョンも、そのクムミョンを見て嬉しそうなチュンソプも、恋の始まりのかわいらしさが全開で、胸キュンが怒涛のように押し寄せる。























