作品評の記事一覧

(2469件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

SNS全盛期に響く『殺カレ死カノ』

SNS全盛期に響く「自己肯定感」に関する物語 『殺さない彼と死なない彼女』の“ここにいて”というメッセージ

誰かと肩をならべて歩くことの尊さは、その誰かがいなくなってみないと分からない。おなじ歩幅、おなじリズム、おなじペース……それらが…

『ターミネーター』最新作の革新的な試み

【ネタバレあり】賛否渦巻く『ターミネーター:ニュー・フェイト』の革新的な試みを解説

いまも愛される、SFアクション映画の代表格、『ターミネーター』(1984年)と、『ターミネーター2』(1991年)。観客からの圧…

『IT/イット』完結編なぜ長尺に?

『IT/イット』完結編はなぜ長尺になったのか? ホラー描写とテーマの関わりから考える

ホラー映画史上最大のヒットという大成功を収めた、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』……その続編かつ完結編が、本作『I…

『グレタ GRETA』が描く孤独と狂気

“女性同士の奇妙な関係”を描いた新たな秀作! 『グレタ GRETA』に漂う“孤独”と“狂気”

『グレタ GRETA』(2019年)は奇妙な映画だ。サイコサスペンスであり、ブラックコメディであり、孤独と狂気を描いた映画でもあ…

C・ベイカーの“愚かな魂”のぞき込む意欲作

チェット・ベイカーの“愚かな魂”の深淵 『マイ・フーリッシュ・ハート』が湛える“音楽そのもの”の魅力

「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」――この映画を観たあと、ふと頭に浮かんできたのは、意外にもそんなニーチェの…

『ラフィキ:ふたりの夢』がもたらした希望

同性愛行為が“違法”のケニアで描く、二人の少女の愛 『ラフィキ:ふたりの夢』がもたらした希望

「わたしたちは本物になろう」――。そう誓い合うのは、ケニアに住む二人の少女ケナ(サマンサ・ムガシア)とジキ(シェイラ・ムニヴァ)…

『スター☆トゥインクルプリキュア』の先進性

映画『スター☆トゥインクルプリキュア』は大人の心も掴む ダイバーシティと環境問題を扱うその先進性

『プリキュア』シリーズの劇場版作品『スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』が話題をよんでいる。近年『プリキュア…

キューブリックに人生を捧げた男の生き様

『キューブリックに魅せられた男』が映し出す、キューブリックとその作品に人生を捧げた男の生き様

自宅の棚にはスタンリー・キューブリック作品のDVDやBlu-rayのコレクターボックスやリマスター版のフィジカルソフトがいくつも…

ディズニーによる自己批判『マレフィセント2』

『マレフィセント2』はディズニーアニメに対する自己批判だ ヴィラン相対化時代に描かれたもの

現代映画──とくにハリウッド映画界では、知名度の高いヴィラン(悪役)を主役に昇格させ、彼らの側に寄り添ったスピンオフ映画の製作が…

『テッド・バンディ』が暴く内に潜む悪

『ジョーカー』と『テッド・バンディ』が共有するテーマとは 米史上最大の悪は私たちのすぐそばに

殺人など凶悪犯罪の報道を目にする度に、「なぜ犯人は、そんな非道なことができるのだろう」と思うことがある。ましてや快楽や私欲など身…

『チェルノブイリ』と『ジョーカー』の関係

『チェルノブイリ』と『ジョーカー』の深い関係を 「ショーランナー」と「音楽」から掘り下げる

『チェルノブイリ』(「スターチャンネル」が独占日本初放送&配信中)エピソード4には「ジョーカー」が登場する。爆発事故で建屋の屋上…

『JW:パラベラム』は理想的な続編に

『ジョン・ウィック:パラベラム』は理想的な続編! 広げすぎた風呂敷を畳み、アクションに特化

まさかこんな風呂敷が広がってしまうなんて……。恐らく作り手たちも内心ではビックリしたのではないか。『ジョン・ウィック:パラベラム…

ビートルズを巧みに使ったヒップホップ映画

ビートルズを巧みに使ったヒップホップ映画 『イエスタデイ』で描かれた「Let It Be」のテーマ

ジェイ・Zやチャイルディッシュ・ガンビーノがいて、ザ・ビートルズがいない世界。それを想像するだけでワクワクする。もし彼らが存在し…

『フッド:ザ・ビギニング』が掲示した可能性

新解釈のロビン・フッド映画 タロン・エジャトン主演『フッド:ザ・ビギニング』が掲示した可能性

『ジョーカー』や『アベンジャーズ』シリーズなど立て続けにヒットを飛ばし、「アメコミヒーロー映画全盛」といえる状況にある、現在のア…

批判も賞賛もできる『ジョーカー』の二面性

『ジョーカー』は“ヒーロー映画ブーム”を終焉に導くトリガーに? 批判も賞賛もできる“二面性”

ヒーローや悪役が登場するアメリカン・コミック原作の大作映画が次々にヒットを飛ばしているなか、それらとは全く異質なタイプの、しかも…

『ハイロー』は「EXILEになれる」場所?

『HiGH&LOW』は「もっとEXILEになれる」場所!? 山田裕貴、志尊淳、川村壱馬らの情熱と工夫

日本のどこかにあるSWORD地区(なぜSWORD地区と言うかを説明すると大変なので割愛)。このSWORD地区に存在する“漆黒の凶…

『21世紀の女の子』の巧妙な構成

『21世紀の女の子』は“男性の描き方”にも注目 山戸結希ら15人の監督たちが紡ぐ巧妙な構成

はたしてこの『21世紀の女の子』という映画を語る上で、一体どのポイントにフォーカスを置いて論じるのが望ましいか。考えれば考えるほ…

文系SF『アド・アストラ』に隠された問題

『アド・アストラ』は“文系SF”と呼べる作品に 破滅的ヴィジョンと一筋の救いを同時に描く

「星へ」の意味を持つラテン語をタイトルに、ブラッド・ピットが製作と主演を務めた『アド・アストラ』は、地球より太陽系の端まで直線的…

『グッド・ファイト』が描くトランプとの闘い

弁護士ドラマの前提揺るがす!? 『グッド・ファイト』が描く「トランプ時代」との闘い

これまで数々の傑作を生み出してきたアメリカのテレビシリーズの伝統の一つ、「ロー・ファーム(弁護士事務所)もの」ドラマにおいて、現…

ジョニー・トーの傑作を野心的リメイク!

ジョニー・トーの傑作を野心的リメイク! 狂人続出の『毒戦 BELIEVER』は男2人の「情」の物語

今すぐ頭を強打して記憶を失いたい……! こんな気持ちになる日が来ようとは。『毒戦 BELIEVER』(2018年)は韓国ノワール…

『グリーンブック』の真のテーマを考える

『グリーンブック』は“人種差別”だけを描いた映画だったのか? その先にあったテーマを考える

雨の道を走る車の中で、中年男2人の口論が始まった。その果てに、ハンドルを握るトニーに「(あんたと違って)俺は自分が誰か分かってる…

松江哲明の『アス』評

『アス』はアメリカ社会の暗部を映し出す 黒沢清に重なるジョーダン・ピールの作家性

映画監督にとって「2作目」は非常に難しいんです。特に1作目が高い評価を受けた場合、2作目によって、その作家の方向性や、真価が問わ…

『大脱出3』から感じる作り手たちの意地

マックス・チャンがMVP!? 『大脱出3』から感じるシルヴェスター・スタローンら作り手たちの意地

我らがスタローンの最新作が見参! 衝撃の『大脱出3』(2019年)である。自ら監獄に囚人として潜入・脱獄してしまうことで、逆に刑…

『アイネクライネナハトムジーク』の小さな魔法

三浦春馬×多部未華子『アイネクライネナハトムジーク』の小さな魔法 今泉監督が投げかける疑問とは

今泉力哉監督が撮る映画の登場人物たち(おもに主人公)は、みな一様に何かに対して“疑問”を浮かべている。最も代表的なものは、彼の映…

『ある船頭の話』の現代社会への問い

オダギリジョーの“わがままでぜいたくな”一作 『ある船頭の話』に込められた現代社会への問い

俳優のオダギリジョーが、自身初の長編監督作『ある船頭の話』を完成させた。「俳優をやりながら片手間に監督業に手を出していると思われ…