SNS全盛期に響く「自己肯定感」に関する物語 『殺さない彼と死なない彼女』の“ここにいて”というメッセージ
誰かと肩をならべて歩くことの尊さは、その誰かがいなくなってみないと分からない。おなじ歩幅、おなじリズム、おなじペース……それらが…
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
誰かと肩をならべて歩くことの尊さは、その誰かがいなくなってみないと分からない。おなじ歩幅、おなじリズム、おなじペース……それらが…
いまも愛される、SFアクション映画の代表格、『ターミネーター』(1984年)と、『ターミネーター2』(1991年)。観客からの圧…
山村暮鳥の「自分は光をにぎつている」(詩集『梢の巣にて』)という詩から引用されたタイトルを背負った、中川龍太郎監督の最新作『わた…
「少くとも恋愛は、チャンスでないと思う。私はそれを、意志だと思う。」 太宰治の『チャンス』に出てくる言葉だ。『冴えない彼女の…
ホラー映画史上最大のヒットという大成功を収めた、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』……その続編かつ完結編が、本作『I…
『グレタ GRETA』(2019年)は奇妙な映画だ。サイコサスペンスであり、ブラックコメディであり、孤独と狂気を描いた映画でもあ…
三代目 J SOUL BROTHERSの今市隆二が異国メキシコの地で俳優デビューを飾ったショートフィルム「On The Way」…
「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」――この映画を観たあと、ふと頭に浮かんできたのは、意外にもそんなニーチェの…
「わたしたちは本物になろう」――。そう誓い合うのは、ケニアに住む二人の少女ケナ(サマンサ・ムガシア)とジキ(シェイラ・ムニヴァ)…
『プリキュア』シリーズの劇場版作品『スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』が話題をよんでいる。近年『プリキュア…
自宅の棚にはスタンリー・キューブリック作品のDVDやBlu-rayのコレクターボックスやリマスター版のフィジカルソフトがいくつも…
モニカ・ベルッチの、9分にも及ぶレイプシーンで映画界を震撼させた『アレックス』(2002年)や、東京のナイトクラブを舞台にドラッ…
松本穂香は地方が似合う。 ブレイクした朝の連続ドラマ小説『ひよっこ』(NHK総合)では福島出身の女の子を、ドラマ『…
現代映画──とくにハリウッド映画界では、知名度の高いヴィラン(悪役)を主役に昇格させ、彼らの側に寄り添ったスピンオフ映画の製作が…
殺人など凶悪犯罪の報道を目にする度に、「なぜ犯人は、そんな非道なことができるのだろう」と思うことがある。ましてや快楽や私欲など身…
『チェルノブイリ』(「スターチャンネル」が独占日本初放送&配信中)エピソード4には「ジョーカー」が登場する。爆発事故で建屋の屋上…
まさかこんな風呂敷が広がってしまうなんて……。恐らく作り手たちも内心ではビックリしたのではないか。『ジョン・ウィック:パラベラム…
ジェイ・Zやチャイルディッシュ・ガンビーノがいて、ザ・ビートルズがいない世界。それを想像するだけでワクワクする。もし彼らが存在し…
葉が秋めいた木は、人を郷愁へといざなう。幼い頃の家族との思い出を振り返るときのような、懐かしくて切ない感覚をふと覚える。是枝裕和…
『ジョーカー』や『アベンジャーズ』シリーズなど立て続けにヒットを飛ばし、「アメコミヒーロー映画全盛」といえる状況にある、現在のア…
ヒーローや悪役が登場するアメリカン・コミック原作の大作映画が次々にヒットを飛ばしているなか、それらとは全く異質なタイプの、しかも…
暴動が起きようとしている。トッド・フィリップスの『ジョーカー』はそんな現代の空気をふんだんに吸収した映画であり、ベネチア国際映画…
『ジョーカー』(2019年)は至ってシンプルな映画に見えて、考えれば考えるほど複雑になっていく。 精神に問題を抱えている中年…
ヴァンパイアにフランケンシュタイン。古くから語り継がれる伝説の中には、多数のモンスターたちが存在している。けれど、本当に「化け物…
“高校生の恋愛”要素とSF要素を組み合わせた劇場アニメーション作品が、近年多くなってきている。言うまでもなく、これは『君の名は。…
三谷幸喜の最新映画『記憶にございません!』が好調だ。9月13日に公開されて以降、三週連続で興行収入ランキング一位を獲得している。…
「星へ」の意味を持つラテン語をタイトルに、ブラッド・ピットが製作と主演を務めた『アド・アストラ』は、地球より太陽系の端まで直線的…
これまで数々の傑作を生み出してきたアメリカのテレビシリーズの伝統の一つ、「ロー・ファーム(弁護士事務所)もの」ドラマにおいて、現…
今すぐ頭を強打して記憶を失いたい……! こんな気持ちになる日が来ようとは。『毒戦 BELIEVER』(2018年)は韓国ノワール…
雨の道を走る車の中で、中年男2人の口論が始まった。その果てに、ハンドルを握るトニーに「(あんたと違って)俺は自分が誰か分かってる…
映画監督にとって「2作目」は非常に難しいんです。特に1作目が高い評価を受けた場合、2作目によって、その作家の方向性や、真価が問わ…
「あの頃、こんなことを考えていたな……」と、懐かしく中学時代や高校時代をふと振り返るとき、恥ずかしさや切なさなどが混ぜこぜになっ…
我らがスタローンの最新作が見参! 衝撃の『大脱出3』(2019年)である。自ら監獄に囚人として潜入・脱獄してしまうことで、逆に刑…