作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
エリサ・ラム事件の真相に迫る いまこそ観るべき『事件現場から:セシルホテル失踪事件』
2013年、インターネット上で、ある奇妙な動画が世界中に拡散し、話題を呼ぶことになった。それは、ホテルのエレベーター内に設置され…
“最狂”の言葉に偽りなし? ソ連再現プロジェクト『DAU. ナターシャ』に圧倒される
あなたが試しに住んでみるとしたら、演出によって仕組まれたテラスハウスか、自由意思が奇妙に歪んでいく「DAU」の世界か、果たしてど…
伝説のギャングと重なるジョシュ・トランク監督の苦悩 『カポネ』は狂気に満ちた1本に
ジョシュ・トランクの最新監督作『カポネ』(2020年)は、現在の彼にしか撮れない映画だ。そして日本版のポスターに踊る惹句「壊れて…
人間の心と社会の闇を深くえぐる “ワールドクラス”の日本映画となった『すばらしき世界』
自らの脚本によって、リアリティある人間ドラマを映画監督として描き続けてきた西川美和。この度、その作品のなかでも、驚くほど濃厚で、…
『犬鳴村』のスケールを大きく超える恐怖表現 『樹海村』の恐怖の源泉を考察する
90年代の終わりから2000年代にかけて、ブームを巻き起こし、「Jホラー」として世界的な注目を集めた日本のホラー映画。その代表的…
『花束みたいな恋をした』麦と絹の恋はなぜ盛り上がりを見せたのか 2人が示した恋の形跡
これはきっと、私たちの物語――。とは、映画『花束みたいな恋をした』のチラシに綴られたコピーの一文だ。この文言の通り、本作を観た多…
"なりたい自分"になることに共感し、心揺さぶられる『MISS ミス・フランスになりたい!』
美貌や個性を競い合い、フランス各地の大会で勝ち上がった女性たちが、さらにフランス全土の頂点を目指す「ミス・フランス」。1920年…
リアムの“ありのままの姿”に心揺さぶられる 『アズ・イット・ワズ』で知る完全復活の裏側
「捨て鉢でパワフルな彼の声が、正確なピッチで美しいメロディに乗る。完璧だ」 リアム・ギャラガーがオアシス解散後に結成したビー…
坂元裕二が描き続ける恋と愛の狭間 『花束みたいな恋をした』が突き付ける世知辛い現実
麦「分けちゃダメなんだって、恋愛は」 絹「恋愛はひとりに一個ずつ」 菅田将暉演じる麦と、有村架純演じる絹は冒頭の場面におい…
ロバート・ロドリゲスによる“ヒーロー集結作品” 『ヒーローキッズ』の痛烈なメッセージ
近年、怒涛の勢いを見せているスーパーヒーローたちが集合するアクション大作映画『アベンジャーズ』シリーズ。2021年は、その展開を…
『犬鳴村』はただ絶叫するだけのホラー映画ではない 描かれた“真の恐怖”に迫る
「Jホラー」の旗手として国内外に名を馳せる清水崇監督の映画『樹海村』の公開を記念して、同じく清水監督が撮った『犬鳴村』(2020…
『花束みたいな恋をした』はなぜ観客の心に響くのか 菅田将暉と有村架純の役柄から紐解く
W主演の菅田将暉と有村架純、脚本の坂元裕二、監督の土井裕泰と、映画『花束みたいな恋をした』は、TVドラマと映画を横断する主要キャ…
人魚と男のファンタジックな恋愛物語 『マーメイド・イン・パリ』で取り戻す心のときめき
テーマパークやミュージカルのようにキラキラとしたものに心惹かれるあなたに、ぜひ観ていただきたい映画がある。それは、2月11日に公…
リアリティ番組として見せる本当のアジア人の姿と文化 Netflix『きらめく帝国』の意味深さ
セレブリティを追った“くだらない”リアリティショーが人気を博すことは、今にはじまったことではない。その筋の代表格であり、2007…
“天才的な泥棒”がフランス流で描かれる 『Lupin/ルパン』に込められた原作の“エスプリ”
イギリスに名探偵シャーロック・ホームズがいるのなら、フランスには怪盗紳士アルセーヌ・ルパンがいる。ともにそれぞれの国を代表する、…
“読めない岩ちゃん”と再び対峙? 『名も無き世界のエンドロール』のコンゲームを楽しむ
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、EXILEのメンバーであり、俳優としても活躍する岩田剛…
チャドウィック・ボーズマン遺作 『マ・レイニーのブラックボトム』が痛烈に描く社会問題
2020年8月、病によって43歳の若さでこの世を去った俳優チャドウィック・ボーズマン。アフリカ系初のメジャーリーガーだったジャッ…
ファンが本当に見たかった物語の続き 『ジュラシック・ワールド/サバイバルキャンプ』の凄さ
Netflixオリジナル『ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ』が、凄い。その一言に尽きる。2020年9月18日よりシー…
原点に立ち返った新しい『スター・ウォーズ』 『マンダロリアン』が高評価を得た理由を解説
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)よりスタートした、ディズニー主導による新しい『スター・ウォーズ』シリーズ、「続…
『ワンダヴィジョン』がシットコムとして作られた意味 仕掛けられた“謎”とともに考察する
世界で猛威を振るっている、新型コロナウイルス感染症。その影響は、製作映画公開のロードマップを順調にこなしていたマーベル・スタジオ…
“三国志ファン”が表明したい『新解釈・三國志』への違和感
TVドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズや実写映画『銀魂』シリーズなどを手がけてきた福田雄一が監督と脚本を務め、「三国志」を題材に大泉…
細かい“厭描写”が光る “気軽に楽しめる映画”の需要を満たす『デンジャー・ゾーン』
近年、中規模程度のアクション映画が減っている。もちろん正座して観たくなるような名作は重要だし、心に突き刺さる映画も必要だ。しかし…
ニコラス・ケイジの使い方が大正解 『あなたの知らない卑語の歴史』で学べる“本当の英語”
英語を勉強したい、という方は少なくないと思う。でなければ、昨今ありとあらゆる切り口で展開される英語のテキストブックの類が売れるは…
『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』が“圧倒的”である理由
通称“旧劇場版”と呼ばれる、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』が上映中だ。『ヱ…
『アルプススタンドのはしの方』はいま必要な一作 挫折を知った高校生が教えてくれること
この映画は、高校演劇初の映画化である。 高校演劇の長い歴史を考えると、不思議な気もするが、それだけ映画が手を出しにくい世界で…
コロナ禍の社会で夢を見られるだろうか? 『らいか ろりん すとん』が映す剥き出しの感情
泣くことは誰にでもできる。しかし、見た瞬間から暗い目をできる、いや暗い目をしている人間は少ない。映画『らいか ろりん すとん -…
『ブラック・ミラー』製作陣が贈る『さらば!2020年』 過激ゆえにリアルな風刺で得る学び
『2020年に死を!(Death to 2020)』という、どぎついタイトルが突如Netflixのホーム画面にデカデカと掲げられ…
家族の“やっかいさ”が愛おしい フランスからの贈り物『ハッピー・バースデー 家族のいる時間』
“2020年”という大きな節目であったはずの1年もあっという間に過ぎ去り、あっけなく迎えてしまった2021年。とはいえ、大変な1…
『ソウルフル・ワールド』が伝える人生の醍醐味 ジャズミュージシャンの物語になった理由とは
「音楽は空気の中に消えていき、二度と取り戻すことはできない」(ジャズプレイヤー エリック・ドルフィー) ジョン・ラセターがピ…
淡々と続く日常の中で確実に一歩前へ 『チャンシルさんには福が多いね』が与えてくれる“気づき”
『チャンシルさんには福が多いね』は、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアの三大映画祭でも受賞を重ねてきたホン・サンス監督の下でプロデュー…
『かぐや様は告らせたい』は平野紫耀×橋本環奈の持ち味全開! 少年漫画原作ならではのユニークさ
映画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』が、1月5日20時57分よりTBS系にて放送される。学園を舞台にした恋愛コメ…
『私をくいとめて』から考える“新しい恋愛ストーリー像” いかに女性が“変わらない”でいられるか
オタク女子の恋愛模様から同時代、同年代の女性の自意識を反映させた映画『勝手にふるえてろ』は、新たな波を感じさせる作品だった。その…
1980年代と現在がつながる構図に、“真実と嘘”というテーマ 『ワンダーウーマン 1984』を解説
ヒーロー映画『ワンダーウーマン』(2017年)で女性監督映画最大のヒットという偉業を成し遂げた、パティ・ジェンキンス監督と、主演…
『ワンダーウーマン 1984』にみるアメリカ近現代史 “ヘスティアの縄”が果たす重要な役割
DCコミックスが誇る女性スーパーヒーロー、ワンダーウーマンのコミック雑誌デビューから70年以上経ってようやく実写による単独主演映…







































