作品評の記事一覧

(2469件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『タイラー・レイク』アクションの凄まじさ

『タイラー・レイク -命の奪還-』はアクション映画のノウハウ満載 期待するもの全てある凄まじさ

哀しい過去を忘れるため、がむしゃらに戦える“死地”を求め、誰もが断る任務を受ける凄腕の傭兵タイラー・レイク(クリス・ヘムズワース…

『ライフ・イットセルフ』が描く予期せぬ喜び

ダン・フォーゲルマンの個性が炸裂 『ライフ・イットセルフ』が描く、人生がもたらす予期せぬ喜び

2011年に公開されたコメディ映画『ラブ・アゲイン』を観た人はいるだろうか。  主人公は、長年連れ添った妻エミリー(ジュリアン…

激動の今だからこそ観たい『イエスタデイ』

『イエスタデイ』が描く、世界を塗り替える音楽の力 名匠2人による“ビートルズを知らない世界線”

コロナウイルスで激動の社会状況下ですが、皆さん、無事に映画は楽しめているでしょうか? 映画館は休業し自宅にいることが求められてい…

『ドクター・スリープ』は単体でも楽しめる!

『ドクター・スリープ』はサイキック・アクションの良作!  カタルシス溢れる決着を観よ

結論から書くと、『ドクター・スリープ』(2019年)はサイキック・アクションの良作だ。そして『シャイニング』の40年越し(!)の…

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』の先進性

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』はなぜオーソドックスな内容になったのか?

90年代の『バットマン』アニメーションシリーズに、宿敵ジョーカーに恋をするヴィラン(悪役)として初登場したキャラクター、ハーレイ…

『アドリフト』は実話系サバイバル映画の秀作

『アドリフト 41日間の漂流』は実話系サバイバル映画の秀作! 海という巨大な存在への恐怖と美しさ

海は広いな大きいな……それだけに海は恐ろしい。どこまでも広がる大海原を前にしたとき、人間は圧倒的に無力である。私も小さい頃にウッ…

『ハーレイ・クインの~』は距離感が絶妙!

“手を組む”距離感が絶妙! 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』アンサンブルとしての面白さ

キャラクターの性質を大事にしつつ、観客の支持を得る。この目標を掲げたとき、ハーレイ・クインはなかなか難しい題材だ。何せ彼女は見た…

『人間の時間』が突きつける人間の欲望と宿業

キム・ギドクの苛烈な思考実験をどう受け取るか 『人間の時間』が突きつける人間の欲望と宿業

2020年2月9日(日本時間10日)、第92回アカデミー賞でみごと主要4冠獲得ーー『パラサイト 半地下の家族』(2019年)で堂…

『恐竜が教えてくれたこと』が描く“孤独”

オランダ発の良質なバカンス映画『恐竜が教えてくれたこと』 “孤独”への丁寧なアプローチ

いわゆるバカンス映画の系譜を辿っていけば、エリック・ロメールやジャック・ロジエ、最近ではギヨーム・ブラックといった作家の名前が頭…

塩野瑛久、『貴族降臨』でも爪痕を残す

塩野瑛久、『貴族降臨』『プリレジェ』をつなぐ重要な存在に 奏×誠一郎のいちいち切ないシーン

『PRINCE OF LEGEND』のドラマと映画、そして『貴族誕生 -PRINCE OF LEGEND-』に続いて、映画『貴族…

『サーホー』は娯楽映画の趨勢を変える!?

『サーホー』は世界の娯楽映画の趨勢を変える!? 『バーフバリ』ファンも“万歳”な内容に

インド映画史上歴代最高の興行収入を記録し、その激烈な面白さに日本でも話題を呼んだ『バーフバリ』シリーズ。そのバーフバリ役を務めた…

氷川きよしはジョン・F・ドノヴァンの希望

氷川きよしはジョン・F・ドノヴァンの希望 グザヴィエ・ドランが描くスターの光と陰

とあるスターとの秘密の文通をきっかけに、栄光の裏に隠された真相が明らかになる模様を描いた映画『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』。…

舞台版『フリーバッグ』の見どころを解説

売れっ子クリエーターの原点! 舞台版『フリーバッグ』はテレビ版を観た人も観ていない人も必見

海外ドラマ好きであれば昨年から色んなところで頻繁に名前を見かけるクリエーターであり、「今を時めく」という言葉を躊躇なく使える目覚…

『スキャンダル』が投げかける重いテーマ

『スキャンダル』が投げかける重いテーマ “権力”と“男らしさ”の分かち難い関係性を考える

アメリカの保守系ケーブル局FOXニュースで、2016年に起きたセクシャル・ハラスメント訴訟を描いた映画が『スキャンダル』である。…

『名もなき生涯』の「神の沈黙」のテーマ

実話を基にしたテレンス・マリックの新境地 『名もなき生涯』における「神の沈黙」のテーマを読む

数々の世界的な賞を受賞した『天国の日々』(1978年)、『シン・レッド・ライン』(1998年)、そして『ツリー・オブ・ライフ』(…

『チャーリーズ・エンジェル』が蘇った意義

『チャーリーズ・エンジェル』が2020年に蘇った意義 最高にかっこいい女優陣を堪能せよ

1976年からアメリカで放映され、大人気を博したTVドラマシリーズ『地上最強の美女たち! チャーリーズ・エンジェル』。L.A.の…

『プライベート・ウォー』が描く自由の価値

『プライベート・ウォー』が描く“自由の価値” 「自己責任」に囚われる私たちが考えるべきこと

日本への原爆投下を機に考案された、「世界終末時計」をご存知だろうか。核兵器や化学兵器などの大量破壊兵器を人類が手にし、環境破壊が…

『1917』は何を伝えようとしたのか

『1917』は何を伝えようとしたのか 長回しの意味、監督の作家性、宗教的モチーフから考察

第一次世界大戦の西部戦線を舞台にした、サム・メンデス監督による戦争映画『1917 命をかけた伝令』。2020年のアカデミー賞を前…

宇野維正の『ロングデイズ・ジャーニー』評

驚異の手法で映し出す、中国社会への「警鐘」 『ロングデイズ・ジャーニー』のノスタルジーと現代性

全編をワンシークエンスショットで見せてしまう(ちなみにあの作品をワンカット、もしくは擬似ワンカットと呼ぶのは厳密に言うと間違いだ…

『1917』の技術と新しい挑戦

サム・メンデスの新境地! 『1917 命をかけた伝令』の“シンプルな物語”と“実験的な手法”

1917年。第一次世界大戦の戦場で過ごす2人の若者ブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)とスコフィールド(ジョージ・マッ…

『フリッツ・ホンカ』が傑作の理由

シリアルキラーものの傑作! 『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』に宿る孤独とユーモア

『ハウス・ジャック・ビルト』や『テッド・バンディ』、『永遠に僕のもの』、そして配信ドラマ『マインドハンター』など、日常的に殺人を…

『ふたりのJ・T・リロイ』が問いかけるもの

すべての登場人物は世界のどこかの誰かかもしれない 『ふたりのJ・T・リロイ』が問いかけるもの

かつて『パーソナル・ショッパー』(2016年)で「別人になりたいと願っていた女」を演じたクリステン・スチュワートが、本作『ふたり…

荻野洋一の『リチャード・ジュエル』評

『リチャード・ジュエル』が誘う終わりのない問い イーストウッドの“悪意”を受け考えるべきこと

私たち現代観客は『リチャード・ジュエル』というアメリカ映画をどのように見たらよいのだろうか。一見シンプルなテーマを持ち、ひょっと…

『ロニートとエスティ』ラストに宿る感傷

人は抑圧にどう立ち向かうのか? 『ロニートとエスティ』ラストシーンが象徴する現代的なテーマ

セバスティアン・レリオの前作『ナチュラルウーマン』では、文字通りの「逆風」に立ち向かう女性が鮮烈に映し出されていたが、本作『ロニ…

『バッドボーイズ』成功した“引き算戦法”

『バッドボーイズ フォー・ライフ』はシリーズの転換点!? 成功した“引き算戦法”

見た目も中身もギンギラ、ナンパで武闘派刑事のマイク(ウィル・スミス)と、常識人ながらマイクの暴走の心労から時おり奇行が目立つ良き…

『パラサイト』が描く韓国社会の構図

【ネタバレあり】『パラサイト 半地下の家族』が描く韓国社会の構図 “善悪”で動かない物語の特殊性

ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』の興行収入が10億円を超えたという。筆者も二度鑑賞したが、最初に観たときは、そ…