作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
劇場版『Fate/stay night [HF]』が問いかける“罪”との向き合い方 映画独自のアレンジの妙
あなたは犯罪者を愛する覚悟があるか。 『Fate/stay night 』(以下、『HF』)は、そんな答えにくい問いを突きつ…
『窮鼠はチーズの夢を見る』が捉える恋愛の“本質” 人はなぜめんどくさいのに恋をするのか
大倉忠義の静謐にして類稀なる吸引力。成田凌の罪深いほどの愛らしさ。そして、行定勲監督の神がかったコーディネート。『窮鼠はチーズの…
『2分の1の魔法』が教えてくれる、受け継がれる意志の重要性 “夢の継承”はピクサーにも通じる?
いまやディズニーとともに世界のトップに立つピクサー・アニメーション。そこで長く大事にされてきたのは、CGアニメーションを駆使しな…
『借りぐらしのアリエッティ』は決して“失敗作”ではない ダイナミズムと対極のささやかな世界の魅力
8月28日の『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)で米林宏昌監督の『借りぐらしのアリエッティ』が放送される。本作は、2010年…
『ふりふら』が示した、2020年代“キラキラ映画”の行方 青春はもはやファンタジー?
『思い、思われ、ふり、ふられ』という漫画の連載がスタートしたのは2015年の夏のはじめのことで、それはちょうど同じ咲坂伊緒の『ア…
『映画ドラえもん』新作のタイトルはなぜ“新”恐竜なのか 新たなイメージの構築は成功?
新型コロナウイルスによる相次ぐ公開延期を経て、大型アニメ映画は『ドラえもん』から再開する。国民的な人気作品であるだけでなく、アニ…
『窮鼠はチーズの夢を見る』は原作ファンも納得の出来 水城せとな作品のエッセンスがそこかしこに
水城せとなによる恋愛漫画の傑作『窮鼠はチーズの夢を見る』、続編にあたる『俎上の鯛は二度跳ねる』からなる『窮鼠』シリーズが、一篇の…
菅田将暉と小松菜奈の“リアルな表情”が心に迫る 『糸』が意味付ける“繋がり”の深さ
運命の“糸”で繋がれた人と出会えただろうかーー映画『糸』は、自分の人生において紡いできた人との繋がりを思い起こさせる。中島みゆき…
医者と看護師、患者たちの個性が光る Netflixドキュメンタリー『スキン・ディシジョン』が面白い
「私はマッドサイエンティストで彫刻家」こんな自己紹介、漫画やアニメ以外にあるだろうか? アメコミの悪役以外にいるだろうか? とこ…
『コクリコ坂から』をジブリの歴史から読む 随所に込められた東映動画のメタファーの数々
歴史で紐解く『コクリコ坂から』 8月21日の『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)で放送される『コクリコ坂から』は、宮崎駿…
不老不死の傭兵軍団が悪人退治! 『オールド・ガード』がユニークな作品となった理由
不老不死の傭兵軍団が悪人退治! あらすじは以上! 先日配信された『タイラー・レイク -命の奪還-(2020年)もそうだが、何はと…
The Wisely Brothers 真舘晴子の『WAVES/ウェイブス』評 “大切にする”とはどういうことか
The Wisely BrothersのGt./Vo真舘晴子が最近観たお気に入りの映画を紹介する連載「考えごと映画館」。最近観た…
『となりのトトロ』はなぜ多くの人々を感動させるのか 唯一無二の作品になった理由を解説
これまで何度もTV放送され、国民的アニメとして定着している『となりのトトロ』。『トイ・ストーリー』シリーズにもトトロが登場するな…
歴史の醜い真実を描くサスペンス 『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』に詰まった“信念”を読み解く
全体主義がもたらす恐怖社会を風刺的に描いた小説『1984』(1949年発表)は、世界中の強権的な政治体制や、現代の日本の状況にも…
『聲の形』はアニメ史のターニングポイントだった 京都アニメーションが成し遂げた実写的表現
アニメのターニングポイントとなった名作、地上波初放送 7月31日放送の『金曜ロードSHOW!』にて、京都アニメーション(…
『千と千尋の神隠し』はなぜ多くの人に受け入れられたのか 作品に反映された宮崎駿監督の哲学
全国の300以上の映画館が、スタジオジブリの過去作『風の谷のナウシカ』(1984年)、『もののけ姫』(1997年)、『千と千尋の…
『ナイブズ・アウト』は新しい時代の名探偵シリーズに? クラシカルなスタイルを現在のものに更新
新しく映画化された『オリエント急行殺人事件』(2017年)や、『アガサ・クリスティー ねじれた家』(2019年)、『ナイル殺人事…
宮崎駿監督は『もののけ姫』で何を描こうとしたのか 公開当時よりも響く、作品に込められたメッセージ
新型コロナウイルスによって映画興行にも多大な影響が出るなか、全国の300以上の映画館が、スタジオジブリの過去作『風の谷のナウシカ…
松村龍之介×北園涼の“美しすぎる”競演 独自の世界を描く『BLOOD-CLUB DOLLS 2』の華やかさ
刀に和装、般若の面をつけた青年が舞のように美しい殺陣を披露する姿に思わず息を飲む。独自の世界を描く作品『BLOOD-CLUB D…
よりにもよって気球で亡命!? 『バルーン 奇蹟の脱出飛行』は実録サスペンス映画の秀作
よりにもよって、気球ですか? 『バルーン 奇蹟の脱出飛行』(2018年)の観客は映画が始まった途端、そんなふうに頭を抱えるだろう…
日本人も決して他人事ではない 『SKIN/スキン』が浮き彫りにする排斥主義問題
公開中の映画『SKIN/スキン』は、白人至上主義者として生きてきたレイシストが過去と決別し、生まれ変わろうとした衝撃の実話を基に…
『泣きたい私は猫をかぶる』は劇場で観たい一作 アニメを通した日本の女性像の最新版に
Netflixにて配信されている『泣きたい私は猫をかぶる』が好評だ。劇場公開が予定されていたものの、コロナウイルス問題によってN…
復活上映をより楽しむための背景解説! いま観ても変わらない『ホット・ファズ』の魅力
いまや、『ミッション:インポッシプル』シリーズで、トム・クルーズ演じるスパイに助け出される“ヒロイン”ベンジー役でお馴染みのサイ…
ベルリン映画祭で金熊賞を受賞した“実験映画” 『タッチ・ミー・ノット』が誘う模索への旅
劇中で何度も流れるアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンの「Die Befindlichkeit des Landes」の「Me…
『カセットテープ・ダイアリーズ』が響かせ続ける“音楽の素晴らしさ” 人生を変える劇的な傑作
人気漫画『宇宙兄弟』に、こんなセリフがある。「今『自分の居場所がない』と強く感じていて、小さな世界に閉じこもっている人がいたら、…
中村倫也・オン・ステージ! 『水曜日が消えた』が描く、かけがえのない日常への愛おしさ
新型コロナウイルスにより生活のルーティン化を余儀なくされた現在の私たちの日常と、映画『水曜日が消えた』の世界で描かれる日常は、ど…
『キングコング:髑髏島の巨神』は“男前コング”の虜になる! 怪獣バトル史におけるベストバウトも
2021年5月に北米公開が予定されている『GODZILLA VS. KONG(原題)』。レジェンダリー・ピクチャーズが『GODZ…
『ストーリー・オブ・マイライフ』が描く生と死の円環 疾走し続ける4姉妹のきらめき
“Write something for me.” ーー私のために何か書いて。 数年にわたる闘病の末、ついにみずからの死を…