作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
複数の“愛”の謎を解き明かす物語 『親愛なる君へ』が描く現実は決して他人事ではない
台湾映画『親愛なる君へ』が、7月23日より公開された。世界的評価を受けた『一年之初(一年の初め)』や『ヤンヤン』を手掛けたチェン…
『ブラック・ウィドウ』が描いた“一つの希望” マーベル・スタジオのヒーロー映画から考察
『アイアンマン2』(2010年)から『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)まで、マーベル・スタジオの映画で約10年の間活…
『竜とそばかすの姫』にみるインターネット史の変化 良くも悪くも垣間見える細田守らしさ
オリンピックが4年に1度開催されるように、細田守の映画は3年に1度、しかも夏にやってくるというように相場が決まっている。それは細…
批評家の間でも賛否両論 アメリカ建国の歴史描いた『アメリカ THE MOVIE』の真価を探る
『LEGO(R)ムービー』シリーズや、『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)、『ミッチェル家とマシンの反乱』(202…
『100日間生きたワニ』の出来はどうだったのか 原作のブームや興行的な苦戦とともに考察
2019年冬から2020年の春にかけて、Twitterで大きな盛り上がりを見せた4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』。「100日後…
『ワイルド・スピード EURO MISSION』はシリーズの“功労者” 新作に向けた復習にも最適?
『ワイルド・スピード』を観たら、確実に欲してしまうものがある。コロナビールとBBQだ。あと、ナイスな車に美男美女、腹筋と大金。人…
男手ひとつの子育て奮闘記『ファザーフッド』 クラシカル志向で描く現代的なテーマ
次々に映像作品を製作、配信し続けているNetflix。しかし、世に多くの作品を送り出しているがゆえに、その中には優れた内容なのに…
長野の田舎を見事に表現! 細田守監督作『サマーウォーズ』の美術と作画の凄み
夏が来ると定期的にテレビ放送されるアニメ映画『サマーウォーズ』(2009年)は、細田守監督の長編映画3作目にして、初の原作なしの…
バトル以外の内容が“ほぼ無い”『ゴジラvsコング』 モンスターバースでの位置付けを考察
レジェンダリー・ピクチャーズ製作の、巨費を投じた怪獣映画シリーズ「モンスターバース」。その第4弾は、アメリカと日本がそれぞれに生…
キャラ良し、アクション良し、筋肉良し! DCで最も純粋なエンタメ作品『アクアマン』
海だ! 魚だ! 筋肉だ! 『アクアマン』だ! 『ジャスティス・リーグ』に登場していたアクアマンことアーサー・カリーが主人公の本作…
『おおかみこどもの雨と雪』に見る、細田守の細部へのこだわり 宮崎あおいら声優にも要注目
『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では、スタジオ地図・細田守監督最新作『竜とそばかすの姫』公開記念として、7月2日から「3週連…
MCUのドラマシリーズに新たな驚き 『ロキ』にみるマーベル・スタジオの革新性
マーベル・スタジオによるドラマシリーズの第3弾としてリリースされた『ロキ』は、その作品群に新たな驚きを加える作品だ。『マイティ・…
『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』にみる“続編映画”の問題点 本当の勝負は3作目?
音を立てただけで、巨大な怪物が猛スピードで襲ってくる……。そんな緊迫感に溢れた世界を描き、背筋を凍らせるサスペンス体験と新鮮な驚…
ドキュメンタリー映画に刻まれた、ビリー・アイリッシュが“スーパースター”を引き受けた理由
ゴシップ系ウェブメディア、どこに行っても向けられる一般人のスマホのカメラ、その映像や画像が即時にアップされるソーシャルメディア。…
ピクサーならではの見事な脚本 『あの夏のルカ』が見出した二つの成長のかたち
青い海と空、降り注ぐ陽光。ひと夏の子どもたちの成長と友情を、1950年代、北イタリアの港町の風情のなかで郷愁とともに描いた、ピク…
“ちょっとブラックな”ネタがキモ テレビの洋画劇場らしさを味わえる『ピーターラビット』
6月25日放送の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)は、ウサギと人間のバイオレンス・コメディ『ピーターラビット』(2018年)で…
“事実上の主人公”真田広之がカッコいい! “命の激安セール”が魅力の『モータルコンバット』
魔界から悪い連中が攻めてくるので、強い人たちが頑張る。映画『モータルコンバット』(2021年)は、30年近い歴史を持つ同名ゲーム…
『ウィッシュ・ドラゴン』から考える中国アニメーションの現在 世界の趨勢にも変化が?
『ピーターラビット』(2018年)や『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019年)を製作した、アメリカのソニー・ピクチャーズ…
社会構造が生んだ歪みに一撃を加えるヒーロー誕生 『Mr.ノーバディ』の生々しいアクション
凄腕の元殺し屋が1人で犯罪組織に立ち向かう、キアヌ・リーブス主演のアクション快作『ジョン・ウィック』シリーズ。その脚本家デレク・…
日本アニメ映画史に刻まれる“傑作” 『漁港の肉子ちゃん』が描く日常におけるファンタジー
『かぐや姫の物語』、『風立ちぬ』と、日本のアニメーション映画の複数の時代を代表する高畑勲監督、宮崎駿監督、両名の巨匠の集大成とい…
異色のアニメーション映画 『映画大好きポンポさん』はなぜ多くの観客の共感を集めるのか
イラスト、漫画投稿サイト「pixiv」で人気を得て出版もされた、映画への愛情をぶつけた同名漫画のアニメーション映画化作品『映画大…
犬の視点で記録する“地上50センチのディストピア” 『犬は歌わない』が暴く人間の残酷さ
1950年代にアメリカと旧ソ連のような大国を中心に激化した宇宙開発競争によって、旧ソ連では数十匹の犬が宇宙空間に送られたという。…
『グーニーズ』なぜキッズ作品の代表的な存在に? 現実ともリンクする一抹の“ほろ苦さ”
子どもたちが活躍する、娯楽アドベンチャー映画の定番といえる1985年公開の『グーニーズ』が地上波放送される。 公開から30年…
『デニス・ホー』は「あなたはどう生きたいか」と問いかける 損得勘定を超えたその信念
6月4日の香港では毎年、天安門事件の追悼集会が行われる。 しかし、今年は例外となってしまった。2019年の逃亡犯条例の改正を…
『クルエラ』が内容的な成功を収めることになった理由 掲げられた新しいメッセージとは
『101匹わんちゃん』(1961年)のクルエラ・ド・ヴィルといえば、ディズニーのアニメーションの歴史の中でも、屈指のインパクトと…
『ボヘミアン・ラプソディ』見どころはライブシーンだけではない 物語で変わる音楽の響き
「なりたい自分になること」と「本当の自分を見つけること」――この2つは似ているようで異なっている。というか、その両者はときとして…
『クルエラ』の甘美でパンクな復讐劇 起源となった女優タルラー・バンクヘッドの先進性
クルエラの起源 「自分の過去について後悔しているのは、その長さだけだ。もう一度人生をやり直しても、同じ過ちをすぐに犯してし…
2人の女性が共鳴 “情報”が重要なソリッド・シチュエーション・スリラー『オキシジェン』
『CUBE』(1997年)や『ソウ』シリーズなど、主人公が密閉された状況に閉じ込められることで発生する恐怖や、脱出の奮闘を描いた…
モダンなアート寄り怪獣映画? 滅茶苦茶を楽しむ『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
『ゴジラvsコング』が延期に延期を重ね、世紀の大決闘の決着を日本中が待ち侘びている。そんな中、前作にあたる『ゴジラ キング・オブ…
『ミッチェル家とマシンの反乱』にみる、フィル・ロードとクリス・ミラーのプロデュース力
アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞し、大ヒットを果たした『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)。その製作に携わったヒ…
『スタンド・バイ・ミー』が描く“二度と戻らない夏” まとわりつく死の影と街の秘密
何度も観ているのに、映画が始まって暗い画面に大きく浮かび上がるタイトルを見て、あの曲の片鱗を聞くだけで喉の奥がキュッとしてしまう…