作品評の記事一覧

(2469件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『僕を育ててくれたテンダー・バー』の男性性

男と男の“魂の継承”の物語 『僕を育ててくれたテンダー・バー』にみる“男らしさ”の価値観

室内に光るネオンサイン、棚に並んだ酒瓶とグラス、そして、ポーカーやビリヤードに興じる酔客たち……そんな喧騒に包まれたバーのカウン…

菊地成孔『パワー・オブ・ザ・ドッグ』評中編

菊地成孔の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』評(中編):映画が「ジャンル」自体をチェンジしてしまう時に発生する「怖さ」の質と量

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(中編)/映画が「ジャンル」自体をチェンジしてしまう時、そこに発生する「怖さ」の質と量について は…

哲学的な問いに迫る『ハウス・オブ・グッチ』

リドリー・スコット監督による一大巨編 『ハウス・オブ・グッチ』は哲学的な問いに迫る

イタリアの高級老舗ブランド「GUCCI(グッチ)」。1920年代のフィレンツェで上質な革製品を売り出すところから事業をスタートし…

『マクベス』に漂う“本格派”の風格

コーエン作品とシェイクスピア作品の意外な親和性 『マクベス』に漂う“本格派”の風格

ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『マクベス』は、オーソン・ウェルズや黒澤明、ロマン・ポランスキーなど、名だたる巨匠監督たちが映画…

歴史ロマンの『ギャング・オブ・アメリカ』

『ギャング・オブ・アメリカ』からあふれる懐かしのロマン 全編に響く“カイテルASMR”も

『徳川埋蔵金』……『ギャング・オブ・アメリカ』(2021年)は、このロマン溢れるフレーズを思い出す1本だ。  徳川埋蔵金伝説と…

マルチバースが現代に必要とされる理由

『スパイダーマンNWH』は可能性を“捨てる"物語 マルチバースが現代に必要とされる理由

現在、映画館で大ヒット中の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(以下、『スパイダーマンNWH』)のキーワードは「マルチバース…

『スパイダーマンNWH』が示した可能性

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が示した、クロスオーバー作品の新たな可能性

トム・ホランド主演、ジョン・ワッツ監督による、マーベル・スタジオ版『スパイダーマン』シリーズの第3作であり、一つの区切りとなる『…

菊地成孔『パワー・オブ・ザ・ドッグ』評前編

菊地成孔の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』評(前編):絵に描いたように<古くて新しい>傑作

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』/60年代に書かれた原作を、60年代的映画的な<「大どんでん返し」付きの耽美スリラー>としてガッツリ…

『コンフィデンスマンJP』関水渚の功績

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』が他の作品と違う理由 ヒロイン・関水渚の功績

「本物も偽物もない。信じればそれが真実」  シリーズ最新作『コンフィデンスマンJP 英雄編』の公開を記念して、1月15日にフジ…

『スパイダーマンNWH』は青春映画の快作

ウィレム・デフォーは今回も顔面演技全開! 『スパイダーマンNWH』は青春映画の快作

スパイダーマンことピーター・パーカー(トム・ホランド)は悩んでいた。これまでスパイダーマンであることを隠して悪と戦っていたのに、…

『コンフィデンスマンJP』なぜ人気に?

『コンフィデンスマンJP』なぜ人気シリーズに? ロマンス編ではジェシーの存在感を再確認

「やられた……!」と毎回思っている気がする。騙されると分かっているのに、騙されてしまうのが、『コンフィデンスマンJP』シリーズな…

『キングスマン』シリーズの本質とは?

『キングスマン:ファースト・エージェント』の戦争描写から考える、シリーズ全体の本質

マシュー・ヴォーン監督による、イギリスの人気スパイシリーズ『キングスマン』の新作にして、過去の時代を描く初の試みとなった『キング…

『キングスマン』シリーズの新境地

『キングスマン:ファースト・エージェント』が達した新境地 戦争映画として確かな重厚感

いわゆる“シリーズ3作目の呪い”、というものはあると思っている。1作目が最高に面白くて、2作目は期待していたより実はまあまあな印…

過激なコメディー『ドント・ルック・アップ』

“真摯”で“真面目”なコメディー超大作 『ドント・ルック・アップ』に感じる現実的な恐怖

2021年のNetflix最大の映画作品『ドント・ルック・アップ』が配信された。ジェニファー・ローレンスやレオナルド・ディカプリ…

『マトリックス』シリーズとは何だったのか

『マトリックス』シリーズとは何だったのか 『レザレクションズ』に込められたメッセージ

2000年を挟んだ前後の時期に、映画史やその他のカルチャーに大きなインパクトを与えることとなったサイバーパンク・アクション『マト…

デートアプリ世代を導く『ラブ・ハード』

“偽ること”を考えさせられる 『ラブ・ハード』はマッチングアプリ世代に響く名作だ

万年ダイエッターという言葉があるように、私は“万年スワイパー”という言葉があってもいいと思う。スワイプとは、その行為自体はスクリ…

『ホーム・アローン』の功績者を讃える

『ホーム・アローン』の笑いには“痛み”が伴う 愛され続ける映画に成長させた功労者とは?

『ホーム・アローン』が日本で劇場公開されてから、ちょうど30年目の年。クリスマスが来るたび、いや真夏日でも構わず観たくなる瞬間が…

『マトリックス レザレクションズ』の味わい

『マトリックス レザレクションズ』の奇妙な味わい 地に足が着いたメッセージが胸に迫る

うだつの上がらないコンピューター会社勤務の会社員トーマス・アンダーソン(キアヌ・リーブス)には、ハッカーの“ネオ”という裏の顔が…

『ボス・ベイビー』は“考えずに感じる”?

『ボス・ベイビー』は“考えずに感じる”映画? 子供の視点と感情に寄り添う奇作的な魅力

アニメーション映画って、時々少し難しい。近年のピクサー作品のような、どちらかといえば大人が観た時に深いい話すぎて泣ける作風を意識…