『ワイルド・スピード EURO MISSION』はシリーズの“功労者” 新作に向けた復習にも最適?

『EURO MISSION』は復習に最適?

 『ワイルド・スピード』を観たら、確実に欲してしまうものがある。コロナビールとBBQだ。あと、ナイスな車に美男美女、腹筋と大金。人間の煩悩まみれのような本シリーズも、8月6日公開予定の『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』で9作目だ。9作目!? 『ハリー・ポッター』よりも長い! ここまで長く続き興収的に成功を収めている作品は、『スター・ウォーズ』シリーズぐらいではないだろうか。しかし、まさに『スター・ウォーズ』が良い例で、長続きしているからといって後年の作品の興収や評価が高いというわけではない。ところが驚いたことに、『ワイルド・スピード』シリーズは回を増すごとに日本での興収が鰻登りになっている。特に、今回フジテレビ系『土曜プレミアム』で放送される『ワイルド・スピード EURO MISSION』は国内興収20.2億円を記録、さらに8作目の『ワイルド・スピード ICE BREAK』は40.5億円と、その2倍近くの数字を叩き出した。

 『ワイルド・スピード』は世界的に市民権を得やすい作品である。なぜなら、“わかりやすい”から。言語や文化的な価値観さておき、そもそも映画館で観たいもの……ド迫力のカーチェイスやアクション、ハイスト、恋愛、そして“家族”の絆が全て詰まっている。そこに細かい説明はいらない、ほとんどを視覚的に見せていく。そのような形であらゆるジャンルを兼ね備えているからこそ、多くの人にとって観やすい作品なのだ。

 しかし、それでもかなり紆余曲折を経た本シリーズ。もともと1作目は今でお馴染みのファミリーが登場するが、続編の『ワイルド・スピードX2』はヴィン・ディーゼルが脚本の出来に満足しなかったことから彼の不在により、2作目にしてすでにスピンオフ的な作品となっている。その後の3作目もヴィン・ディーゼルは相変わらず脚本が気に入らず、ポール・ウォーカーもキャスティングできなかったため新キャスト&新舞台という、さらなるスピンオフ映画的なものになった。キャラクターも安定せず、オタク向けのカーレース描写の多さから評価も低迷。

 低迷していたのは『ワイスピ』に限らずヴィン・ディーゼル自身もそうで、本作を断ってまで出演していた作品が興収および批評的にも伸び悩み、そこで再び本シリーズに戻ることを決心。そういった背景から、1作目の事実上の続編が4作目の『ワイルド・スピード MAX』になっている。ここから主要人物が全員カムバックしたこと、そしてストリートレース以上に万人受けしやすいハイスト要素を強めたことでシリーズは成長を遂げ、今日に至る。

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