作品評の記事一覧

(2469件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

“娯楽映画”としての『ヴェノム』シリーズ

前作に続き批評家と観客の間で評価が二分 “娯楽映画”としての『ヴェノム』シリーズを考える

邪悪かつクールな風貌で人気を誇る、『スパイダーマン』の悪役“ヴェノム”を主人公に、トム・ハーディを主演に迎え実写映画化した『ヴェ…

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の不穏な余韻

B・カンバーバッチの名演に圧倒 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が残す不穏な余韻の正体

観終わった後にいつまでも残る、この尋常でない不穏な余韻は一体何なのだろう。  まるで感情の奥底に眠る、言葉にならない悪夢の根源…

『ヴェノム』続編は一周回って異色作?

一周回って異色作? 『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の安心感

人間、開き直ると強くなるものである。『ダイの大冒険』でポップも言っていた。そして『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2…

ゴリラズのライブ映画で味わう音楽の豊かさ

ゴリラズのバーチャルライブ映画で味わう音楽の豊かさ キーワードは“繋がり”と“同時体験”

今年、日本でも大ヒットを記録したデヴィッド・バーンのライブ映画『アメリカン・ユートピア』がそうであったように、この延々と続く「コ…

『ミラベルと魔法だらけの家』主人公の複雑さ

『ミラベルと魔法だらけの家』はディズニー作品そのもの? 主人公の複雑さが意味するもの

「高度に発達した科学は、魔法と見分けが付かない」というのは、SF作家アーサー・C・クラークの言葉だ。“魔法”を持った家族を題材に…

『不死鳥の騎士団』にみる、子供たちの独立

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』は腐敗した大人社会と生徒の訣別を描く重要作

つくづく、ホグワーツの生徒は命がいくつあっても足りないと思う。入学早々、ハロウィンにはトロールが校内に侵入してくるし、学校の敷地…

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の“革命の力”

ジェーン・カンピオンの堂々とした到達点 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』にみる“革命の力”

カウボーイたちが牛の群れを遠隔地へと運ぶ「キャトルドライブ」を題材にした『赤い河』(1948年)という、大スケールで描かれた映画…

ザ・スミスの歌詞が胸に響く“心の物語”

ザ・スミスの歌詞が響く 偽らざる心の物語『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』

モリッシーの憂いを帯びた柔らかな歌声と弱者に寄り添いつつも鮮烈な歌詞、そしてジョニー・マーのアルペジオを多用した繊細なギターの音…

『炎のゴブレット』はシリーズの転換作

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』は見どころ満載 最後の楽しい学園生活と闇の復活

※本稿には『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のネタバレが記載されています。  映画第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』が…

『チック、チック…ブーン!』のメッセージ

“売れない表現者”のシビアな問題を描く 『tick, tick... BOOM!』にみる“真のアーティスト”の姿

アメリカの映画界で、いま最もホットな存在といえば、主に舞台人として、劇作や作曲、出演者として活躍してきたリン=マニュエル・ミラン…

『ホーム・アローン』続編が投げかけた問題

『ホーム・スイート・ホーム・アローン』が投げかけた、ディズニー系列の作品作りの課題

アメリカで12週間連続興行収入ナンバーワンを獲得し、日本を含む世界で大ヒットした、もはやファミリー向けコメディの伝説となっている…

『エターナルズ』は観る者を試す

『エターナルズ』は観る者を試す 観客の手に委ねられたヒーローたちの希望

ヴェネチア国際映画祭最高賞を受賞し、アカデミー賞で作品賞、監督賞を含む主要3部門を獲得するなど、世界を席巻した『ノマドランド』。…

『ロン 僕のポンコツ・ボット』の問題提起

デジタル世代が直面する問題を描く 『ロン 僕のポンコツ・ボット』が示す未来への活路

イギリス発、気鋭のCGアニメーションスタジオ「ロックスミス・アニメーション」の初劇場作品『ロン 僕のポンコツ・ボット』が公開され…

『CUBE』をオリジナル版と比較考察

日本版『CUBE』とオリジナル版『キューブ』を比較考察 見えてくる日本映画の課題

1997年に公開されて以来、世界でカルト的な人気を誇る、ソリッドシチュエーション・スリラー映画『キューブ』。立方体のかたちの部屋…

『007/NTTD』が荒唐無稽なワケ

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は遊び心満載? 作り手の自由度が高める映画の魅力

15年ほど前、『007 カジノ・ロワイヤル』でダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドを初めて観たとき、物心のついた段階ですでにジ…