イ・ソンミンが数珠と斧で闘う! 韓国オカルトスリラー『第8日の夜』の意外な見どころ

韓国オカルト『第8日の夜』の意外な見どころ

 “決して目覚めてはならぬもの”が解き放たれたとき、数珠と斧で武装した元僧侶が若き僧侶とともに、封印を守り抜くため決死の祈りを捧げるーー。

 そんな韓国映画『第8日の夜』は、『哭声/コクソン』や『サバハ』を彷彿とさせる退魔系オカルトスリラー。2020年に本国で劇場公開予定だったが、コロナ禍により『ザ・コール』や『狩りの時間』『スペース・スウィーパーズ』と同様にNetflixでの世界配信となった。

 この元僧侶を演じるのが、『KCIA 南山の部長たち』でイ・ビョンホンに暗殺される大統領、『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』でファン・ジョンミンと任務を超えた友情を育む北の高官を演じたイ・ソンミン。彼が感情と光のない瞳をカッと見開くときには、いつも決まって何かが起きる。さらには、彼の出世作であるドラマ『ミセン -未生-』ファンなら見逃せない楽しみ方も待っている。

ヒット作多発の韓国ジャンル系の最新作

 2500万年前、人間に苦痛を与える邪悪な存在から「赤い目」と「黒い目」を引き離した釈迦は、西の果ての砂漠に「赤い目」を、東の果ての険しい崖に「黒い目」を封印した。だが、ある赤い月の夜、封印を解かれた「赤い目」は、7夜をかけて7人の人間に取り憑きながら再び一体となるべく「黒い目」を目指す。両者が1つになれば、世界は苦痛と闇の地獄へと陥ってしまうのだ。

 この物語は、本作が長編映画デビューとなるキム・テヒョン監督(あのBTS・Vと同姓同名)が、仏教の金剛経をベースに6年あまりをかけて構築したオリジナルストーリー。『哭声/コクソン』の映像的衝撃や『サバハ』の精巧な脚本には及ばぬ面はあるものの、次々と人間に取り憑いていく邪悪なものと、守護者の宿命を背負う者、連続変死事件を追う刑事の三者が第8日目に起こる地獄の始まりを阻止しようとする。

 守護者でありながら、過去のある悲劇に囚われ続けている元僧侶のパク・ジンスを、諦観を宿した瞳で演じているのがイ・ソンミンだ。40代に入ってから医療ドラマ『ゴールデンタイム』で注目を集め、『ミセン -未生-』でイム・シワン演じる主人公チャン・グレを育て上げる、ぶっきらぼうでも情に厚い、人間味あふれる“中間管理職”オ課長役で日本でも知られるようになった。

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