『グーニーズ』なぜキッズ作品の代表的な存在に? 現実ともリンクする一抹の“ほろ苦さ”

『グーニーズ』なぜキッズ作品の代表的な存在に? 現実ともリンクする一抹の“ほろ苦さ”

 子どもたちが活躍する、娯楽アドベンチャー映画の定番といえる1985年公開の『グーニーズ』が地上波放送される。

 公開から30年以上経っても、幅広く観客に記憶され続けている本作。近年になって、文化遺産としてアメリカ国立フィルム登録簿に記載されるなど、もはや一部ではクラシック作品扱いとなっている。果たして公開当時、このキッズ映画がそのような評価を受けることになるとは、誰が思っただろう。本作は、すでにアメリカ文化の一端を代表する映画となったのだ。

 わくわくドキドキの冒険が描かれるイメージが強いが、じつはかなり暗い雰囲気を持った作品でもある『グーニーズ』。ここでは、あらためて作品の魅力を振り返りながら、いまの視点から、何が描かれていたのか、なぜ本作がキッズ作品の代表的な位置に置かれることになったのかを考察したい。

 映画の舞台となるのはアメリカの北西、オレゴン州の架空の港町「グーン・ドックス」。ロケ地となっているのは、州のさらに北西にある「アストリア」だ。この町には、いまでも『グーニーズ』に親しみを持った観光客がやってくる。主人公マイキーの家として撮影に使われた家屋も、まだそのまま存在しているが、観光客の一部のマナーの悪さから、家主は周囲を閉鎖しているのだという。また、劇中にも重要な“鍵”として登場する、ランドマークとして有名な巨大岩「ヘイスタック・ロック」のある「キャノンビーチ」も、人の多く集まるスポットだ。

 アストリアがアドベンチャーの舞台として選ばれているのは、ロケーションの素晴らしさだけではない。この地は、入植者によるアメリカ開拓時代において、船による貿易によって早くから開発が進んでいた町であり、海にまつわる歴史的なロマンが存在する。中国系の移民も比較的多く、本作でキー・ホイ・クァン演じる、ガジェット好きな少年“データ”が登場するのにも説得力がある。

 本作の主人公マイキーを演じるのは、子役時代のショーン・アスティン。その後、彼は様々な映画に出演することになるが、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで、主人公フロドと一緒に旅をしたホビット族の“サム”役が有名だ。そして、マイキーの兄で、筋トレが趣味のブランドンを演じていたのは、後に人気俳優として活躍し、近年も『オンリー・ザ・ブレイブ』(2017年)でたくましい消防隊リーダーを演じたジョシュ・ブローリン。マーベル・スタジオの映画では、様々なヒーローたちを次々に倒した最強の悪役・サノス役も務めている。

 さて、マイキー、マウス、チャンク、データで構成される地元グーン・ドックスの悪ガキのグループ“グーニーズ”は、大規模なゴルフ場開発で立ち退きを迫られているマイキーの自宅の屋根裏で、海賊“片目のウィリー”が集めたという財宝の地図を見つける。さっそく宝探しを始めるグーニーズに、マイキーの兄ブランドン、アンドレアとステファニーの少女たちも加わったチームは、宝が眠っていると見られる洞窟を進んでいく。そんなグーニーズをつけ狙い、宝を奪おうとするのは、脱獄した悪党のフラッテリ一家だ。果たしてグーニーズは宝を持って無事に洞窟を出られるのだろうか……。

 この物語の原案は、本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務める、当時からすでにヒットメイカーとして次々に娯楽大作を世に送り出していた、スティーヴン・スピルバーグ。キー・ホイ・クァンも出演している、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)を監督して、すぐ後の仕事となった本作は、そのキッズ版ともいえる内容となっている。

 そんな原案から脚本を執筆したのは、『グレムリン』(1984)の脚本家クリス・コロンバスだ。彼はその後、監督として『ホーム・アローン』シリーズや『ハリー・ポッター』シリーズを監督し、ファミリー映画、キッズ映画の巨匠となる。さらに、その脚本を基に『グーニーズ』の監督を務めたのは、当時すでに『オーメン』(1976年)や『スーパーマン』(1978年)で評価を高めていたリチャード・ドナー監督である。本作の後も、『リーサル・ウェポン』シリーズなどで、その手腕を発揮している。

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