>  > 加藤よしきの『MEG ザ・モンスター』評

今のステイサムは演技も人の頭に回し蹴りもできる! 『MEG』は役者としての総決算に

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 「演技はできないが、人の頭に回し蹴りはできる」。かつてジェイソン・ステイサムは、自身をこのように評した(参考:ウレぴあ総研|ジェイソン・ステイサムの“こだわり”とは?)。なんと謙虚かつ豪胆な言葉であろうか。己を卑下せず、かといって己惚れもしない。こうした生真面目な姿勢こそ、ステイサムが愛される理由であろう。そして彼の自己認識は、ある意味で正しい。ステイサムと言えばアクションであり、彼が言う通り、演技より回し蹴りを求められる仕事が多いのは事実だ。しかし、私はステイサムに言ってやりたい。「いや、あなた演技もイケますよ」。現在公開中の『MEG ザ・モンスター』(18)はジェイソン・ステイサムの“演技”が存分に堪能できる1本だ。

 ある日、深海で潜水艦が事故を起こした。救助チームのジョナス(ジェイソン・ステイサム)は手際よく潜水艦のクルーたちを助けていくが、突如として“何か”が潜水艦に襲いかかってくる。このままでは船員も救助チームも全滅だ、そう判断したジョナスは、潜水艦に取り残された2人の仲間を見捨てて脱出する。救助には成功したものの、深海で“何か”に襲われたという主張は通るわけもなかった。正気を疑われたジョナスはレスキュー・ダイバーの世界から引退する。そして月日は流れ……。中国の海洋研究所では、最新鋭の潜水艇を使った深海の調査が行われていた。未知の海溝を発見して喜ぶのも束の間、潜水艇は“何か”の襲撃を受ける。深海で何が起きたのか? 潜水艇の救助は? 潜水艇を襲った“何か”の正体とは? 混乱に陥った研究所のメンバーは切り札として、あの男を呼び戻す。深海レスキューのプロフェッショナルにして、かつて“何か”と遭遇した男――ジョナスである。ジョナスはタイで酒に溺れる極ゆるライフを送っていたが、潜水艇の操縦士が元妻だと知らされるや、速攻でやる気になって現地へ飛ぶ。常軌を逸したスキルとタフさで救助を成功させたジョナスであったが、彼の前に再び“何か”が姿を現した。それは古代の海の支配者、絶滅したはずの巨大鮫・メガロドン! かくして人間VSメガロドン、生命の歴史を賭けた激闘の幕が上がった!

 今回、ステイサムが戦うのはメガロドンである。この対戦相手は、ステイサムのキャリア史上最強の難敵と言える。それは劇中の強さだけではなく、メタな視点から言っても同様だろう。何故ならメガロドンに回し蹴りは効かないし、メガロドンもステイサムほど機敏な格闘アクションができないからだ。ジョン・タートルトーブ監督も「今回は彼(※ステイサム)が今までやってきたアクションとはちょっと違う。カーアクションも人との取っ組み合いもない」とインタビューで語っている通り、本作にはステイサムが最も得意とする格闘アクションがない。いわば最大の武器を封じられた状態でのハンデ・マッチと言ってもいいだろう。

      

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