作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
『SING/シング:ネクストステージ』にみるシリーズ人気の理由 娯楽産業の抗い難い魔力
ユニバーサル・ピクチャーズ傘下のアニメ製作会社「イルミネーション」の劇場作品の一つとして多くの観客を魅了、予想を超える評価を獲得…
『親愛なる同志たちへ』に凝縮された国家と個人の戦い “ミクロな物語”を知る大切さ
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから1カ月以上が過ぎた。この間、私たちはロシアとはどういう国家なのかを改めて考えざるを得なく…
観客を魔法界に引き込むクリエーション 『ファンタビ』第1作は音楽&衣装デザインに注目
日本中が魔法にかかった『ハリー・ポッター』から20年。新たな魔法界で繰り広げられる物語が、ふたたび人々を魅了している。 『ハ…
爆発、ブチギレ、コテコテのギャグ 『アンビュランス』はマイケル・ベイ円熟期の快作だ!
走れ光速のベイやん救急車~♪ というわけで『アンビュランス』(2022年)だ。とある兄弟が銀行強盗でミスって救急車を乗っ取って、…
『私ときどきレッサーパンダ』が問いかける自分らしさ 思春期の変化には誰もが共感
ディズニープラスで配信中のアニメーション作品『私ときどきレッサーパンダ』。ディズニー&ピクサーの最新作で、監督は短編アニメーショ…
前作を越えた『SING/シング:ネクストステージ』 ファミリー層を虜にする選曲のセンス
現在公開中の『SING/シング:ネクストステージ』が好調だ。 実は筆者はあまり期待せずに一足先に試写会で鑑賞したのだが、あま…
負のグルーヴ感に満ちた150分の地獄めぐり 最後まで目が離せない『ナイトメア・アリー』
酒と泪と男と女。『ナイトメア・アリー』(2021年)は、そういう映画である。ワケあり男スタン(ブラッドリー・クーパー)は、たまた…
『ドラえもん』が映画館に帰ってきた喜び 子供も大人も虜にする作画と映像表現
今や、日本で最高峰の作画・映像表現をほこるアニメ映画の1つが『ドラえもん』シリーズだ。というと、少し驚きの声もあがるだろうか。だ…
『ザ・バットマン』176分の最大の問題点 “第2作が傑作”シリーズの伝統に続くか
さぁ、闇の騎士の帰還だ。大成功を収めたクリストファー・ノーラン版“ダークナイト3部作”以来、10年ぶりのバットマン単独作の登場だ…
『ウエスト・サイド・ストーリー』で見つめ直すアメリカ 物語本来の人種構造とその対立
スティーヴン・スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』は1961年のロバート・ワイズ監督作『ウエスト・サイド物語』のリ…
『私ときどきレッサーパンダ』は時代を変革する 映画史上に残る重要作品となった理由
ピクサー・アニメーション・スタジオから、新たに時代を変革し、後世にまで大きな影響を与えることになるだろう、アニメーション映画の名…
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』でハリーと正面対決 ドラコ・マルフォイについて考察
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』は、シリーズ最終章の入り口だ。ついに宿敵ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)を倒すための具体…
『映画ドラえもん』を初めて観た大人が感じたこと のび太やジャイアンは自分の心の中に
絶賛公開中の『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』を鑑賞した。「『ドラえもん』が何より好きだ」という息子にせがまれたか…
ブルース・ウェインの完璧な成長物語 『ザ・バットマン』は野心的かつストイックな作品に
治安最悪の街ゴッサムを、どけんかせんといかん! というわけで、若きブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)は、今日もコスチュ…
『ガンパウダー・ミルクシェイク』アクション映画大好き人間の遊び心とハードボイルド魂
ネオンきらめくクライム・シティ(※公式名称です。私が勝手につけたんじゃありません)では、今日も悪党どもがシノギを削り合う。この街…
『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』が描く平和への願い 85年版からの見事な脚色
本来であれば昨年の春休みに公開されていたはずの『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021』。春休み映画の風物詩であるこのシリー…
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は何を描こうとしたのか? 90年代的思想などから考察
スーパーマンとともに、DCコミックスを代表するヒーローであり、実写映画でも数々の人気シリーズを生み出してきた“バットマン”。近年…
宮台真司の『ニトラム』評:無差別殺戮事件の背景を神話的に描き出した稀有な作品
世界中を震撼させた無差別殺戮事件の背景を神話的に描き出した稀有な作品 〜ジャスティン・カーゼル監督『ニトラム/ NITRAM…
『ナイル殺人事件』ポアロの若い時期の描写の意味とは? 原作とは異なる改変部分を“推理”
『ベルファスト』でアカデミー賞の主要賞にノミネートされている、話題のケネス・ブラナー監督。彼が主演し、監督している新たな『名探偵…
舞台『ウエスト・サイド・ストーリー』をいかに映画に昇華? 胸が熱くなる2つのポイント
スティーヴン・スピルバーグが監督したミュージカル映画『ウエスト・サイド・ストーリー』が公開中だ。本作は1957年、レナード・バー…
「恐怖の村」シリーズで最も危険? 清水崇監督が『牛首村』で回帰した正統的なホラー表現
「牛の首」なる題名の、おそろしい怪談があり、それを聞いた者は皆間もなく死んでしまうという。しかし、その内容を知りたいと思っても、…
スピルバーグの映画的な運動への執着が生々しく刻まれた『ウエスト・サイド・ストーリー』
目の前に広がる瓦礫の山、50年代ニューヨークのマンハッタン、アッパー・ウエスト・サイドには10代の子供たちの心象風景と重なるよう…
Netflix映画『モラルセンス』が描く、受容の物語 BDSM作品としての懸命さも
突然だけど、性的嗜好って人の数だけあると思う。島倉千代子が人生も男も女もいろいろだと歌っていたが、性的嗜好もいろいろだ。それぞれ…
『リメンバー・ミー』は単調な“家族愛”の物語に収まらない 多角的に描写される“死”
ピクサー・アニメーション・スタジオによって制作された映画『リメンバー・ミー』。当時劇場に足を運んだ人の中には、マリーゴールドのよ…
いしづかあつこ監督が新作『グッバイ、ドン・グリーズ!』で描いた『よりもい』との違い
『ノーゲーム・ノーライフ』(2014年)、『宇宙よりも遠い場所』(2018年、以下『よりもい』)を手掛けたいしづかあつこ監督の初…
『アンチャーテッド』が変化を進める原動力に? ゲーム原作映画の展望を考える
ソニー・インタラクティブエンタテインメントが携わるTVゲーム作品を映像化する新事業「PlayStation Production…
『グッバイ、ドン・グリーズ!』を通して変わる世界の見え方 人生の“宝物”になる作品に
『グッバイ、ドン・グリーズ!』を観終わった後、映画館のスクリーンが大きくなった。鑑賞した自分の意識が大きく変わった実感があった。…
『悪魔のいけにえ -レザーフェイス・リターンズ-』にリアリティが生み出された背景とは?
ホラー、スプラッター映画の代表として、伝説的存在となっている『悪魔のいけにえ』(1974年)は、テキサス州の田舎を舞台に、若者た…
“やるせなさ”を体現するエル・ファニングの真骨頂 『選ばなかったみち』が映す人生の酸い
サリー・ポッター監督の綴る物語にはいつだって、少しの残酷さと諦め、そして真実が描かれている。『ジンジャーの朝 ~さよなら、わたし…
『ウエスト・サイド・ストーリー』が示したメッセージと、作品に落とされたネガティブな影
『ウエスト・サイド物語』は、ブロードウェイ・ミュージカル(1957年初演)としても、ミュージカル映画(1961年)としても、世界…
『鹿の王 ユナと約束の旅』に存在する“弱点”と“収穫” 『もののけ姫』との違いは?
庵野秀明、細田守、米林宏昌、百瀬義行、宮崎吾朗など、これまで宮崎駿監督にかかわったクリエイターたちが、長編アニメーション作品の監…
『チャーリーとチョコレート工場』に掛けられた魔法 ティム・バートン作品に共通の題材も
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『シザーハンズ』など、エキセントリックな世界観で観客を魅了し続けてきた巨匠ティム・バートン…
犯罪者の視点から監禁を描くハードなサスペンス 『マヤの秘密』は観客の内面を揺るがす
アメリカの都市の郊外に広がる静かな住宅地に住み、夫と子どもと幸せに暮らしている主婦・マヤ。その隠された秘密が暴かれることになる映…
『鹿の王 ユナと約束の旅』はアニメ史に残る一作に 息を呑むほどの動物表現に注目
アニメの面白さとは何か。もちろん、その答えを一言で表すことはできない。迫力のある映像、愛すべき少年少女やそれを支える大人たちのキ…
『ゴーストバスターズ/アフターライフ』と2016年のリブート版を比較考察
1984年に公開されるや世界中で大ヒット、日本でも定番のハリウッド娯楽作として、長きにわたって愛されてきた『ゴーストバスターズ』…