作品評の記事一覧

(2326件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『エターナルズ』は観る者を試す

『エターナルズ』は観る者を試す 観客の手に委ねられたヒーローたちの希望

ヴェネチア国際映画祭最高賞を受賞し、アカデミー賞で作品賞、監督賞を含む主要3部門を獲得するなど、世界を席巻した『ノマドランド』。…

『ロン 僕のポンコツ・ボット』の問題提起

デジタル世代が直面する問題を描く 『ロン 僕のポンコツ・ボット』が示す未来への活路

イギリス発、気鋭のCGアニメーションスタジオ「ロックスミス・アニメーション」の初劇場作品『ロン 僕のポンコツ・ボット』が公開され…

『CUBE』をオリジナル版と比較考察

日本版『CUBE』とオリジナル版『キューブ』を比較考察 見えてくる日本映画の課題

1997年に公開されて以来、世界でカルト的な人気を誇る、ソリッドシチュエーション・スリラー映画『キューブ』。立方体のかたちの部屋…

『007/NTTD』が荒唐無稽なワケ

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は遊び心満載? 作り手の自由度が高める映画の魅力

15年ほど前、『007 カジノ・ロワイヤル』でダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドを初めて観たとき、物心のついた段階ですでにジ…

『アワー・フレンド』にみる深い友愛の可能性

極めて良質なアメリカ映画 『Our Friend/アワー・フレンド』に感じた深い友愛の可能性

まずは『Our Friend/アワー・フレンド』というタイトルに、どこか優しく、同時に原型的な匂いがする。「私たち」の友達(単数…

『007/NTTD』を3つの視点から考察

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を3つの視点から考察 ボンドの運命にみる神話の終焉

『007』シリーズの最新作にして、ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンド映画の最終作となった『007/ノー・タイム・トゥ・…

『スターダスト』が提示した新たなボウイ像

『スターダスト』が掲示した新たなデヴィッド・ボウイ像 1人の若者が“異星人”になるまで

イギリスの音楽誌『NME』に「史上最も影響力のあるアーティスト」に選ばれたデヴィッド・ボウイは、様々なカルチャーから常に影響を受…

シリーズの真髄への回帰と丁寧な構築

『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』真髄への回帰 丁寧に構築された恐怖と愛の物語に満足

私たちの『死霊館』が戻ってきた。ホラー映画界で最も愛されているパワーカップルのウォーレン夫妻が、再び実話に基づいたケースに挑む『…

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』を解説

スピルバーグの演出から思想まで 『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の見どころを解説

スティーヴン・スピルバーグ監督、ハリソン・フォードそれぞれの代表作ともいえるアドベンチャー大作シリーズ、『インディ・ジョーンズ』…

『恐るべき子供たち』の真の価値

コクトー×メルヴィルの傑作が4Kリマスター版で蘇る 『恐るべき子供たち』の真の価値とは

映画発祥の国フランスで、1950年代の終わりに起こった、映画芸術の新たな潮流「ヌーヴェル・ヴァーグ」。その映画史的革命の10年ほ…

『ケイト』にみる米映画の日本文化の描き方

クラシカルな性質を持った娯楽映画『ケイト』 アメリカ映画における日本文化の描き方を考察

東京を舞台に、日本のヤクザと外国出身の暗殺者ケイトとの戦いを描く、Netflix配信のアクション作品『ケイト』。アメリカ映画であ…

ワクワクでグロい!『魔宮の伝説』の魅力

トラウマシーンもいっぱい 『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』はグロくてワクワク

冒険活劇といえば『インディ・ジョーンズ』。顔がハリソン・フォードという超ハンサムで文武両道のセクシー考古学者、インディアナ・ジョ…

『レミニセンス』が内包する多層性と哲学性

SF映画ではなくフィルム・ノワール? 『レミニセンス』が内包する多層性と哲学性

大ヒットしたTVドラマ『ウエストワールド』の脚本家であり、製作総指揮を務めたジョナサン・ノーラン。そして同じく製作総指揮と、エピ…

マルコムXとモハメド・アリの友情の行方

マルコムXとモハメド・アリの友情の行方 『ブラッド・ブラザーズ』が映し出す意外な真実

統一世界ヘビー級チャンピオンとして君臨したボクサー、モハメド・アリ。人権活動家、宗教家として活動し、道半ばで命を落としたマルコム…

映画製作者から評価される続編の真価

『ロスト・ワールド』は本当に“駄作”なのか フィルムメーカーから愛される理由とその真価

9月17日に『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送される『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』。何を隠そう、人気シリーズ…

『シャン・チー』成功の理由を分析

『シャン・チー』はなぜ想像以上の成功を収めたのか 哲学的な要素と多様性のメッセージ

マーベル・スタジオの新たなヒーロー映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』が、とくにアメリカで、当初の予想を超えるヒットを記録…

香港映画マインドに溢れた『シャン・チー』

香港映画マインドに溢れた『シャン・チー』 功夫映画的な物語構造と成長譚としての魅力

何千年も前から存在し、歴史を影から操っていた悪の組織「テン・リングス」の首領・シュー・ウェンウー(トニー・レオン)は、妻を亡くし…

『スイング・ステート』を宇野維正がレビュー

誰もが楽しめる知的な政治風刺劇 『スイング・ステート』のコメディ作品としての魅力

2020年はアメリカ映画にとってどんな年だったか? まずは、言うまでもなくパンデミックが広がった3月以降に公開が予定されていた作…

『ドライブ・マイ・カー』脚本の魅力を解説

『ドライブ・マイ・カー』脚本の魅力を徹底解説 “解釈の遅延”という発想とジャンルの横断

最近の濱口竜介監督の勢いが凄まじい。脚本を連名で手がけた『スパイの妻』(2020年)が、ヴェネチア国際映画祭で黒沢清監督に銀獅子…