映画館でブロードウェイミュージカルを楽しめる! 夢心地間違いなしの『ホリデイ・イン』

『ホリデイ・イン』は夢心地間違いなし

 芸術の秋に、ブロードウェイの傑作ミュージカルを楽しみたくはないだろうか。華やかな衣装、煌びやかなセット、そして透き通る歌声、そんなブロードウェイの興奮を体験できるプログラム『松竹ブロードウェイシネマ』が2019年4月から本格的にスタートした。

 この日本映画史上初の取り組みでは、国内にいながらにしてオンライン、映画館の2つの方法で海外の名作たちを楽しむことができる。その中から今回、天才音楽家アーヴィング・バーリンが楽曲を手がけ、第71回トニー賞にもノミネートされたミュージカル『ホリデイ・イン』を映画館のスクリーンにて鑑賞する機会を得たので、その魅力を深掘りしていきたい。

 『ホリデイ・イン』は1942年の大ヒットミュージカル映画 『スイング・ホテル』を舞台化した作品だ。物語は、舞台俳優のジムがアメリカのショービジネスを引退し、コネチカット州の農場に移住を決意するところからはじまる。しかしジムの交際相手のライラは刺激的なエンターテインメントの世界を諦めきれず、ジムの友人のテッドとダンスパートナーとなり、ショービズ界で売れていく。

 その頃、1人移住したジムは農場の元オーナーの娘であるリンダと出会う。これをきっかけにジムは農場をホテルに改築し、祝い事の度にショーを披露することにした。そしてジムとリンダには特別な感情が芽生えるのだった。

 愛と音楽が溢れるカラフルな空間はまるで現地の劇場にいるかのような臨場感に包まれ、気づけば『ホリデイ・イン』の世界に没入していた。様々な角度からスクリーンに映像が映し出されることで、実際の劇場に足を運んだかのような感覚で細部の景色まで楽しむことができる。目の前に広がる光景は舞台上に留まらずオーケストラにまで及んでおり、アップになった指揮者の表情や楽器を吹く姿からは、生き生きとした音の粒が目に見えるかのような興奮を感じ取ることができた。

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