『コンフィデンスマンJP』なぜ人気シリーズに? ロマンス編ではジェシーの存在感を再確認
「やられた……!」と毎回思っている気がする。騙されると分かっているのに、騙されてしまうのが、『コンフィデンスマンJP』シリーズなのだ。二転三転する壮絶な騙し合いに、度肝を抜くトリック。こちらの考察をはるかに超えてくる展開に、ついくぎづけになってしまう。
本シリーズは、2018年放送の連続ドラマから始まった。信用詐欺師のダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の3人がチームを組み、オサカナ(=ターゲット)から、ばく大な財産を騙し取っていく……。その、爽快感たるや。ターゲットになるのが、ただの富豪ではなく、弱者に不利益をもたらす悪徳な金の亡者というのも、スカッとするポイントだった。また、オサカナが生息しているのが、華やかな舞台であることもあり、現実離れした世界観を楽しめるのも良い。こんな時代だからこそ、改めて観返したくなる作品だ。
さらに、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人の関係性も、美しい。「仲間でも家族でもない。自分が助かることだけを考える」をモットーに掲げながらも、結局は助け合う。“腐れ縁”というのが正しいだろうか。小心者のボクちゃんは、オサカナを釣り上げるたびに、「君たちとはこれっきりだ! この仕事から足を洗う!」と仲間から抜けようとするが、必ずダー子の元に戻ってくる。冗談を言い合いながらも、絶対に切れることがない絆が、3人の間にはあるのだ。そんな関係性が、時に羨ましくなったりもする。
最終回のストーリーが、第1話よりも前の出来事だった……と、最後までトリックを仕掛けてきた連続ドラマ版。その後は、SPドラマ『コンフィデンスマンJP 運勢編』(フジテレビ系)が放送。2度の映画化を経て、1月14日には映画第3作『コンフィデンスマンJP 英雄編』が公開される。そして、1月8日放送の『土曜プレミアム』(フジテレビ系)では、映画公開を記念して、『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2020年)が戻ってくることになった。同作の鍵を握るのが、三浦春馬さん演じる天才的な恋愛詐欺師・ジェシーである。もしかすると彼は、怖いものなしなダー子をドギマギさせられる唯一の男なのではないだろうか。
脚本を担当した古沢良太氏は、ダー子とジェシーの関係について、「二人とも詐欺師なので普通の恋愛は超越していて、僕らが考えている恋愛とは違う関係の愛情をお互い持っていると思います。でも、ジェシーはダー子にコケにされたと思ってるところはあるでしょうね。ジェシーは本気で愛してたのではないでしょうか」( 参照:【ネタバレあり】古沢良太が語る『コンフィデンスマンJP』の裏側 「都合の良い嘘の方を人は信じる」)と語っている。