作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
映画館にも“人格”は宿るのか? 映画館支配人が『もしも建物が話せたら』を観る
映画館で映画を見ることの意義は ロシア国立図書館 映画ファンにとって身近な建物と言えば、なんといっても映画館であろう。自宅でも…
監督&主演ニール・ヤング! DEVOが原発作業員! 『ヒューマン・ハイウェイ』のヤバさについて
日本ではあまり一般的には知られていないかもしれないが、ニール・ヤングほどテクノロジーの進化に対して強い関心を持っているミュージシ…
超問題作『懲罰大陸★USA』の衝撃 70年代モキュメンタリーの特異性に迫る
映画には「モキュメンタリー」と呼ばれる手法がある。端的に言うならば、ドキュメンタリー形式でフィクションを描く手法だ。「失踪した若…
なぜ人々は“火星に取り残された男”を見捨てなかったのか 『オデッセイ』が描くアメリカ映画の精神
三歳の少女が、姉たちと遊んでいるときに、誤って古井戸の底に転落してしまった。救助作業は、地面を掘削する大掛かりなものとなり、およ…
女性同士の恋愛と自立を描く『キャロル』の、“赤色”に込められた深い意味
パトリシア・ハイスミス原作の映画となると、やはり真っ先に想起するのはルネ・クレマンの『太陽がいっぱい』である。かつて映画評論家の…
蛭子能収、なぜいま人生最大のブレイク期に? 映画版『ローカル路線バス~』から考える
漫画家/タレント・蛭子能収が人気だ。テレビのバラエティ番組で見ない日はないと言っていいくらい人気だ。というか昨今、その著作物も、…
自分と異なる他者を受け入れることはできるのか 『ディーパンの闘い』が描く難民問題と家族愛
数々の話題作を抑え、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した、ジャック・オディアール監督の最新作である。BBCドキュメ…
ジャッキー・チェンの凄味はアクションだけじゃない! 『ドラゴン・ブレイド』で見せたフィルムメイカーの手腕
コミカルな作風とカンフーを組みあわせた演出、想像を絶する命がけのスタント、身の周りのモノを使った斬新な殺陣……ジャッキー・チェン…
シュワルツェネッガー史上最大の珍作! “戦わない”ゾンビ映画『マギー』が制作された背景とは
珍作の誕生である。本作を観て激しく動揺した。自分が今の今までこの映画の存在を知らなかった無知さ加減にも驚いたが、いやそれ以上に我…
ジョニー・デップはなぜ醜悪な犯罪者を演じる必要があったのか?
30年間にわたり特定の犯罪組織と裏でつながって協力し合っていたという、アメリカ連邦捜査局(FBI)史上最大の不祥事。実際に起きた…
映画の“高所恐怖”表現はどう進化したか? 『ロイドの要心無用』から『ザ・ウォーク』への系譜
1974年、ニューヨークに完成して間もないワールドトレードセンターに忍び込み、このツインタワーの屋上の間に張ったワイヤーの上を、…
クレジットされないもうひとりの主人公ーー『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』が名作たる理由
いぶし銀の熟年ドラマ? いえいえ、大御所ふたりが最高に粋でお洒落な名作なんです! (c)2014 Life Itself, L…
森田芳光監督への愛に溢れた『の・ようなもの のようなもの』 落語の世界の描き方から考察
ふと入った居酒屋で「何かすぐにできるものはありますか?」と客が尋ねたところ、「そうですね、サラダやフライドポテトみたいなものであ…
ロン・ハワード監督が豪快な演出で描き切る、人間の飽くなき強欲と無力
復讐に燃える狂気の捕鯨船長エイハブと、彼の片足を奪った巨大な白い鯨・モビー・ディックとの壮絶な死闘を描いた、作家ハーマン・メルヴ…
これぞ医療の観点で見つめた世界史ーー『千年医師物語』は知的興奮に満ちた快作だ
中世のヨーロッパでは理髪師が外科医の仕事も兼ねていたーー。確かに、そんなトリビアはどこかで耳にした記憶がある。しかしそれを具現化…
単なるおバカ映画ではない!? マリファナ好き最強エージェントの恋物語『エージェント・ウルトラ』の革新性
アメリカ郊外の町、取り残されたように佇むコンビニ、そこで働く主人公マイク・ハウエル(ジェシー・アイゼンバーグ)は堕落的な人生を送…
『最愛の子』が浮き彫りにする児童誘拐の闇ーー女優・大塚シノブが中国社会派映画の背景を読み解く
中国で実際に起こった児童誘拐事件を元に描かれた映画『最愛の子』が、1月16日より公開されている。主演を務めたヴィッキー・チャオと…
スピルバーグ監督の新たな到達点 『ブリッジ・オブ・スパイ』に宿る信念を読む
『M:I-5』や『007 スペクター』、『キングスマン』に『コードネーム U.N.C.L.E.』と、最近になって、イギリスやアメ…
検閲ギリギリのラインを攻める!? 中国共産党バトルエンタテインメント『タイガー・マウンテン』
中国の映画市場は、2017年には北米を超え世界第1位になるといわれている。この巨大なマーケットを狙い『アイアンマン3』などハリウ…
視覚効果から見る『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』 4DXなどの新規格には向いているか?
ジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』Star Warsシリーズ(77~83、99~05年)の十年ぶりの最新作であるJ・J・エ…
進化した怪獣映画『モンスターズ/新種襲来』は戦争の真実に迫る
ギャレス・エドワーズ監督は、いま最も注目されている映画監督のひとりだ。2014年のハリウッド大作『GODZILLA ゴジラ』を成…
2016年最初の大傑作! ホラー新時代到来を告げる『イット・フォローズ』を激推し!
デトロイト郊外の寂れた住宅街の道路をシンメトリカルに捉えた遠景ショット。鉛のように重たい空の色。風に揺れる電線。そんな寒々とした…
スーパーヒーローをリアルに描くと……? 『デアデビル』が見せる濃密なクライムドラマ
すでに熱狂的人気で迎えられているNetflixオリジナルドラマ『デアデビル』は同名のコミックを原作とするマーベルヒーローシリーズ…
『クリムゾン・ピーク』がホラー映画と断言できない理由 ギレルモ監督の作家性から読み解く
「幽霊は実在する」という語りから幕を開けるギレルモ・デル・トロの『クリムゾン・ピーク』は、彼の十八番であるダークサイド映画の極地…