作品評の記事一覧

(2749件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

川口敦子の『ミューズ・アカデミー』評

川口敦子の『ミューズ・アカデミー』評:ホセ・ルイス・ゲリンと濱口竜介がみつめる現代映画の焦点

『シルビアのいる街で』で注目したい現代監督の最前線に躍り出たスペインの気鋭ホセ・ルイス・ゲリン。その新作『ミューズ・アカデミー』…

ディズニー、なぜ過去の名作を実写リメイク?

ディズニー、なぜ過去の名作を実写リメイク? 『ピートと秘密の友達』が描き直す“人情”の物語

ボロ泣きである。ひとことで「泣ける映画」などというと、ありきたりな描写と演出の、つまらない作品が思い出される。「涙を搾り取れれば…

映画とは“窓越しの覗き見”である

映画とは“窓越しの覗き見”であるーー『皆さま、ごきげんよう』『パリ、恋人たちの影』の構図を考察

数多くの映画監督が窓を繰り返し描いてきた。ジャン・ルノワールは『牝犬』(1931)や『素晴らしき放浪者』(1932)、『ピクニッ…

サエキけんぞうの『ローグ・ワン』評

『スター・ウォーズ』公開40年、アメリカはどう変化した? サエキけんぞうの『ローグ・ワン』評

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で「お?スター・ウォーズ、大人が見ても…

加村真美ら『咲-Saki-』ライバル校の面々

加村真美、菊地麻衣、永尾まりや……『咲-Saki-』ライバル校で注目すべき若手女優たち

連続ドラマからスペシャルドラマ、そして映画へと進んでいくこの『咲-Saki-』実写化プロジェクト。全4回に渡った連続ドラマでは、…

荻野洋一の『ローグ・ワン』評

『ローグ・ワン』が描く、無名者たちの墓碑銘ーー原題に込められた意味を読む

『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』は、同シリーズ初の外伝だが、意外なほどにカノン(正伝)寄りの物語を持っている。「エ…

小松菜奈、観客が恋に落ちるヒロインに

小松菜奈に観客が恋に落ちる理由 女優の魅力を増幅させる『ぼく明日』三木孝浩監督の技術

ここのところ漫画原作の映画が頻発していたためか、「100万部を超えるベストセラー小説の映画化」というキャッチコピーとともに、この…

小野寺系の『ローグ・ワン』評

名も無き英雄たちは何を訴えかける? 『ローグ・ワン』 に引き継がれた「スター・ウォーズ」の魂

映画史のみならず、世界のポップカルチャーに大きな影響を与えたシリーズの原点『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』。ディ…

遠山武志の「2016年 年間ベスト映画TOP10」

年末企画:遠山武志の「2016年 年間ベスト映画TOP10」

リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2016年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマの三…

蒼井優と高畑充希が見せる圧巻の演技

蒼井優と高畑充希、圧巻の演技で示す女性像 『アズミ・ハルコは行方不明』に漂う美しさと虚しさ

現在公開中の映画『アズミ・ハルコは行方不明』は、とある地方都市に住む若者たちの物語である。山内マリコの同名小説を原作に、主演の蒼…

『ドント・ブリーズ』はなぜ新感覚?

“殺人お爺ちゃん”が迫り来る恐怖ーー『ドント・ブリーズ』斬新なスリラー演出はどこから生まれた?

12月16日公開の『ドント・ブリーズ』は、わずか10億円で製作され、世界で興行収入約160億円を売り上げたホラー映画だ。『ブレア…

荻野洋一の『ヒッチコック/トリュフォー』評

荻野洋一の『ヒッチコック/トリュフォー』評:作家主義への誇りを再確認させるドキュメンタリー

「映画は芸術ではなく、娯楽である」というのは、よく言われる主張だ。芸術愛好のいやみを否定し、映画が庶民のものであるという高らかな…

サエキけんぞうの『マダム・フローレンス』評

サエキけんぞうの『マダム・フローレンス!』評:悲劇と喜劇にまみれた史実の映画化

事実についてまず考えよう。本当に起こったらしいことについて映画がどういう解釈をするか? そこが問題だ。『マダム・フローレンス!夢…

『疾風ロンド』阿部寛の演技が意味するもの

阿部寛、東野圭吾のユーモアをどう表現した? 『疾風ロンド』が描く、大人の“上滑り”

大人になると妙な方向に力みすぎて、つい間違ったことをしてしまう。ものごとをかっこよくこなしてみせようとしたり、人に自分の弱い部分…

松江哲明の『ヒッチコック/トリュフォー』評

松江哲明の『ヒッチコック/トリュフォー』評:ヒッチコック映画の魅力伝える“友情物語”

『定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー』  子どものころ、図書館の映画コーナーにある一番目立っていた大きい本、それが196…

『ファンタビ』魔法のインフレを考える

『ファンタビ』の魔法使いは強すぎる!? ダースレイダーが“魔法のあり方”を考える

『ハリー・ポッター』シリーズのファンであれば待望の、そして長大なシリーズに途中参加する機会がなかなか見つけられなかった人には格好…

『マダム・フローレンス!』演技の深淵

音痴歌手が人気者になるのは美談なのか? 『マダム・フローレンス!』が突きつける、現実の二面性

笑っていいのか、泣いていいのか。彼女が善か悪かすらも分からない。外れた音程で誇らしく歌い続けるひとりの女性の偉容に、我々観客はた…

大塚シノブの『アズミ・ハルコは行方不明』評

『アズミ・ハルコは行方不明』が切り取る、現代社会の混沌と優しさ 女優・大塚シノブがレビュー

連日のように起こる凶悪な事件。怒り、恨み、冗談半分。犯罪の闇はどこから来るものか分からない。例えば地震にかこつけて人を惑わせるよ…

『五日物語』特異なテーマを考察

イタリアの鬼才が放つ、リアルなおとぎ話ーー『五日物語』の特異なタッチが伝えるもの

ロッセリーニ、ヴィスコンティ、デ・シーカ、フェリーニ……。イタリア映画史を織りなしてきた「巨匠」の名は枚挙にいとまがないが、その…

相田冬二の『いたくても いたくても』評

相田冬二の『いたくても いたくても』評:通販、プロレス、恋愛……3つの本気が溶け合う“旨い”映画

これは日本に限らず世界的な傾向なのだが、キャリアの浅い監督たちに野心というものが決定的に欠けている。どうやら、あらかじめ周到に用…

台湾メガヒット『私の少女時代-OUR TIMES-』評

青春はアンディ・ラウとともにーー台湾メガヒット映画『私の少女時代』のノスタルジー

00年代の半ば頃から台湾映画界は驚異の復活を遂げてきた。『海角七号 君想う、国境の南』(08)、『モンガに散る』(10)、『セデ…

『この世界の片隅に』はなぜ支持されるのか?

『この世界の片隅に』は難しいテーマをどう伝えたか アニメだからこそ成立した「柔らかさ」と「深さ」

若手の脚本家・演出家として活躍する登米裕一が、気になる俳優やドラマ・映画について日常的な視点から考察する連載企画。第14回は、の…

社会派ファンタジーとしての『ファンタビ』

『ファンタビ』には“トランプ批判”が込められている? 社会派ファンタジーとしての側面を読む

ドナルド・トランプ大統領選勝利の報はアメリカのみならず、世界中の多くの人々に衝撃を与えた。このトランプ氏に対する、国内外でくすぶ…

荻野洋一の『母の残像』評

荻野洋一の『母の残像』評:“2016年路地裏の映画史”ラストを飾る、〈母の死〉から始まる物語

2016年の映画界は、〈母の死〉でいったん終わり、〈母の死〉から何かがまた始まそうとしている。  『シン・ゴジラ』や『君の名は。…

小野寺系の『聖の青春』評

松山ケンイチ、体重20kg増で挑んだ渾身の演技 『聖の青春』は“生き方”を問う

松山ケンイチが体重を20kg大増量し、29歳の若さで亡くなったプロ棋士・村山聖(むらやま・さとし)を演じる。そう聞いたときに心躍…

サエキけんぞうの『エブリバディ〜』評

サエキけんぞうの『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』評:SNS時代に提示される、80年代青春群像

「(映画の中の登場人物)みんなが欲してるのは、セックスや成功だけじゃない。僕たちも欲しているもの、時間だ」  ニューヨークの雑誌…