作品評の記事一覧

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公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『マダム・フローレンス!』演技の深淵

音痴歌手が人気者になるのは美談なのか? 『マダム・フローレンス!』が突きつける、現実の二面性

笑っていいのか、泣いていいのか。彼女が善か悪かすらも分からない。外れた音程で誇らしく歌い続けるひとりの女性の偉容に、我々観客はた…

大塚シノブの『アズミ・ハルコは行方不明』評

『アズミ・ハルコは行方不明』が切り取る、現代社会の混沌と優しさ 女優・大塚シノブがレビュー

連日のように起こる凶悪な事件。怒り、恨み、冗談半分。犯罪の闇はどこから来るものか分からない。例えば地震にかこつけて人を惑わせるよ…

『五日物語』特異なテーマを考察

イタリアの鬼才が放つ、リアルなおとぎ話ーー『五日物語』の特異なタッチが伝えるもの

ロッセリーニ、ヴィスコンティ、デ・シーカ、フェリーニ……。イタリア映画史を織りなしてきた「巨匠」の名は枚挙にいとまがないが、その…

相田冬二の『いたくても いたくても』評

相田冬二の『いたくても いたくても』評:通販、プロレス、恋愛……3つの本気が溶け合う“旨い”映画

これは日本に限らず世界的な傾向なのだが、キャリアの浅い監督たちに野心というものが決定的に欠けている。どうやら、あらかじめ周到に用…

台湾メガヒット『私の少女時代-OUR TIMES-』評

青春はアンディ・ラウとともにーー台湾メガヒット映画『私の少女時代』のノスタルジー

00年代の半ば頃から台湾映画界は驚異の復活を遂げてきた。『海角七号 君想う、国境の南』(08)、『モンガに散る』(10)、『セデ…

『この世界の片隅に』はなぜ支持されるのか?

『この世界の片隅に』は難しいテーマをどう伝えたか アニメだからこそ成立した「柔らかさ」と「深さ」

若手の脚本家・演出家として活躍する登米裕一が、気になる俳優やドラマ・映画について日常的な視点から考察する連載企画。第14回は、の…

社会派ファンタジーとしての『ファンタビ』

『ファンタビ』には“トランプ批判”が込められている? 社会派ファンタジーとしての側面を読む

ドナルド・トランプ大統領選勝利の報はアメリカのみならず、世界中の多くの人々に衝撃を与えた。このトランプ氏に対する、国内外でくすぶ…

荻野洋一の『母の残像』評

荻野洋一の『母の残像』評:“2016年路地裏の映画史”ラストを飾る、〈母の死〉から始まる物語

2016年の映画界は、〈母の死〉でいったん終わり、〈母の死〉から何かがまた始まそうとしている。  『シン・ゴジラ』や『君の名は。…

小野寺系の『聖の青春』評

松山ケンイチ、体重20kg増で挑んだ渾身の演技 『聖の青春』は“生き方”を問う

松山ケンイチが体重を20kg大増量し、29歳の若さで亡くなったプロ棋士・村山聖(むらやま・さとし)を演じる。そう聞いたときに心躍…

サエキけんぞうの『エブリバディ〜』評

サエキけんぞうの『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』評:SNS時代に提示される、80年代青春群像

「(映画の中の登場人物)みんなが欲してるのは、セックスや成功だけじゃない。僕たちも欲しているもの、時間だ」  ニューヨークの雑誌…

K・スペイシー、主演最新作“猫演技”の凄み

オスカー俳優ケヴィン・スペイシー、『メン・イン・キャット』で見せた渾身の“猫演技”

ここ数年、国内では『猫侍』『先生と迷い猫』『猫なんかよんでもこない。』『世界から猫が消えたなら』『ルドルフとイッパイアッテナ』な…

菊地成孔の『ぼくのおじさん』評

菊地成孔の『ぼくのおじさん』評:出演者全員が新境地を見せる、のほほんとした反骨映画

「作家」と「職人」(今は誰だ?定義は?)  この、恐らく邦画界では60年代あたりに一般化し、その後の紆余曲折を経て、一度は廃れ…

『世界の果てまでヒャッハー!』独特な語り口

コメディに『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』方式を応用!? 『世界の果てまでヒャッハー!』の衝撃

映画にとって“語り口”は生命線ともいうべきものだ。どんなに魅力的なストーリー、キャラクター、豪華絢爛なセット、仰天のクライマック…

『この世界の片隅に』が観客のこころをえぐる理由

『この世界の片隅に』が観客の心を揺さぶる理由 「感動」の先にあるテーマとは

『この世界の片隅に』を観た人たちが異口同音に「これはすごい、観た方がいい」と周囲に薦めている。公開館数が比較的少ないため、超大ヒ…

モルモット吉田の『溺れるナイフ』評

モルモット吉田の『溺れるナイフ』評:菅田将暉によって、山戸映画の男が血肉通った存在になった

神代や相米の映画みたい 純子「そうでっか! あんた、うちを殺さはるんですか!? うちに死ね言わはるんですな!」  そこに川がある…

松江哲明の『この世界の片隅に』評

松江哲明の『この世界の片隅に』評:いま生きている現実と地続きで戦争をイメージできる傑作

この声以外はありえないというほど、のんがハマっている  『この世界の片隅に』は、主人公・すずさんの子ども時代から物語がスタートし…

荻野洋一の『続・深夜食堂』評

荻野洋一の『続・深夜食堂』評:あまりにもさりげなく提示される食、生、そして死

まずは東京・中央区の築地という土地を歩いてみよう。江東区の豊洲新市場における「盛り土」問題、汚染物質検出によって、あいまいなうち…

トム・クルーズのキャリアを読み解く

トム・クルーズは移ろいの時を迎えている 新作『ジャック・リーチャー』に見る人生の重み

誰もが彼のことを完璧主義者だと口にする。いまや多くの主演作でプロデューサーも兼任するトム・クルーズは、19歳でスクリーン・デビュ…

ダースレイダーの『インフェルノ』評

知的エンターテイメント『インフェルノ』を楽しみ尽くすために ダースレイダーが解説

僕の個人的な映画鑑賞スタンスはなるべく前知識を入れず、監督もキャストもなるべく知らずに出来れば予告編も観ないで臨むことなのですが…

『深夜食堂』は世界中の夜の人々を呼び寄せる

『深夜食堂』は世界中の夜の人々を呼び寄せるーー回を重ねるごとに魅力増す“新生日本映画”

ドラマと劇場版の『深夜食堂』の映像、美術と撮影と役者たちによって現れるあの場を見るとき、私はいくつかのものを連想する。  エドワ…

モルモット吉田の『テラスにて』評

モルモット吉田の『At the terrace テラスにて』評:多くの観客に観てほしい極上の喜劇

今、取るものもとりあえず映画館へ走っても損はさせないと責任を持って請け負えるのは、『この世界の片隅に』と『エブリバディ・ウォンツ…

小野寺系『デスノート Light up the NEW world』評

『デスノートLNW』なぜ賛否両論に? 前作から10年、再映画化された意味を探る

名前を書いた人間を殺すことができる死神のノート、「デスノート」を使って悪人を裁き、「新世界の神」を自称する殺人者と、あらゆる事件…

松江哲明の『ぼくのおじさん』評

松江哲明の『ぼくのおじさん』評:松田龍平の“おじさん”は現代のアウトロー像

おじさんは東映映画の系譜に連なる“アウトロー”  僕はこの作品が“東映”映画なのが非常に面白いと思いました。古くは『日本侠客伝…

モルモット吉田の『何者』評

モルモット吉田の『何者』評:演劇出身監督は“SNS”をどう映画に活用したか?

現実をできるだけ忠実に再現した内容の映画でも、誇張やウソは混じる。例えば玄関や自転車の鍵をかけなかったり、携帯電話はいつも音が鳴…

荻野洋一の『ダゲレオタイプの女』評

黒沢清はイメージの狂気の中を彷徨っている 荻野洋一の『ダゲレオタイプの女』評

黒沢清がフランス映画デビューした。この事実に驚く人間は、この世界中で誰ひとりとしていまい。もはや国際的名匠の仲間入りをしている黒…

『淵に立つ』が描く人間のおそろしさと希望

“家族のつながり”の危うさが浮き彫りに 『淵に立つ』がもたらす、異常な緊張感の正体

大人しいと思っていた人間が突然キレたり、清廉潔白に見える人間が欲望をむき出しにしたりと、ある人間が今までと全く違う顔を見せる瞬間…