作品評の記事一覧

(2489件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

小野寺系『レヴェナント:蘇えりし者』評

『レヴェナント』復讐の旅の果てにあるものーー過酷な大自然の中に描かれた人間の内面世界

アメリカ西部開拓時代、ヨーロッパからの入植者によって未だ征服されていない北西部の奥地に踏み込む狩猟団のなかに、伝説となった実在の…

社会派映画としての『スポットライト』

『スポットライト』、社会派映画としての価値ーーあまりにも大きな“悪”をどう描いたか

史上空前の混戦と言われた第88回アカデミー賞で、作品賞と脚本賞に輝いたのがこの『スポットライト 世紀のスクープ』だ。作品賞受賞作…

森直人の『レヴェナント』評

森直人の『レヴェナント:蘇えりし者』評:イニャリトゥ監督による、ハリウッド大作への真っ向勝負

お話はシンプルな復讐劇だ。仕掛けも簡素。しかし熱量はメガトン級で、ボリュームたっぷりの映画体験を提供してくれる。19世紀の雪に覆…

『ハウス・オブ・カード』の“悪の魅力”

視聴者はいつしか共犯者の心理にーー『ハウス・オブ・カード』の“悪の魅力”

Netflixが制作し、いまでは映画界の巨匠となったデヴィッド・フィンチャー監督と、本作でのびのびと悪の主人公を演じるケヴィン・…

ISHIYA『サンセット・ストリップ』評

“ロックの聖地”が伝える、アメリカ文化の精神ーーISHIYAの『サンセット・ストリップ』評

いわゆるアメリカンドリームを成し遂げた人間が集まる場所。それが本作『サンセット・ストリップ ロックンロールの生誕地』の舞台である…

『ハウス・オブ・カード』の画期性について

デヴィッド・フィンチャーのターニングポイント、『ハウス・オブ・カード』の画期性について

この春、Netflixが最新のシーズン4世界同時配信を含め、全シーズンの配信をスタートさせたデヴィッド・フィンチャー製作総指揮、…

『獣は月夜に〜』が描く少女の性と死

少女が狼女に“変身”する意味とはーー『獣は月夜に夢を見る』が紡ぐ上質なノルディック・ノワール

デンマーク出身のヨナス・アレクサンダー・アーンビーによる初長編監督作『獣は月夜に夢を見る』は、2014年度のカンヌ国際映画祭批評…

『ルーム』が描く普遍的な親子愛

母子の拉致監禁を題材にした『ルーム』が共感を呼ぶ理由ーー“母親たちの物語”として観る

現在公開中の『ルーム』は、ある日突然拉致・監禁された女性が、犯人との間に生まれた子どもと共に脱出を目指すショッキングな設定の物語…

『グランドフィナーレ』が描く“老い”の境地

映像の魔術師が『グランドフィナーレ』で描く、甘く切ない“老い”の境地

いつしか誰もが彼のことを“現代のフェリーニ”と呼ぶようになった。なるほど、確かにパオロ・ソレンティーノの描く映画は人生を俯瞰した…

『ボーダーライン』に隠された真のテーマ

なぜ彼らは残虐行為ができるのか? メキシコ犯罪組織との戦い描く『ボーダーライン』が問うもの

FBIが指揮する武装チームが誘拐団のアジトに踏み込むと、そこは壁一面に大量の被害者の腐乱死体がびっしりと塗り固められた「死の家」…

S・ランプリングが持つ神秘性

『さざなみ』はなぜ心理ドラマの傑作となり得たか? 女優シャーロット・ランプリングの“魔力”

この世には、女優シャーロット・ランプリングがいなければ成立しない映画というものがある。彼女にベルリン国際映画祭女優賞を渡し、初の…

『孤独のススメ』が語りかける普遍的テーマ

人間は“孤独”とどう向き合うべきなのか 『孤独のススメ』が投げかける普遍的なテーマ

孤独は誰の人生にとっても大きなテーマだろう。文学でも映画でも繰り返し登場するテーマでもある。人は孤独から逃れることはできない。孤…

7年間“監禁”された少年の成長物語

生まれてから7年間“監禁”されていた少年は、世界とどう向き合うのかーー『ルーム』が描く成長物語

同じベッドで眠っていた母親と子供が目を覚ますと、いつもと同じ朝が始まる。歯磨きをし、軽い運動をし、子供は部屋中の物に朝の挨拶をす…

『サンダーボルト』が描く戦争のリアル

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』はヒーロー不在の異色作? 血生臭い描写が示す戦争のリアル

1979年にファーストガンダムが放送されて以来、一貫してSF世界を舞台に戦争を描き続けているが、これだけ長く続くシリーズの題材が…

『バットマンvsスーパーマン』なぜ賛否両論?

『バットマン vs スーパーマン』賛否両論を巻き起こした要因は? DCコミックスの狙いと裏テーマを考察

最大の人気を誇るアメコミヒーロー、スーパーマンとバットマン。彼らがとうとう対峙し、拳を交える。アメコミ映画ファンならずとも興味を…