作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
王道回帰にして、それ以上! 『007 スペクター』でメンデスが示した英国人監督の矜持
10月29日木曜日、英国ロイヤル・アルバート・ホールで行われたワールド・プレミア(『007』シリーズは伝統的にまず英国で公開され…
『マジック・マイク XXL』が提示する、これからの時代の“マッチョ”像
超マッチョな肉体とあどけない表情が魅力のハンサム・ガイ、チャニング・テイタムを始めとして、セクシーな男達が惜しげもなく裸体をさら…
名もなき乳母は名写真家だったーー『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』が導き出す真実
今年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた話題作が、待望の日本公開を迎えた。 筆者はこの映画を昨夏、イギリ…
Netflixオリジナルフィルム、『ビースト・オブ・ノー・ネーション』の衝撃
Netflix『ビースト・オブ・ノー・ネーション』 2009年の長編デビュー作『闇の列車、光の旅』が、サンダンス映画祭劇映画部…
恋愛から解き放たれた女性映画『マイ・インターン』の新しさ
ベストセラー小説を映画化した『プラダを着た悪魔』で、ニューヨークの一流ファッション誌の鬼編集長に、こき使われ、いびられつつも奮闘…
「時間」を取り扱う恋愛映画の課題とは? 『アデライン、100年目の恋』のSF性とファンタジー
ブレイク・ライブリーの顔を見るとどうしても、『ゴシップ・ガール』のセリーナ・ヴァンダーウッドセンのイメージが離れない。他のゴシガ…
スケールアップした“ガールズ・ムービー”続編 『ピッチ・パーフェクト2』の見どころは?
TOHOシネマズ六本木ヒルズでの先行上映を経て、10月16日(金)より『ピッチ・パーフェクト2』の全国上映がスタートした。本国ア…
Netflixは日本のコメディー市場を切り拓くか? 『アンブレイカブル・キミー・シュミット』に見る大人のエンタメ性
コメディーは日本ではウケないというのは業界の定説だ。事実、映画は未公開作品が多いし、このところ大人のエンタメとして人気の海外ドラ…
『顔のないヒトラーたち』と『ヒトラー暗殺、13分の誤算』ーー“ナチスの時代”を描く2作品を考察
第二次世界大戦終結から、ちょうど70年となった今年、「ナチスの時代」を描いたドイツ映画が2本、立て続けに日本公開される。ひとつは…
『ロバート・アルトマン』ドキュメンタリーが描き出す“アルトマンらしさ”とは?
現在公開中のドキュメンタリー映画『ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』は、これまでアルトマンの映画を…
P.T.アンダーソン×J・グリーンウッド最新作、日本最速レビュー!
MUBI MUBIという映画配信サイトがある、海外配信サイトとしては珍しく日本からでも登録が可能で、私も登録していて様々な作品…
『ファンタスティック・フォー』と『クロニクル』の奇妙な符合ーートランク監督の作家性を読む
この映画をめぐっては酷評ばかりが渦巻いている。北米では今年の夏興行の目玉となるはずが、公開直前に投下された監督の恨み節ともとれる…
異端の日本映画『GONIN サーガ』が描く美学ーー根津甚八を蘇らせた石井隆の作家性とは
閃光と雷鳴、土砂降りの雨。斜めに歪んだ字体。紛れもない石井隆監督作の刻印を残しながら、犯罪アクション映画『GONIN サーガ』は…
トム・ハーディ主演『ウォーリアー』が、スポーツ映画の金字塔である理由
映画『ウォーリアー』は2011年に全米公開されたヒューマンドラマの傑作だ。評論家から絶賛され、主要キャストの1人ニック・ノルティ…
ハリウッド次世代の旗手が描く、『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』の底知れぬ凄み
僕らはJ・C・チャンダー監督という途方もない才能に対し正当な評価を下すべき重要な時期に差し掛かっている。弱冠41歳。手掛けた長編…
宮台真司『ドローン・オブ・ウォー』評:テクノロジー使用がもたらす人倫破壊に対する、強力なる人倫の擁護
言語による錯覚が非人道性の根源 前編では、ヒトが言葉(正確には概念言語)を使うようになったせいで、ミソもクソも一緒にできるので…
大人の悲哀ヒーロー映画『アントマン』が描く、小さな世界の壮大な人間ドラマ
体をミクロサイズに縮小し、アリの群れをコントロールする、ちょっとかわいいヒーロー、アントマン。アメコミヒーローの中でも異彩を放つ…
宮台真司の『野火』『日本のいちばん長い日』評:戦争を描いた非戦争映画が伝えるもの
7月25日公開の『野火』(塚本晋也監督)、8月8日公開の『日本のいちばん長い日』(原田眞人監督)、そして10月1日に公開される『…
チャリンコ版『マッドマックス』!? 『ターボキッド』に漂う、中学生男子の妄想的ポップ感
2015年、アクション映画業界最大の話題作となった『マッドマックス 怒りのデスロード』。そんな『マッドマックス』シリーズに代表さ…
『ここさけ』が描く、残酷で美しい世界 「逃げ道」のない物語に込められた意志とは
夢見がちでおしゃべりな少女は、丘の上にあるお城に憧れていました。そのお城では毎晩、舞踏会が開かれていて、少女もいつか王子様と一緒…
子供には見せられない地獄のファミリー・ムービー、『クーデター』が描く“極限の恐怖”
東南アジア某国の水道支援事業に協力しようと、海外赴任するため現地に降り立った男とその妻、そして幼いふたりの娘達。この善良なアメリ…
『キングスマン』が切り拓いた“スパイ映画の新境地”とは? 荒唐無稽な作風の真価
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『007 スペクター』、『コードネーム U.N.C.L.E.』、そして本作『…
『テッド2』お下劣ギャグと人権問題の意外な関係とは? 過激な表現の意図を読む
外見はかわいいクマのぬいぐるみ、中身は大麻を吸いまくり下ネタを連発する中年おやじというキャラクター、テッドが劇場に帰って来た。と…
『M:i5』の隠された魅力とは? アクション、テーマ、演出の特異性をひも解く
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』が好調だ。日本国内だけで興行収入54億円に達した前作「ゴースト・プロトコル」を…