作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
“ゼロ年代ホラーの帝王”は、SNSの恐怖をどう描いた? 『ノック・ノック』の巧みな演出手腕
イーライ・ロス監督は、コテージで若者たちが謎のウィルスに感染してズルムケになる『キャビン・フィーバー』や、東欧の秘密拷問クラブの…
『マッドマックス』は“カーアクション”をどう変えた? 『アウトバーン』に見るその進化
「脚本を読んだ時に確信したんだ。これはアドレナリン満載の最高のアクション映画になるってね」 敏腕プロデューサーのジョエル・シル…
『デッドプール』が“R指定で最も売れた作品”となった理由ーー善悪を超えたヒーローの革新性
コミック原作のヒーロー大作映画がハリウッドを席巻している。だが、その全てが成功しているわけではない。複数の女優や歌手と浮名を流し…
エリザベス女王は“お忍びの外出”でなにを見た? 『ロイヤル・ナイト』の史実とフィクション
エリザベス女王は今年の4月に御歳90を迎えた。すでに在位期間としては64年を誇り、これはヴィクトリア女王の63年を超えて歴代最長…
思わぬ相手に届いた“手紙“は、物語をどう動かす?『すれ違いのダイアリーズ』『若葉のころ』評
同姓同名の別人のもとに届いてしまった手紙……いわゆる“誤配”をきっかけに謎めいたドラマがスタートする、岩井俊二監督の映画『Lov…
オランダの“消えた名匠”、18年ぶりの復活! 『素敵なサプライズ』の奇想天外な仕掛け
TV番組や観光ガイドでよく見かける「自由の国、オランダ」という文字。法律や文化、国民性など様々な観点からこの国の「自由」が論じら…
もしも新しい神様が“女の子”だったら? 『神様メール』のユーモアと女性賛歌
「神は初めにブリュッセルを創った」そんな壮大なジョークで幕を開ける宗教的なブラックコメディーだ。英題は『THE BRAND NE…
『園子温という生きもの』と『ひそひそ星』に見る、園子温監督の多面的な表現世界
(メイン写真『園子温という生きもの』より) 何時何分何秒、刻一刻と時間が過ぎていく。『桂子ですけど』は、園子温監督の初期の頃の…
押井守監督は「戦争」を問い直すーー最新作『ガルム・ウォーズ』の“艦隊戦”が映し出すもの
高校時代、学生運動に目覚めた押井守は、刑事が家に捜査に来るほど運動にのめり込んだ。NHKの取材によると、焦った父親は息子・守を大…
『セカネコ』設定に見る“感動の方程式” 余命わずかな主人公はなぜ葛藤し続けるのか
映画プロデューサーが監督業に乗り出すことは珍しい話ではないが、小説家を始めるという人はあまり聞いたことがない。しかし、『電車男』…
小野島大の『ランバート・アンド・スタンプ』評:ザ・フーの夢、名物マネージャーたちの夢
ザ・フー初期の名物マネージャーとして知られるクリス・スタンプとキット・ランバートを巡るドキュメンタリーである。ミュージシャンやバ…
『追撃者』マイケル・ダグラスはなぜ史上“最凶”なのか? 狂気に満ちた怪演に迫る
広大な砂漠の真ん中に鳴り響いた一発の銃声。絶滅危惧種として知られる野生動物“バックホーン”狩りにやってきた大富豪マデックが撃…
シェイクスピア作品は“娯楽映画”の原点ーー現代的アプローチで描く『マクベス』の特徴
1999年、オーストラリアの田舎町で11もの損壊した変死体が発見された。犯行グループはやがて逮捕されたが、捕まった首謀者の供述に…
デーブ・スペクターが語り尽くす『ハウス・オブ・カード』の魅力「史上ベストドラマの5本に入る」
デーブ・スペクター これまで3回にわたって展開してきたNetflixオリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』総力特…
ワンカットで2時間13分を撮りきった『ヴィクトリア』、その現代ドラマとしての迫真性
クラブの鋭いライトに目が眩むような開幕から、淡い朝の光に包みこまれる幕切れまでの2時間13分がワンカットで撮影されたことによって…
マイケル・ファスベンダーが暴君を怪演する『マクベス』、その狂気の裏側にあるものとは?
今年はウィリアム・シェイクスピア没後400年の節目にあたる。この天才作家が遺した名作は数知れず。とりわけ彼が42歳の時(1606…
『ハウス・オブ・カード』は映画・ドラマのあり方をどう変えた? 西田宗千佳がその影響を解説
Netflixオリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』総力特集の第3回は、同サービスの革新性を綿密な取材とデータ検証…
コーエン兄弟の“映画愛”溢れる『ヘイル、シーザー!』 50年代ハリウッドの裏側をどう描いた?
コーエン兄弟の作品は、大まかに分けて二つのタイプがある。一つは兄弟の名前を一躍世界に知らしめるきっかけとなった、処女作『ブラッド…
『ブレイキング・バッド』から『ベター・コール・ソウル』へ 米ドラマ最高傑作の“進化”を追う
2013年の完結後も称賛の声が止まないドラマ『ブレイキング・バッド』のスピンオフシリーズ『ベター・コール・ソウル』は、一見ファン…
渡辺謙 VS マシュー・マコノヒー、“静と動”の演技合戦 日米の名優は『追憶の森』でどう対峙したか
日米を代表する演技派俳優として名を馳せる、渡辺謙とマシュー・マコノヒーが初共演を果たした、ガス・ヴァン・サント監督最新作『追憶の…
正義VS正義の戦いを描く『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』正しいのはどちら?
マーベル・ヒーロー達による正義の組織・アベンジャーズが、チーム・アイアンマン、チーム・キャプテン・アメリカの二派に分かれ大乱戦を…
『ヒーローマニア-生活-』と『キック・アス』、アクションシーンの違いを考察
5月7日公開の映画『ヒーローマニア-生活-』は、福満しげゆき原作のコミック「生活【完全版】」を実写化した作品だ。東出昌大演じるヘ…
荻野洋一の『シビル・ウォー』評:スーパーヒーローたちの華麗なる饗宴の影にあるもの
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、アメコミヒーローの内輪揉めを描いている。たくさんのアメコミヒーローがたがいに対立し、…
人気絶頂マシュー・マコノヒーは、なぜ異色作『追憶の森』出演を決めたのか?
マシュー・マコノヒーがキャリアの全盛期を迎えて久しい。そもそも90年代後半にその精悍な顔立ちと、時に飄々とした存在感で他人の懐に…