作品評の記事一覧

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公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

久保田和馬の『カフェ・ソサエティ』評

ウディ・アレンは新たなステップを踏み出したーー『カフェ・ソサエティ』が描く現実的な恋物語

日本では“オシャレなミニシアター映画”の代表として、90年代ごろから人気が高騰してきたウディ・アレン作品。現在公開中の『カフェ・…

モルモット吉田の『帝一の國』評

『帝一の國』の実写化はなぜ成功したのか? 菅田将暉らが息づかせたキャラクターのリアルさ

いやはや、面白い。『帝一の國』はシュールなギャグを交えた漫画原作の映画化としては、稀有な成功例である。原作が持つ独特の世界観を壊…

『GotG』続編は“サイコー!”なのか?

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は本当に“サイコー!”なのか?

興行成績が好調な近年のマーベル映画のなかでも、とくに大きな支持を得ているひとつが、コメディー色の強い異色ヒーロー作品『ガーディア…

志磨遼平の『夜明け告げるルーのうた』評

志磨遼平の『夜明け告げるルーのうた』評:無垢な“好き”を描き切る、アニメならではの感動作

湯浅政明監督による初のオリジナルアニメ映画『夜明け告げるルーのうた』が、5月19日より公開された。同作は、両親に対する複雑な心境…

BBQ映画としての『ワイルド・スピード』

速水健朗の『ワイルド・スピード ICE BREAK』評:シリーズの核心は“バーベキュー”にある

世の中には、バーベキュー・ピープルと呼ぶべき人々が存在する。  一応、ネットの世界ではバーベキューに過剰に反応する連中がいるので…

死体で一本!『ジェーン・ドウの解剖』

死体一つで1時間26分! “出オチ”では終わらない『ジェーン・ドウの解剖』の凄さ

凄惨な殺人事件の現場で見つかった、傷一つない美しき「名無しの死体」=「ジェーン・ドウ」。彼女はどうして死んだのか? いったい事件…

小野寺系の『スプリット』評

観客の心理を操る『スプリット』 ヒッチコックに通じるシャマラン監督の演出の秘密

M・ナイト・シャマランといえば、大きな評価を得た出世作『シックス・センス』以来、もはや彼のトレードマークとなった意外なラスト、そ…

松江哲明の『イップ・マン 継承』評

松江哲明の『イップ・マン 継承』評:古き良きカンフー映画の魅力が詰まった、安心のシリーズ

本作でシリーズ3作目となる『イップ・マン』ですが、僕は今回の『イップ・マン 継承』(以下、3)が一番好きです。映画単体の完成度で…

松江哲明の『ワイルド・スピード』評

松江哲明の『ワイルド・スピード ICE BREAK』評:進化し続けるハリウッドの『ドラゴンボール』

『ワイルド・スピード』シリーズは第1作目からすべて劇場で観てきました。シリーズもので続いている作品の中では一番好きです。1作目を…

荻野洋一の『夜空はいつでも〜』評

荻野洋一の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』評 絶望の浄化の先にあるもの

“きみがかわいそうだと思っているきみ自身を、誰も愛さないあいだ、きみはきっと世界を嫌いでいい。そしてだからこそ、この星に、恋愛な…

木村拓哉は生まれ直しの旅を終えた

木村拓哉は“生まれ直しの旅”を終えたーー総決算となる『無限の住人』の演技

SMAPが、ある種の諦念とともに活動してきたグループだとすれば(彼らは日常を肯定する歌を歌い続けたが、その楽曲の底辺には常に平常…

サエキけんぞうの『美女と野獣』評

大人のための実写版『美女と野獣』レビュー “諸星大二郎”さえ感じさせる細部の面白さ

大人であることとは何なのか? まず考えさせられた。この実写映画は、子どもも喜ぶだろうが、それ以上に大人向けである。大人と子どもの…

HBO製作『クォーリー』の衝撃

70年代アメリカを再現した強烈な臨場感ーーHBO製作『クォーリーと呼ばれた男』の衝撃

ハードボイルド、ノワール、クライム、バイオレンス、アクション——。このドラマを形容しようとすれば幾つもの言葉が浮かぶ。だがピタリ…

おとり捜査映画としての『潜入者』の魅力

80年代メキシコの麻薬売買や殺人を追体験 おとり捜査映画の観点から『潜入者』の魅力を考察

もし正体がバレたら、死を超えた恐ろしい制裁が待っている。まぶたを切られ目を焼かれ、家族までもが無惨な拷問を受け、家畜のように殺さ…

『僕とカミンスキーの旅』が問いかけるもの

まさに大人の寓話! 破天荒なロードムービー『僕とカミンスキーの旅』が問いかけるもの

ドイツ歴代興行記録を更新し、日本でも多くの笑いと感動を誘った名作『グッバイ、レーニン!』(03)のヴォルフガング・ベッカー監督と…

『ワイスピ』シリーズは“プロレス”だ

車があれば何でもできる! 『ワイルド・スピード ICE BREAK』は映画というより“プロレス”だ

現在シリーズ8作目『ワイルド・スピード ICE BREAK』が公開中のワイスピ・シリーズだが、これほど奇妙な映画シリーズもそうそ…

『美女と野獣』は音楽映画だ!

『美女と野獣』は王道ミュージカル映画ではないーー“実写×アニメーション”の演出を読む

劇場に足を運ぶまで、実写版『美女と野獣』はミュージカル映画なのだろうと、なんとなくふわっと想像していた。SNSなどで感想を調べて…

BOMIの『LION/ライオン』評

主人公サルーの境遇は私の人生と重なるーーBOMIが語る『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』

BOMIが新作映画を語る連載「えいがのじかん」。第4回となる今回は、5歳の頃にインドで迷子になりオーストラリアで養子として育った…

『ワイスピ』が人気シリーズになった理由

『ワイルド・スピード』なぜ人気シリーズに? 新作から紐解く“ファミリー最高!”の価値観

『ワイルド・スピード』も、第1作から16年、今回で8作目を数える長寿シリーズとなった。興行的な規模は飛躍的に拡大していき、前作『…

荻野洋一の『イップマン』評

荻野洋一の『イップ・マン 継承』評 ドニー・イェンの稽古場面には批評無効作用がある

『イップ・マン 継承』は甄子丹(ドニー・イェン)による、甄子丹のための映画である。つまり、この現代香港映画界最高のスターの動き、…

『フリー・ファイヤー』の底知れぬ創造性

誰もがクレイジーに咲きほこる! 英国の異才が放つ『フリー・ファイヤー』の底知れぬ創造性

今イギリスで最も注目を集める監督を5人挙げるとすれば、そのリストに彼が闖入してくることは避けられない。  72年生まれの異才、…

『美女と野獣』が現代に蘇った意義

実写版『美女と野獣』が描く“愛の試練” 現代に問いかけるメッセージとは

「ヒゲを生やしてみたら?」。実写版『美女と野獣』では、エマ・ワトソン扮するベルが、美しい王子の姿に戻った野獣にこんなセリフを放つ…

『T2』が20年の歳月で示したもの

“人生への渇望”がある限り、踊り続けるしかないーー『T2』が20年の歳月で示したもの

94年4月にカート・コバーンが自ら命を絶ち、5月にはアイルトン・セナがレース中に事故死。翌95年1月には阪神・淡路大震災が起こり…