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『シャザム!』なぜ心震わせる作品に? 人間ドラマによって生み出される真のヒーロー像

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 まさにヒーロー映画全盛といえる昨今、とんでもない悪ふざけをするヒーローが登場した。筋肉ムキムキの大人の男でスーパーパワーの持ち主……その中身はイタズラ好きのティーンエイジャー。彼は圧倒的な力を駆使しながら幼稚な悪ふざけを繰り返していく。だが、これがものすごく楽しいのだ。

 1940年に初めて出版され、70年代に実写ドラマ化やアニメ化も果たしている、歴史や知名度を持つヒーロー作品を実写化した本作『シャザム!』は、ヒーロー映画として、正義の戦いや人間ドラマもしっかりと描かれるが、同時にほとんどの場面でギャグが豊富に繰り出される、コメディ作品としての要素が強い。

 とはいえ、そんなギャグ満載の『シャザム!』は、数あるヒーロー映画のなかでイロモノとして扱われるべき作品なのかというと、そんなことはなかった。むしろ、数多く作られ続けるなかで細分化されつつあるヒーロー映画を本道へと引き戻すような、本格的な魅力のある映画だったのである。ここでは、そんな本作が、異色と思える内容にも関わらず、なぜヒーロー映画の本道へと立ち戻れたのか、そして心震わせる作品となった理由を解説していきたい。(本記事にはネタバレが含まれています)

もともとの名は「キャプテン・マーベル」

 先頃、マーベル・コミック原作の実写映画『キャプテン・マーベル』が公開されたが、じつはそれ以前に、「キャプテン・マーベル」という名のヒーローが存在していた。それが本作『シャザム!』のもともとの原作となった、フォーセットコミックスの『キャプテン・マーベル』である。つまり、本作のヒーローは、もともとキャプテン・マーベルという名前なのである。

 だがコミック『キャプテン・マーベル』は、DCコミックスから「スーパーマンの盗作だ」として訴えられ、その権利はやがてDCに買い取られることになる。その際に、ライバルのマーベル・コミック社と名称が重なることを避け、変身するときのかけ声「シャザム」をタイトルにしたという経緯があるのだ。本作では、それすらもネタとされていて、けっして「キャプテン・マーベル」とは呼ばずに、いろんな名前でヒーローのことを呼ぶ場面が何度もある。

 以前、日本でもアメリカのTVアニメ版『シャザム』が放送されていた。その頃、ヒーローのキャプテン・マーベルは「シャザム!」と叫ぶとキャプテン・マーベルに変身し、その弟分のキャプテン・マーベル・ジュニアは「キャプテン・マーベル!」と叫ぶとキャプテン・マーベル・ジュニアに変身するという、ひどくややこしい設定だった。それを考えても、混乱を呼ぶ「キャプテン・マーベル 」という呼称が消えたことは、あらゆる意味で妥当なところだろう。

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