作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
『スター・トレック BEYOND』はオリジナル版の魂を復活させた テンポ抑えた作風の意義
TVや映画でカルト的人気を誇るSF作品「スター・トレック」。その始まりとなった1966年のTVシリーズ、"The Origina…
『ゲーム・オブ・スローンズ』なぜ海外ドラマの代表作に? ダーク・ファンタジーの魔力に迫る
ストリーミングサービスなど新しい番組配信技術の発展を背景に、アメリカTVドラマ群雄割拠の時代を迎えた現在。そのなかで最大の人気を…
黒沢清はイメージの狂気の中を彷徨っている 荻野洋一の『ダゲレオタイプの女』評
黒沢清がフランス映画デビューした。この事実に驚く人間は、この世界中で誰ひとりとしていまい。もはや国際的名匠の仲間入りをしている黒…
格差問題が浮き彫りにする“人間の値打ち”とは? 世界中で支持されたイタリア社会派映画を観る
『グレート・ビューティー/追憶のローマ』などを制し、イタリア・アカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の第58回作品…
パレスチナの少年が世界的歌手へと“駆け上がる”まで 『歌声に乗った少年』が示すアラブの希望
パレスチナ、ガザ地区。広場の片隅に自分たちより明らかに年上の少年たちを相手に一枚のコイン争奪戦をやり合う姉弟がいる。弟が敵の股下…
『ジェイソン・ボーン』はどう生まれ変わった? リアリズムを深化させた脚本と映像
アメリカ同時多発テロの衝撃から間もない2002年、世界が緊迫した状況のなか公開されたスパイ映画『ボーン・アイデンティティー』から…
『世界一キライなあなたに』がリアリティを持ち得た理由 荻野洋一が劇構造から読み解く
女性作家ジョジョ・モイーズのベストセラー小説「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」(邦訳 集英社文庫)を、彼女がみずから脚本…
築地市場には“日本の文化”が刻まれているーー『築地ワンダーランド』が描き出す、人々の営み
先頃、基準値を超える汚染物質が検出されたため、豊洲への移転延期が正式に決定するなど、依然として不確かな状況が続いている「築地市場…
『ゲーム・オブ・スローンズ』に並ぶ大作ドラマ誕生!? J・J・エイブラムス『ウエストワールド』への期待
本格的に2016年~2017年シーズンが開幕となったアメリカのテレビ業界。9月中旬あたりから、地上波を中心に各局の新番組や人気作…
破壊の魅力を描くアニメーション 宮崎駿と庵野秀明、そして『アングリーバード』
『シン・ゴジラ』で、文字通り最も「熱量」の高いシーンは、やはりゴジラが東京の街を大破壊するシーンだろう。建物が次々に崩壊していく…
東出昌大、池松壮亮、菅田将暉……繊細な演技が浮き彫りにする『デスノート』の本質
2006年、TVアニメ版が放送され、藤原竜也と松山ケンイチ主演による実写映画版が公開されるなど、大ヒットコミック「DEATH N…
イーストウッド監督の映画はなぜ“特別”か? 『ハドソン川の奇跡』に見る、余韻の豊かさ
あなたは、ある老舗の有名なレストランで料理を注文する。ありふれた料理だが、あまりにおいしいので、お礼を言うために料理人を呼ぶこと…
イーストウッドは“重厚な余白”をどう作ったか? 松江哲明が語る『ハドソン川の奇跡』
実話の映画化は、“裏側”が重要 トム・ハンクス演じるサリー機長の悪夢から本作は始まります。飛行機がニューヨークの市街につっこみ…
『レッドタートル ある島の物語』は"人生そのもの”を提示する 天才アニメーション作家の成熟
「このスタッフがほしい。このスタッフがいれば、俺もやれるかな」長編アニメの製作を引退したはずの宮崎駿は、本作『レッドタートル あ…
スピルバーグ新作『BFG』が描く“映像と言葉”の狭間ーーソフィーの夢はなにを意味する?
『E.T.』のスピルバーグとあのディズニーが贈る巨人と少女の物語。予告編を見ていてもそのくらいの情報しか伝わってこないのだが、こ…
サエキけんぞうの『ハドソン川の奇跡』評:イーストウッドは“9・11後遺症”にどう回答したか
多くの人がニューヨークやパリ、ロンドンには「観光目線」ででかけるだろう。そこではホテルの廊下や下町の路地でさえもキラキラと輝き、…
映画『聲の形』がメジャーな作風となった理由ーー山田尚子監督は重いテーマにどう魔法をかけた?
アニメーションはマイナーからメジャーへ 予想を大幅に超える『君の名は。』の国内でのムーヴメントに続き、映画『聲の形』もま…
『カンフー・パンダ』はなぜ映画ファンに愛される? マイペースに築き上げた不動の作品世界
カンフーとパンダ。一見、安易とも取られかねない二つの要素の組み合わせではあるが、蓋を開けてみると08年公開の『カンフー・パンダ』…
スピルバーグが『BFG』で甦らせたテーマとは? 「夢」を通じて描く、創作者へのエール
世界中で多くの子供たちに親しまれ続けている、児童文学界の圧倒的ベストセラー作家、ロアルド・ダール。無理解な大人たちに反逆する天才…
サエキけんぞうの『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEKーThe Touring Years』評:映画の主役は4人ではなく、全世界のファン
ビートルズは、デビューから1970年の解散、2016年の現在に至るまで未だに前人未踏の最前線を歩み続けている、そう感じさせる快作…