作品評の記事一覧

(2489件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『スーサイド・スクワッド』悪人の描き方

『スーサイド・スクワッド』が悪役たちを“人間らしく”描いた理由ーーデヴィッド・エアーの真意は?

経済の中心地で映画の街として名高いロサンゼルスに、強盗や殺人、売春・麻薬ビジネスなどがはびこる「全米で最も危険」と呼ばれている地…

『誰かの木琴』で常盤貴子が演じる狂気

ストーカーが怪物として描かれない怖さーー『だれかの木琴』で常盤貴子が演じる狂気

「なにが起こったんだろう、あのひとに」。あまりに映画の核心を突く独白に思わず口元が緩みそうになるが、美容師の海斗(池松壮亮)にと…

『君の名は。』の出会いは“運命”か

『君の名は。』の出会いは“運命”と呼べるのかーー設定と展開から考える、物語のはじまり

ボーイ・ミーツ・ガールに“運命”などありえない。  ケイト・ベッキンセイルとジョン・キューザックがニューヨークのデパートでお互い…

役者と芸人、共通するセンスとテクニックは?

役者と芸人、共通するセンスとテクニックは? 女優・大塚シノブが漫才映画『エミアビ〜』を観る

『エミアビのはじまりとはじまり』というタイトルを聞いた時、北欧かどこかの小さな女の子が冒険でもするのか、もしくは探検家が北極圏に…

サエキけんぞうの『君の名は。』評

サエキけんぞうの『君の名は。』評:アニメだから表現できた、人物と都市描写の“快感”

『あまちゃん』以来、NHKの朝ドラを見る習慣がついてしまった。『ごちそうさん』『花子とアン』からは、明治~大正~昭和の舞台が多く…

“団地映画”としての『アスファルト』の魅力

フランスの“団地”を舞台にした、新たな群像劇ーー『アスファルト』が物語る日常の奇跡

この不思議なタイトルのフランス映画は、ひんやりとした透明感に満ちていて、どことなくおかしくて、じんわりと優しい。まるで心の湖にひ…

『グランド・イリュージョン』奇術映画の魅力

『グランド・イリュージョン』続編に見る、マジックと映画の相性ーー物語に仕組まれた“トリック”とは

“イリュージョン”という言葉を聞いて、即座に“ツムラ・イリュージョン”というイベントを思い出したとしたら、それは間違いなくアラフ…

小野寺系の『後妻業の女』評

遺産狙いの悪行がなぜ説得力を持つのか? 『後妻業の女』が描く人間の欲望

寝っ転がって大福でも食べながら、見るつもりのなかったTVドラマをぼんやり眺めているとき、ごくたまにドラマの内容にハッとして、画面…

小野寺系の『君の名は。』評

『君の名は。』はなぜ若い観客の心をとらえた? 新海誠の作風の変化を読む

日本を代表するメロドラマのタイトルをほぼそのまま引用する劇場用アニメーション『君の名は。』が、若い世代の観客を中心に大ヒットして…

『ライト/オフ』闇と光のホラー表現

闇と光の“反復”はどんな恐怖をもたらすか? 『ライト/オフ』が辿り着いた、映画の根源的表現

闇のなかだけに現れる化け物に狙われた家族の恐怖を描く、ホラー映画『ライト/オフ』。本作の「闇」と「光」を使った恐怖表現は、ゾワゾ…

宮台真司の『シン・ゴジラ』評

宮台真司の『シン・ゴジラ』評:同映画に勇気づけられる左右の愚昧さと、「破壊の享楽」の不完全性

「行政官僚制の日常」と「破壊の享楽」  『シン・ゴジラ』(7月29日公開/庵野秀明監督)は想像外に興味深い映画でした。『ヱヴァ…

松江哲明の『ゴーストバスターズ』評

松江哲明の『ゴーストバスターズ』評:エンタメの力で事前の評価を覆した、意義のあるリブート作

新しい『ゴーストバスターズ』はとても良い作品で、僕はラストシーンで不覚にも少し泣いてしまいました。完全に油断していましたね(笑)…

中国に媚びない新作『タートルズ』

『ニンジャ・タートルズ』新作、なぜ中国で大ヒット? 中国企業のハリウッド出資事情の変化

8月26日から公開中の『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』は、2014年に公開された『ミュータント・タートル…

ジェームズ・ワンの新たな恐怖表現に迫る

ホラー映画の新たな恐怖表現が誕生 『ライト/オフ』は暗闇への怖れを逆手に取る

『ライト/オフ』ポスタービジュアル  明かりを付けると“それ”は消え、明かりを消すと“それ”は目の前に現れる。これまでに製作され…

『ミスターロボット』が米国民を魅了する理由

『Mr.Robot/ミスター・ロボット』は現代版『タクシードライバー』 “格差社会”と“革命”の描き方はどう変化したか?

「タイム・トゥ・ゲット・アップ(さあ、目覚めよ)!」という声を受けて、機械仕掛けのようにムクリとベッドから起き上がる主人公、エリ…

『青空エール』が覆す、少女漫画原作の定石

『青空エール』が覆す、少女漫画原作の定石ーー部活への情熱だけで描く青春はアリ?

学生の本分は勉強とは、よく耳にする言葉である。それでもお構い無しに、『高校デビュー』の主人公・長嶋晴菜のように学生生活を恋愛で費…

ビジュアル映画としての『ハイ・ライズ』

『ラスト・エンペラー』から『ハイ・ライズ』へーー受け継がれた“映像主義”

伝説的作家J・G・バラードの問題作『ハイ・ライズ』を映画化した本作は、予想以上に“映像主義”な映画であった。ここでいう“映像主義…

『ペット』と『ルドルフ』ペットアニメを比較

『ペット』と『ルドルフとイッパイアッテナ』が映し出す、“人間”と“動物”の関係性

今やわれわれと共に生活する動物たちは“ペット”ではなく、大切な“家族”の一員としてみなされている。ニューヨークのペットたちの大活…

荻野洋一の『ゴーストバスターズ』評

荻野洋一の『ゴーストバスターズ』評:ポール・フェイグ監督がリブート版で捧げたオマージュの数々

こんどのゴーストバスターズは中年女性たちによって結成される。この性別の転換こそ、新『ゴーストバスターズ』の中心テーマだ。しかも彼…

『X-MEN』最新作の変化を読む

『X-MEN』最新作は過去作と何が違う? “家族愛”と“恋愛”が強調された娯楽大作に

『X-MEN』シリーズを手がけてきたブライアン・シンガー監督から、独自のビジュアルセンスで注目を浴びるイギリスの新鋭マシュー・ボ…