映画『スター☆トゥインクルプリキュア』は大人の心も掴む ダイバーシティと環境問題を扱うその先進性

映画『スター☆トゥインクルプリキュア』は大人の心も掴む ダイバーシティと環境問題を扱うその先進性

 『プリキュア』シリーズの劇場版作品『スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』が話題をよんでいる。近年『プリキュア』シリーズの劇場版作品は大手レビューサイトでも高い評価を受けているが、今作も子供だけでなく大人も含めて多くのファンから賞賛の声が相次いでいる。今回は本作の魅力について考えていきたい。

 『スター☆トゥインクルプリキュア』はシリーズ16作目にして、初めて宇宙がテーマとなったプリキュア作品だ。星座や宇宙、UMAなどの未知の存在が大好きな主人公の女の子、星奈ひかると、惑星サマーンからやってきた宇宙人の少女、羽衣ララの出会いから物語は始まる。劇場版ではその2人と、映画オリジナルキャラクターである謎の宇宙生物ユーマとの交流を中心に描かれている。

 今作のテーマの1つめは多様性の問題だ。多様性の尊重は『プリキュア』シリーズが描きつづけてきたテーマの1つである。初代の『ふたりはプリキュア』は「女の子だって暴れたい」というコンセプトの元に性格の異なる2人の少女がプリキュアに変身し、敵と素手で戦う作品だ。昨年は男の子のプリキュアが登場するなど、女の子向けアニメ作品の定型を自ら壊すことによって従来の性的役割からの解放も1つのテーマとしている。『スター☆トゥインクルプリキュア』は”未知なる存在=宇宙生命体”とし、ひかるをオカルト好きの好奇心旺盛な女の子とすることで異文化への積極的な接触を通して多様な文化や考え方の尊重と共存の難しさを描いており、その魅力は劇場版でも発揮されている。

 ユーマとの出会いに心を躍らせているひかるに対して、ララは上手に接することができずに衝突を重ねてしまう。しかしララも似たような境遇の身として「みんながひかるのようにいい人というわけではないから、注意しなければいけない」とユーマに率直に思いをぶつけることで言葉を超えて心が通じあい、仲を深めていく。子供には他者に対して優しく接することの重要性を、大人には言葉や文化が異なる相手とのコミュニケーションの難しさを伝えるシーンだ。また仲を深めたララとユーマに訪れる別れのシーンでは、テレビシリーズでも訪れるであろうひかるとララの未来も予感させられる。

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