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『劇場版おっさんずラブ』はドラマの“優しい世界”がそのままに 再び歩き出した春田と牧たち

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 王子様によって、シンデレラの足にガラスの靴が戻りました。シンデレラは王子様と幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 まさにそんな完璧な結末だったのが、連続ドラマの『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)でした。それが映画になると聞いて、歓喜と同時に不安も感じました。

 完璧にお話は終わったのに、映画を盛り上げるために何か悲しい事件が起こるなら、それは見たくない。そう思った人、多いんじゃないでしょうか。たぶん、あの悲しい別離の6話(と、とんでもないラストシーン)から最終話を見るまでの1週間のせいです。あの辛さをもう2度と味わいたくない。あのふたりをもう2度と泣かせたくない。全7話のドラマを見ているうちに、春田創一(田中圭)と牧凌太(林遣都)のカップルは、架空の人物であることをこえて、何か不思議な存在になっていました。彼らは今もこの世界のどこかで暮らしている気がする、そうじゃないと嫌だ、どうか幸せであってほしい、と祈るような対象。

 そして、あの優しい世界観が好きだったのに、ポスターや予告では爆発してて、なんだかみんなが欲しい話とは違うのでは? という心配も。

 そんなわけで、うれしい気持ちにほんのちょっとの不安をふくんだまま、初日の映画館に座ったのですが……完全に杞憂でした。映画という大きな容れ物になったから、お話も大きくなりましたが、優しい世界はそのまま。ド派手に爆発しても(たぶんだいたい)大丈夫。

 シンデレラが靴を履きました。でもそこで物語は終わりではなく、シンデレラはその靴で歩いて行かなくてはいけない。映画は、その「歩き出すシンデレラたち」のお話でした。

 歩いていく道には障害物があったり、おたがいの歩くペースが違うことに気づいたり、行きたい方向が違ってきたり。時間が経てばいろいろ変わることもある。そんな時、どうするのか。そう、テレビドラマのエンディングは、スタートだったんですね。

 転がるように走って、必死に「あっち側」から「こっち側」へと渡って来た春田が、じゃあ「こっち側」で何をするのか。

 「愛って、いったいなんなんでしょうね」とつぶやいていた問いに、連続ドラマ版とは違う答えを見つけられるのか。

 恋をして結婚したら「家族」になる。その「家族」ってなんだろう。

 悩み考え、決断していくのは春田と牧だけではなく、黒澤部長(吉田鋼太郎)、武川主任(眞島秀和)、マロ(金子大地)などのいつものメンバーたちも、今回新しく参加した狸穴(沢村一樹)もジャス(志尊淳)も同じ。いろんな人たちのいろんな「歩いていくその先」がありました。

      

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