作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』は人生に深く結びつく傑作だーーその神秘的な作風を読む
ピーター・ラビットやスヌーピーのように、世界中で愛されるムーミン。日本でも数度TVアニメが制作されており、キャラクターとしての知…
ジョン・カーニー監督はいかにして“音楽映画の名匠”となったか? そのキャリアを考察
「音楽家が映画監督業に乗り出す」というのは古今東西わりと珍しくない話ではあるが、時代や世代の変化もあるのだろう、近年、「プロの音…
『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』は複雑かつ美しいーーパブロ・ララインが描く鋭利なるミステリー
芸術、とりわけ映画にあって複雑であることは、その質を保証しない。あれこれとクドクド説明にいそがしい映画ほど醜いものはない。映画は…
傑作『ザ・フォッグ』が教えてくれる、ホラー映画を語る上でジョン・カーペンターが特別な理由
日本の映画ファンの間では、黒沢清監督のオールタイム・フェイバリット監督としても知られるジョン・カーペンター。言うまでもなく、ホラ…
80年代ホラーの金字塔『ハウリング』は今こそ観るべき! 特殊メイクの歴史を変えた、その革新性
ドラマ作品『ストレンジャー・シングス』が世界的な人気を得て、映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が、現時点でホラー…
アメリカの医療は本当に先進的なのか? 超ハイテク医療ドラマ『ピュア・ジーニアス』の問いかけ
世界最高水準にあるアメリカの先進医療。従来の方法では治療が難しいと診断された患者たちが、いまも世界各地から希望を求めアメリカの地…
19歳の女優エル・ファニングはすでに完成されている 『パーティで女の子に話しかけるには』での存在感
ニール・ゲイマンといえば、『コララインとボタンの魔女』や『スターダスト』が映画化されている、幻想小説の名手だ。彼の短編集「壊れや…
まさに「2017年的な映画」 『20センチュリー・ウーマン』が指し示した映画の未来
アート系映画の秀作を次から次へと世に送り出して、世界的に注目されている新興の映画カンパニーA24の配給で、2016年12月に全米…
アニメ映画『GODZILLA』は第二部以降が“本命”に 怪獣映画にアニメのメリットどう生かした?
「怪獣映画」は「始めるに難しく、終わるに難しい」。どういう理由で登場したかはその怪獣のアイデンティティの大きな部分を構成するし、…
『ジャスティス・リーグ』に見る、DC映画の路線変更は本当に良かったのか?
バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグ…DCコミックス原作のヒーローたちが手を組んで、より強大な悪と戦…
息の長いシリーズになる可能性も!? 探偵モノ×バディ・ムービー『探偵はBARにいる3』の魅力
探偵の活躍は、古くから観客を魅了してきた。例えば、『マルタの鷹』(41)のサム・スペードや『ロング・グッドバイ』(73)のフィリ…
日本のアニメーションが失ったシンプルさと壮大さ 『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』が描く冒険世界
アメリカのアニメスタジオ「ライカ(laika)」。現在全盛であるCGでもなく、手描きでもなく、主に実物の人形を使った「ストップモ…
再現性、ドキュメント性、民族マナーの優れた描写 『永遠のジャンゴ』が与える、贅沢な満足感
映画はいま、政治状況を反映してか、緊迫したメッセージを伝えるメディアとなっている。『ダンケルク』(2017、米)……ナチスの世界…
怪獣映画と人間ドラマを掛け合わせた秀逸な一作 松江哲明の『シンクロナイズドモンスター』評
ポスタービジュアルや怪獣が登場するという情報から、B級映画の匂いも放っていた本作ですが、観終わったときの印象はまるで違ったもので…
偉大な映画音楽はいかにして生まれたのか? 圧巻のドキュメンタリー『すばらしき映画音楽たち』評
“映画批評の今”をテーマとした菊地成孔とモルモット吉田との対談(菊地成孔×モルモット吉田、“映画批評の今”を語る 「芸で楽しませ…
狂気に包まれた不毛な残酷さーー『機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER』の特殊性
「音楽は空気の中に消えゆき、二度とそれを捕らえることはできない」-エリック・ドルフィー(ジャズ・ミュージシャン)- 『機動戦…
高度化するネット社会の負の側面とは? エマ・ワトソン主演『ザ・サークル』が描く不安と恐怖
検索サイトで文字を入力するとき、位置情報を利用して目的地までの経路を割り出すとき、SNSで近況を報告したり、他人と交流するとき……
『マイティ・ソー バトルロイヤル』はマーベル映画にとって危険な存在に? 路線変更の背景を考察
『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、これまでの『マイティ・ソー』前2作とは大きく異なり、ギャグと肉弾バトルが大幅に増量し、それ…
社会への問題意識と潜在的な恐怖ーー『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が描く文学的テーマ
『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が、予想を超える大ヒットを果たした。アメリカ本国だけで興行収入3億ドルを突破、今年…
“ユニバース”過剰時代における、『マイティ・ソー バトルロイヤル』の役割
『マイティ・ソー バトルロイヤル』の魅力とは何だろう? アイアンマン、ハルク、キャプテン・アメリカ、ガーディアンズ・オブ・ギャラ…
油絵が動くアニメ『ゴッホ~最期の手紙~』はどう作られた? 前代未聞の手法に迫る
「アニメ映画のカンヌ」と呼ばれる、最も長い歴史を持つ世界最大規模のアニメーションのための映画祭、「アヌシー国際アニメーション映画…
“差別”というシリアスな題材をポップに表現ーー『ゲット・アウト』が描く普遍的な恐怖
クエンティン・タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』は、アメリカで奴隷制がはびこっていた時代、黒人奴隷だったジャンゴが、…
観客の評価が二分した『ブレードランナー 2049』は内容的な成功を遂げたのか?
「『ブレードランナー』以降の近未来SF映画で、『ブレードランナー』を意識しない作品なんてあるのか」 アニメーション映画『GH…
トム・クルーズの狂騒がキラキラと輝くーー『バリー・シール』が描き出す、アメリカの病理
大手航空会社のパイロットからCIA秘密作戦のパイロットに転身、その任務のかたわら、密かに麻薬組織ともつながって密輸を繰り返し、大…
米ホラー映画は再びエキサイティングな実験場に 『アナベル 死霊人形の誕生』に見る、恐怖の化学式
『インシディアス』、『死霊館』シリーズなど、ホラー映画を先鋭的に更新し続けることで、映画館で現在の観客を震え上がらせるという古典…
『女神の見えざる手』は銃社会を“撃つ”ーージェシカ・チャステインのあまりに格好良いヒロイン像
映画の冒頭、聴きおぼえのあるジェシカ・チャステインのどちらかというとソフトで押しの弱い微かに揺れる声が、敏腕ロビイストとしての勝…







































