作品評の記事一覧

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公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『美女と野獣』は音楽映画だ!

『美女と野獣』は王道ミュージカル映画ではないーー“実写×アニメーション”の演出を読む

劇場に足を運ぶまで、実写版『美女と野獣』はミュージカル映画なのだろうと、なんとなくふわっと想像していた。SNSなどで感想を調べて…

BOMIの『LION/ライオン』評

主人公サルーの境遇は私の人生と重なるーーBOMIが語る『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』

BOMIが新作映画を語る連載「えいがのじかん」。第4回となる今回は、5歳の頃にインドで迷子になりオーストラリアで養子として育った…

『ワイスピ』が人気シリーズになった理由

『ワイルド・スピード』なぜ人気シリーズに? 新作から紐解く“ファミリー最高!”の価値観

『ワイルド・スピード』も、第1作から16年、今回で8作目を数える長寿シリーズとなった。興行的な規模は飛躍的に拡大していき、前作『…

荻野洋一の『イップマン』評

荻野洋一の『イップ・マン 継承』評 ドニー・イェンの稽古場面には批評無効作用がある

『イップ・マン 継承』は甄子丹(ドニー・イェン)による、甄子丹のための映画である。つまり、この現代香港映画界最高のスターの動き、…

『フリー・ファイヤー』の底知れぬ創造性

誰もがクレイジーに咲きほこる! 英国の異才が放つ『フリー・ファイヤー』の底知れぬ創造性

今イギリスで最も注目を集める監督を5人挙げるとすれば、そのリストに彼が闖入してくることは避けられない。  72年生まれの異才、…

『美女と野獣』が現代に蘇った意義

実写版『美女と野獣』が描く“愛の試練” 現代に問いかけるメッセージとは

「ヒゲを生やしてみたら?」。実写版『美女と野獣』では、エマ・ワトソン扮するベルが、美しい王子の姿に戻った野獣にこんなセリフを放つ…

『T2』が20年の歳月で示したもの

“人生への渇望”がある限り、踊り続けるしかないーー『T2』が20年の歳月で示したもの

94年4月にカート・コバーンが自ら命を絶ち、5月にはアイルトン・セナがレース中に事故死。翌95年1月には阪神・淡路大震災が起こり…

サエキけんぞうの『SING/シング』評 

サエキけんぞうの『SING/シング』評:流行音楽を蘇生させるパワーがここにはある

3Dアニメが好きになれなかった。60年代後半のTVアメリカン・アニメ絶頂期は、東京12チャンネルや10チャンネル(現テレビ朝日)…

『GITS』は“中途半端”な作品?

『ゴースト・イン・ザ・シェル』はなぜ“中途半端”な作品になったのか?

公開から…というよりも、公開前から攻殻機動隊ファンを中心に賛否両論が巻き起こっていた、『ゴースト・イン・ザ・シェル』。攻殻ファン…

ダースレイダーの『パッセンジャー』評

ダースレイダーの『パッセンジャー』評:映画を観る「意味」を問う、SF映画の傑作

映画を観るという行為に、もし強力な「意味」を求めるとすればどうでしょうか? 単純に楽しむだけでも良いと思いますが、せっかく観るな…

『夜は短し歩けよ乙女』は円=縁を描く?

星野源演じる“先輩”は円=縁の結び目に 『四畳半神話大系』と『夜は短し歩けよ乙女』の相違点

森見登美彦の原作小説を脚本・上田誠、監督・湯浅政明のコンビが映画化した『夜は短し歩けよ乙女』。同じ原作者、同じスタッフで2010…

飯豊まりえが体現する“時間制限の美しさ”

女子高生マウンティング合戦に漂う美と残酷さーー清水富美加&飯豊まりえ『暗黒女子』の背徳

お嬢様学校で繰り広げられる、美しい女子高生たちの騙しあい。挨拶は「ごきげんよう」。豪華なサロンでスイーツを食べながらキャッキャと…

『レゴバットマン』は驚きの映画だ!

『レゴバットマン ザ・ムービー』は驚きの映画だ! 批評的視点を獲得した、レゴ映画のカオス

「レゴ(LEGO)ブロック」といえば、古くから子どもたちに愛されるプラスチック製の組み立ておもちゃだ。これを題材にした『LEGO…

荻野洋一の『ジャッキー』評

荻野洋一の『ジャッキー』評:女性の一代記にせず、“倒錯の儀式”を描いた潔さ

ケネディ大統領暗殺事件(1963年)当時の状況、そしてジャクリーン夫人の動向をたどりつつ、にわかには納得しがたいような、とてつも…

『ムーンライト』に共感を抱く理由

これは“自分のための映画”だーーマイノリティ描く『ムーンライト』に共感を抱く理由

第89回アカデミー賞、最多6部門を受賞したのは、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』だったが、映画作品自体に贈られる作品賞の栄誉に…

ダースレイダーの『キングコング』評

キングコングの“全力大暴れ”が気持ち良い! ダースレイダーの『キングコング:髑髏島の巨神』評

とにかく思いっきりが良い作品です。うじうじした気持ち、もったいぶった気取り、思わせぶりな仕草などは、初っ端から全部吹き飛ばします…

モルモット吉田の『3月のライオン』評

モルモット吉田の『3月のライオン』評:比較で浮かび上がる羽海野チカの世界

映画を比べるのは、品の良いことではないという意見がある。片方を持ち上げるために、別の映画を持ち出してきて貶めるのは下品ではないか…

森直人の『未来よ こんにちは』評

森直人の『未来よ こんにちは』評:哲学教師ナタリーが示す、ままならない人生のやり過ごし方

ところはパリ。通勤中の満員電車でドイツの詩人・批評家、エンツェンスベルガーがアラブ人自爆テロリストについて書いた『Le perd…

『キングコング:髑髏島の巨神』の革新性

怪獣映画はここまで“進化”したーー真正面から“戦い”を描く『キングコング:髑髏島の巨神』の革新性

巨大な怪獣たちがうじゃうじゃと生息しバトルを繰り広げる、世にもおそろしい島が南洋にあった。『キングコング:髑髏島の巨神』は、19…

『SING/シング』は大人こそ楽しめる映画だ

『SING/シング』は大人も楽しめる“音楽映画”だーーアニメーションに託された群像劇の魅力

割と重厚な作品が好きな私は正直なところ、この手のCGアニメーション映画は大人が観るものじゃなくて、子供が観るものなんじゃないの?…

『ひるね姫』が示す日本アニメの未来

神山健治監督『ひるね姫』はアニメ業界の未来を示唆するーー新たな作風に隠されたメッセージ

『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』は、「えっ、これが神山健治監督の作品?」と、面食らってしまうくらい、いままでにないポジティ…

姫乃たま『お嬢さん』評

“少女性”と“不自由さ”から生まれる官能ーー姫乃たまが『お嬢さん』のフェティシズムを考える

高校生の頃から片言フェチである私は、新宿の職安通りを抜けて焼き肉屋へ足を運び、アルバイトらしき韓国人の女の子から接客されるのを楽…

T・シン『エメラルドシティ』で伝説更新?

『オズの魔法使い』を危険な“大人向けドラマ”に 『エメラルドシティ』異才ターセム・シンの作家性

アメリカで生まれた初のおとぎ話といわれる児童文学『オズの魔法使い』。竜巻に巻き込まれ、不思議なオズの国まで飛ばされてしまった少女…

『シング』は女性の自立も描く

『SING/シング』は現代女性の“自立”も描くーーフェミニズム映画としての側面を読む

子ども向けかと思いきや、大人も楽しめる。『SING/シング』もまさしくそんな作品だった。コミカルに描かれたキャラクターたちだが、…

韓国ノワール『アシュラ』が示すシンプルな答え

なぜ悪いことをしてはいけないか? 地獄絵図の韓国ノワール『アシュラ』が示すシンプルな答え

「なぜ悪いことをしてはいけないのか?」このシンプルな問いの答えを、文字通り骨身に染みるほど見せてくれる映画が『アシュラ』(17年…