作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
濱口竜介による謎めいた一作『悪は存在しない』を解説 観客を混乱させる結末の狙いとは
いま、海外の映画祭で最も注視されている日本の映画監督、濱口竜介。各国の映画祭で数多くの賞を獲り、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映…
『岸辺露伴』の末永いシリーズ化を希望 『ルーヴルへ行く』を成功させた複雑な脚本構成
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が、5月6日にNHK総合で放送される。 本作は、NHKドラマ『岸辺露伴は動かない』(以下、『…
『ゴジラxコング』はアメリカンプロレスの怪獣版だ! 言葉を喋らないのに理解できる驚き
オレの名前はキングコング。デカい猿の怪獣だ。地底世界の戸亜留地区で暮らしてるが、オレには同族の仲間がいねー。人間は嫌いじゃねーけ…
『ゴジラxコング 新たなる帝国』の理知的な試み アダム・ウィンガードがなし得た偉業とは
ワーナー・ブラザースとレジェンダリー・ピクチャーズ、東宝の提携によるハリウッド版ゴジラシリーズに、『キングコング:髑髏島の巨神』…
アンドリュー・ヘイは山田太一の物語をどう映像化した? 『異人たち』が描いたテーマを考察
日本の映画、TVドラマ、演劇に大きな足跡を残した脚本家・山田太一。2023年11月に惜しくもこの世を去ってしまったが、その仕事の…
映画『名探偵コナン』は日本の『ワイスピ』に アクション好き必見の“タガ”の外れ具合
年に一度、シンガポールのシンボルであるマリーナベイ・サンズを盛大に爆破したり、オリンピックに際して国立競技場を破壊し尽したり…
『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』は見事な“再構成”に 凪目線で映る天才の不気味さ
スポーツ観戦の面白さは、選手たちが織りなす人間ドラマにあると思っている。手に汗握るゲームの展開や臨場感はもちろんのこと、やはり「…
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』が持つ“衝撃”の意味 長い時間を経て結ばれた点と点
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』がついに公開2周目に突入。オープニング興収が33億円超えというロケットスタートを記録した本…
“劇場版青山剛昌”? 『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』は連載開始30年に相応しい一作
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』が4月12日に公開された。年に1度のお祭りのように、映画館は既にコナンフィーバー。シリーズ…
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』は娯楽映画の“絶対的王者”に 脱帽するしかない111分間
2024年の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』にこれまでと違っていることがあるとすれば、それは昨年の『名探偵コナン 黒鉄の魚…
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』シリーズ超初心者が観てみた 未見勢には予習が必要?
かつてどこかで「コナンフリークはコナンの公開で春を感じる」と読んだことがある。そして今年もいよいよ、コナンの季節がやってきた。“…
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』青山剛昌ワールドが融合!? 物語の重要な転換点に
劇場版『名探偵コナン』シリーズの第27作となる『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』が4月12日に公開となって、北海道の函館を舞…
『オーメン:ザ・ファースト』は前日譚として出色の出来 描かれた恐怖の画期的な試みとは
有名ホラー映画の過去のエピソードを描く、いわゆる“前日譚(ぜんじつたん)”を題材にした後年の作品が、近年いろいろと公開されている…
映画が描くのは“答え”ではない 『マンティコア 怪物』に刻まれた世間や社会への“問いかけ”
映画が描くのは“答え”ではない。 とくに扱うテーマがタブーに触れ、物議を醸すようなものであるとき、その映画はむやみに答えを描…
Netflix映画『恐怖の報酬』は意義深い“現代版リメイク”に オリジナル版と比較考察
フランスを代表するサスペンス映画の名作といえば、筆頭に挙がるのがアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の『恐怖の報酬』(1953年)…
『オッペンハイマー』は“主観”の映画だ ノーランが我々に自覚させる人間の“脆さ”
クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』がようやく日本公開された。製作の報が出た時から筆者は「この映画がノーランにとっ…
『オッペンハイマー』は科学者版『アウトレイジ』だ 込められたノーランの反戦への想い
「原爆の父」と呼ばれた物理学者、オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)。本作『オッペンハイマー』(2024年)は、そんな男の人…
『秒速5センチメートル』に僕らは何度だって傷つく 在りし日の“繊細な”新海誠を想う
2007年に公開された新海誠監督作『秒速5センチメートル』が、3月29日よりリバイバル上映されている。 この作品は、小学生時…
主人公はNY? 『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』のノスタルジックな内容を考察
アメリカの娯楽映画の一つの金字塔といえる『ゴーストバスターズ』第1作(1984年)の公開より、ちょうど40年の月日が流れた。この…
『オッペンハイマー』に対する日本の観客の向き合い方を考える 映画の枠を超えた“警鐘”に
多くの映像作家とは異なるスケール、アプローチで、観客に新たな感覚を呼び覚まし、従来の映画の枠をはみ出すような作品を撮り続けてきた…
『ゆとりですがなにか』に表れた宮藤官九郎の“葛藤” 劇場版がすくい上げた時代の空気感
2023年に公開された映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』のBlu-ray&DVDが3月27日に発売された。 本作…
『オッペンハイマー』に現れたノーラン史上最大の“密室空間” 賛否を分けた演出を整理する
第96回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞を含む最多7部門を受賞し、世界興行収入も10億ドルに迫る大ヒットとなったクリスト…
北欧発の新たな“問題作” 『ゴッドランド/GODLAND』は生身のアイスランドをあぶり出す
厳しい気候と巨大な氷河で知られる、北大西洋の孤島「アイスランド」。冬は極寒の地となり、夏至の頃には太陽が一日中沈まない「白夜」が…
『デデデデ』のカオスな世界観になぜ共感できるのか 尊くまぶしい非日常の中の日常
空に浮かぶ、とてつもなく巨大な母艦。それは3年も経てば彼女たちにとって当たり前の光景になっていた。だが、観客である私たちからすれ…
『デューン 砂の惑星PART2』にみる映画の“雄大さ” ヴィルヌーヴ映画の醍醐味がここに
リサーン・アル=ガイブ(外世界からの救世主)はカナダからやって来た。今年57歳になる監督ドゥニ・ヴィルヌーヴは長年、誰も実現する…
ジェイク・ギレンホールにまたしても驚かされる 現代に蘇った『ロードハウス/孤独の街』
どんな役にも対応できる「カメレオン俳優」と評価されてきた、演技巧者ジェイク・ギレンホール。2023年3月、世界最大の総合格闘技団…
『変な家』なぜ賛否分かれる評価に? WEBと映画の繋がりが指し示す業界の未来を考える
WEBメディア「オモコロ」に掲載され、ネット上で話題となった記事、「【不動産ミステリー】変な家」(※)。「フェイクドキュメンタリ…
『バーナデット』は忙しい人にそっと寄り添う一作 大自然で見つけた新たな“自分らしさ”
忙しい日々のなかで、自分は何者なのか、なにがしたいのかを忘れてしまうことはないだろうか。あるいは、そんなことを考える暇すらないか…
『デューン 砂の惑星PART2』は映画史に刻まれる作品に 超絶的スペクタクルと“倫理的葛藤”
『スター・ウォーズ』シリーズや『風の谷のナウシカ』、『アバター』シリーズなどにもインスピレーションを与えたと噂されるなど、多くの…
『デューン 砂の惑星PART2』は前作以上の面白さ ゼンデイヤが最後に見せる表情が絶品
砂の惑星救世主伝説こと『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)の続編、『デューン 砂の惑星PART2』(2024年)が登場…
ジョン・シナの魅力爆発 コメディだけではない『俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー』
先日の第96回アカデミー賞に、前代未聞といえる全裸のような姿で、衣装デザイン賞のプレゼンターとして登場した、人気俳優ジョン・シナ…
『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』は“楽しい”突きつけた一作に 今井一暁監督の手腕
仕事柄アニメや映画を観ることが多いが、「“楽しい”とはなんだろう?」と考えることがある。「エンタメ作品において1番大切なのは楽し…
『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』に誰もが夢中になる! 世界を魅了したミュージカルを映画館で
リアルサウンド映画部でこうして記事を読んでいる皆さんは、日頃から頻繁に映画館に足を運んでいることだろう。しかし映画館でいわゆる“…