『オッペンハイマー』は“主観”の映画だ

『オッペンハイマー』は“主観”の映画だ ノーランが我々に自覚させる人間の“脆さ”

クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』がようやく日本公開された。製作の報が出た時から筆者は「この映画がノーランにとっ…

『デューン2』が思い出させる映画の雄大さ

『デューン 砂の惑星PART2』にみる映画の“雄大さ” ヴィルヌーヴ映画の醍醐味がここに

リサーン・アル=ガイブ(外世界からの救世主)はカナダからやって来た。今年57歳になる監督ドゥニ・ヴィルヌーヴは長年、誰も実現する…

長内那由多の「2023年ベスト海外ドラマ」

長内那由多の「2023年 年間ベスト海外ドラマTOP10」 社会システムへの抵抗を続けた1年に

リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2023年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、ア…

“俳優監督”メラニー・ロランの歩み

新作『ヴォルーズ』ではアクションコメディに挑戦 “俳優監督”メラニー・ロランの歩み

近年、目を引く俳優たちによる監督業進出。キャリアにおいて出演と監督を兼ねる“俳優監督”は昔から一定数いたが、質・量ともに充実した…

『ザ・キラー』フィンチャーのニヒリズム

『ザ・キラー』ジャンル映画と社会批評を同居させるデヴィッド・フィンチャーのニヒリズム

デヴィッド・フィンチャーはシリアルキラーに魅せられているのか? おそらく、イエス。12本の長編映画と3本のテレビシリーズからなる…

『ナイアド』に得る“生き方”のヒント

アネット・ベニング×ジョディ・フォスターの名共演 『ナイアド』に得る“生き方”のヒント

ダイアナ・ナイアドは自身の名字“Nyad”のルーツについて何度も得意げに話す。ギリシャ神話に登場する“水の精霊”。名は体を表すと…

社内恋愛カップルが凍りつく『フェアプレー』

“都市の映画”の側面も 世界中の社内恋愛カップルを凍りつかせる『Fair Play/フェアプレー』

今年も“Netflixの秋”がやってきた。毎年秋から年末にかけて北米はアカデミー賞狙いの映画が次々と公開される賞レースシーズン。…

『イエロージャケッツ』に魅了される理由

近年のトレンドは“カニバリズム”? 『イエロージャケッツ』はキャスティングも見どころに

1996年、高校の女子サッカーチーム“イエロージャケッツ”を乗せた飛行機が全国大会へ向かう途中、墜落。彼女らは人里離れた北米の森…

『ハイジャック』などAppleTV+に注目

AppleTV+『ハイジャック』『窓際のスパイ』などの“娯楽作”にみる、テレビシリーズの醍醐味

娯楽映画の定番ジャンルの1つ“ハイジャックもの”。航空機という密室を舞台にした極限状況のサスペンスは古今東西多くの作品を生んでき…

『メディア王』最後に映った私たちの姿

『メディア王』サクセッション=継承の物語が終幕 狂騒を見つめることしかできない私たち

ウェイスター・ロイコの命運を決する役員会を翌日に控え、各陣営は最後の票読みと根回しに総力を挙げていた。ケンダル(ジェレミー・スト…

『メディア王』いよいよ“最後の戦い”へ

『メディア王』いよいよ“最後の戦い”へ 三者三様の弔辞にみる会話劇としてのダイナミズム

メンケン(ジャスティン・カーク)が次期アメリカ合衆国大統領に当選したのも束の間、対立するヒメネス(エリオット・ビラー)陣営が選挙…

『メディア王』は視聴者に現実を突きつける

『メディア王』は視聴者に現実を突きつける 身の毛もよだつエピソード『アメリカの決断』

ついにアメリカ大統領選挙の当日がやってきた。開票結果の確定情報よりも、大統領候補者の勝利宣言、または敗北宣言が既成事実となるこの…

『メディ王』の非凡なドラマツルギー

『メディア王』の非凡なドラマツルギー 意外な展開を見せ始めたコナーの選挙活動

NYの街中でケンダル(ジェレミー・ストロング)は元妻に向かって叫ぶ。「俺は6大陸を相手に粉骨砕身だ。子供たちのためだ。あと世界平…

『メディア王』最高峰の演技アンサンブル

『メディア王』登場人物全員に劇的な変化 繰り広げられる最高峰の演技アンサンブル

最終シーズンとなるシーズン4の第3話で急展開を迎えた『メディア王~華麗なる一族~(原題:サクセッション)』(以下、サクセッション…

『メディア王』が映し出す、現代アメリカの姿

『メディア王』が映し出す、斜陽を迎えた現代アメリカの姿 2023年の重要な局面を目撃せよ

“Ozymandias”。去る4月10日、Twitterのトレンドワード(US)を見てギョッとした人も多いだろう。“Ozyman…

『ラスアス』原作ゲームを徹底再現

『THE LAST OF US』原作のクライマックスを徹底再現 ゲームの映像化は新たなステージへ

先日発表された第95回アカデミー賞授賞式にペドロ・パスカルがプレゼンターとして登場した。アカデミー賞のプレゼンターといえば、ノミ…

『THE LAST OF US』冴える脚色

この無情さこそ『THE LAST OF US』 冴え渡るクレイグ・メイジンの脚色

この無情さこそ『THE LAST OF US』だ。第5話の放送前倒しはスーパーボウル優勝決定戦の裏番組になるのを避けてのことだが…

ジェニファー・ローレンスの芝居の真価

アメリカはなぜ評価しない? 『その道の向こうに』ジェニファー・ローレンスの芝居の真価

ライラ・ノイゲバウアーの素晴らしい長編映画監督デビュー作『その道の向こうに』のジェニファー・ローレンスには、かつて彼女の名を一躍…

『THE LAST OF US』3話の衝撃

『THE LAST OF US』75分かけて描いた第3話の衝撃 2020年代をリードするクィアドラマに

実を言うと、第1〜2話の時点ではまだ疑っていた。原作ゲームとまるっきり同じ構図の撮影や、原作を補強するに留まる脚色にこれはファン…

長内那由多の「2022年ベスト海外ドラマ」

長内那由多の「2022年 年間ベスト海外ドラマTOP10」 スピンオフが憂う社会の分断と対立

リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2022年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、ア…

『キャシアン・アンドー』の強いメッセージ

2022年最高のダークホース 『キャシアン・アンドー』に込められた強いメッセージ

“『スター・ウォーズ』のスピンオフ映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のキャシアン・アンドーを主人公にした前日譚”…

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』圧巻の最終話

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』圧巻のフィナーレ レイニラが世界の破滅へ足を踏み出す

いよいよPeak TV王者の帰還だ。最終回のサプライズとクリフハンガーに思わず悲鳴を上げ、次シーズンはいったいいつになるのかと悶…

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』脚本家陣の功績

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』オリヴィア・クックの“駆動力” 物語は“双竜の舞踏”へ

#ハウス・オブ・ザ・ドラゴン #HouseOfTheDragon いよいよ第9話である。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではシーズン…

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は家族ドラマ

もはや誰も無傷ではいられない 凄惨なファミリードラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』

※本稿には『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』第8話のネタバレを含みます。  凄惨な王位争奪戦を描く『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は…

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』内戦の幕開け

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』レイニラも悪へ転落? 原作小説とは異なるレーナーの結末

※本稿には『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』第7話のネタバレを含みます  『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』第7話は、今シーズン限りで…

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』10年の経過

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』第6話で描かれた10年の経過 レイニラが獲得した強さ

※本稿には『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』第6話のネタバレを含みます  『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』第6話は、前回からシリーズ…

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は何を描く?

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』が描くのは『ゲーム・オブ・スローンズ』の再定義?

※本稿には『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のネタバレを含みます。  前回、本連載では第1話から第2話にかけて「シリーズ最長であろ…

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は史劇の風格

『ゲーム・オブ・スローンズ』ファンの期待の全てが揃った『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』

まずは安心してほしい。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』には『ゲーム・オブ・スローンズ』ファンの期待する全てが揃っている。我々をター…