作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
『もし徳』は一級品のエンタメコメディ! 野村萬斎の“声”が日本人のDNAを刺激する
もしも徳川家康が総理大臣になったら。 もしも織田信長が経済産業大臣になったら。 もしも豊臣秀吉が財務大臣になったら。 …
『あのコはだぁれ?』はなぜ怖いのか? 『呪怨』シリーズに通じる恐怖演出の数々に迫る
これまで日本のホラー映画を牽引してきた清水崇監督。世界的なブームとなった『呪怨』シリーズはもとより、数多くのホラー作品を手がけ、…
『デッドプール&ウルヴァリン』が大ヒットを成し遂げた理由 マルチバースを最大限に利用
ディズニーによる、2019年の20世紀フォックス買収。これによって、これまで20世紀フォックスが映画化権を有していたマーベル・コ…
『怪盗グルーのミニオン超変身』の驚くべき挑戦 4作目だからこそ可能になった前衛的な試み
次々とヒット作品を送り出している制作会社イルミネーション。その代名詞といえば、スタジオの記念すべき第1作となり、数々の続編やスピ…
【ネタバレあり】『デッドプール&ウルヴァリン』は“ファン待望”の快作に 夢の共闘も実現
こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお…
『デッドプール&ウルヴァリン』をネタバレなしでレビュー 最大の魅力は同窓会的な楽しさ
個人的な話で恐縮だが、私は同窓会に呼ばれたことがない。そのこと自体に不満はないし、小・中・高の己の行いを振り返ると、「そりゃ呼ば…
『化け猫あんずちゃん』が生み出された意義を考える 2024年の日本アニメ映画の最重要作に
2024年の夏はアニメーション映画が続々公開され、何を観るか迷うアニメファン、映画ファンも少なくないはず。そんな充実したラインナ…
映画史における『メイ・ディセンバー』の意義深さ 実話ベースの作品に対する“問いかけ”に
トッド・ヘインズが監督を務め、ナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーア共演で火花を散らす役柄を演じる、『メイ・ディセンバー ゆれ…
『キングダム 大将軍の帰還』に感じたシリーズ屈指の熱量 観客を圧倒する大沢たかおの熱演
中国史の戦乱時代の一つ、春秋戦国の末期を題材に、中華を統一する夢を持った6代目秦王と、その武将、軍師、兵士たちの活躍を描いていく…
『キングダム 大将軍の帰還』大沢たかお×吉川晃司が咲かせた“戦の華” 人智を超えた激戦に
本気の王騎将軍(大沢たかお)を見たくないか? 見たいはずだ。それならば、今公開中の『キングダム 大将軍の帰還』を観に行くべきだ。…
エディ・マーフィが哀愁と幸福感を体現 『ビバリーヒルズ・コップ』30年ぶり新作の存在意義
ハリウッドのレジェンドの一人である、コメディ俳優エディ・マーフィの代名詞といえる映画といえば、日本でも高い人気を誇る『ビバリーヒ…
“先住民発”の重要作 リリー・グラッドストーン主演『ファンシー・ダンス』が世界に放つ声
アカデミー賞で作品賞を含め最多7部門に輝いた『オッペンハイマー』とともに、さまざまな賞レースを争った、巨匠マーティン・スコセッシ…
『クワイエット・プレイス:DAY 1』徹底考察 サバイバルが暗示する“人類が背負う罪の歴史”
音を聞きつけられたら正体不明の怪物に襲撃されるという、極限状況を描くサバイバルスリラー映画、『クワイエット・プレイス』シリーズ。…
永瀬廉、『よめぼく』で“揺れ動く”人物像を巧みに表現 同情を滲ませない眼差しの優しさ
先に旅立つ側と残される側の葛藤が描かれることが多い“余命”が題材の作品だが、その2人共が消えゆく命の灯火に向き合う作品というのは…
エディ・マーフィの魅力健在! 『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』の痛快さ
This is 安打。それも二塁打。『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』(2024年)は、そんな「普通に面白い」とい…
『ホールドオーバーズ』はアレクサンダー・ペインの“リベンジ”作 “図らずも”の作法
タイトル「ホールドオーバーズ(原題:The Holdovers)」とは、「残留者」「遺物」「繰り越し」という意味である。時は19…
『ルックバック』が与える“衝撃”の核に迫る 藤本タツキという傑出した“個人”の等身大の姿
この時代に日本の漫画作品を愛好する者、そして漫画を描く者たちにとって、「藤本タツキ」の出現と近年の活躍は、いろいろな意味で“事件…
『キングダム2』清野菜名は“宿命を背負う女戦士”が最も似合う俳優だ 武道家が剣術を解説
7月5日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)において、『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022年)が放送される。1作目で死線…
原爆の街を描いた『リッチランド』が日本公開される意義 “他者を知る”ことから始める一歩
第96回アカデミー賞作品賞を受賞したクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』は、日本人にとって特別な意味を帯びた作品だ…
『クワイエット・プレイス:DAY 1』はホラー度低め? 終活ロードムービーとしての味わい
途中で劇場を出て行った人がいたが、俺の隣の人は号泣していた。『クワイエット・プレイス:DAY1』(2023年)は、それくらい観客…
『ザ・ウォッチャーズ』に感じるアンバランスさの正体とは 隠された本質部分を考察
アメリカ映画界でヒットメイカーとして知られる、M・ナイト・シャマラン監督。その娘で、現在20代半ばのイシャナ・ナイト・シャマラン…
『バッドボーイズ RIDE OR DIE』なぜアメリカで大ヒット? ウィル・スミスの捨て身の表現
ウィル・スミスとマーティン・ローレンス主演による、1995年公開の第1作から、じつに足かけ29年となったアクション映画『バッドボ…
“子育て”するウルトラマンを描く『Ultraman: Rising』 日米合作の意義と特撮文化の出自
子育てをするウルトラマン 『Ultraman: Rising』のウルトラマンは、子育てをする。そして、「有害な男らしさ」問題…
タイ青春映画『ふたごのユーとミー』の輝くような美しさ 傑出した作品になった理由とは?
瓜二つで仲の良い双子の姉妹のひと夏の物語を描く『ふたごのユーとミー 忘れられない夏』は、1999年のタイの田舎を舞台に、南国のゆ…
『劇場版 君と世界が終わる日に』はファンならずとも必見 竹内涼真が下した“究極の決断”
6月26日に豪華版Blu-ray&通常版DVDが発売される『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』は、Season1から4の…
『バッドボーイズ RIDE OR DIE』にみた映画のマジック “バカになれ!”精神で新風吹き込む
「バカになれ!」。伝説のプロレスラー、故アントニオ猪木はそう言った。とことんバカになって、恥をかけるだけかいたとき、初めて本当の…
『ブルー きみは大丈夫』のテーマを深掘り イマジナリーフレンドという存在の本質的な追求
『インサイド・ヘッド2』がアメリカで大ヒットデビューを果たした。「ピクサー復権」との声があがるなかで、「まるでピクサー作品の実写…
『蛇の道』から考える“リメイク”の意義 映像作家・黒沢清の変化を捉えるまたとない機会に
海外でも高い評価を得た傑作サイコスリラー『CURE』(1997年)を撮り上げた時期の、当時40代前半でノリに乗っていた黒沢清監督…
『関心領域』で何よりも恐ろしい“当たり前の事実” ジョナサン・グレイザーの演出を考察
ここのところホラー映画を観る機会が増えたのだが、至極あたりまえのように、昔観た名作と呼ばれる類の作品は観返してみても確かに怖いし…