アクション映画フリーク必見! 『コウイン ~光陰~』の“爽快なバトル”を武道家が解説

『コウイン ~光陰~』を武道家が解説

 よく「結論から話せ」と怒られるので、結論から話す。

 アクション映画フリークなら、現在公開中の『コウイン ~光陰~』は必ず観るべきだ。

 そして今作をより面白く観るためには、前作『第二警備隊』(2018年)を先に観ておくことを勧める。「シリーズものなのだから、1作目から観るのが作法」などと言うつもりはない。何作目から観ようが個人の自由だし、人間関係やここに至るまでの過程をまったく理解できないままに3作目ぐらいから観るのも、その人の生き方だ。

 それでもなお、1作目『第二警備隊』から観るべき理由を記す。

 まずこのシリーズは、要人警護などを請け負う民間警備会社エステックの奮闘を描いている。いわゆる“ボディーガードもの”である。そう聞くと、クライアントを狙う悪の組織などとのバトルを想像してしまうが、1作目『第二警備隊』はそうではない。

 クライアントであるお寺関係者を、利権目当ての暴力団から守るというミッション。凡百のアクション映画なら、「ボディーガードVSヤクザ」の派手なバトルを描くだろう。

 しかし、エステックはバトらない。チンピラヤクザたちの執拗な嫌がらせに対しても抗戦することはなく、クライアントを守り、自らはただ耐え忍ぶだけである。警察のSPなどとは違い、民間組織であるために武力による制圧が許されていない。

 見るからにフラストレーションが溜まっていくエステック社員たち。そのフラストレーションは観てるこちらにも伝染し、「誰かその場で辞表を叩きつけて、あのチンピラたちを皆殺しにしてくれ……!!」とさえ思う。

 1作目のテーマは、“我慢”であった。

 そして、このフラストレーションを溜め込んだまま劇場に走り、『コウイン ~光陰~』を観てほしい。もう爽快感が段違いである。

 前作で我慢に耐え切れず涙を流したエステック社員たちが、今回は気持ちよくガンガン戦うのだ。なぜか。

 今回の相手は中国の工作員たちだからだ。前作のチンピラヤクザたちとはレベルが違う。躊躇なく殺しにくる。“我慢”なんかしてたら一瞬で殺される。迎え撃つエステック社員たち。前作では見られなかった、彼らの戦闘シーンが堪能できる。特に主人公・高城久夫を演じる、出合正幸の格闘スキルが出色だ。工作員との戦闘シーンを、分析してみよう。

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