作品評の記事一覧

(2489件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『東京ヴァンパイアホテル』は園子温の原点?

『東京ヴァンパイアホテル』は園子温の原点? 映画でもテレビドラマでもない稀有な1本

メジャーで『新宿スワンⅡ』(17年)を、ロマンポルノ・リブートプロジェクトではローバジェットで『アンチポルノ』(17年)を、その…

小野寺系の『築地ワンダーランド』評

『築地ワンダーランド』は“魚を食べる”認識が変わるーー築地市場の深部を捉えたドキュメンタリー

東京、銀座から徒歩で約15分。質の高い水産物を中心とした食材が日本中、世界の様々な地域から大量に集められる“築地市場”。ピーク時…

『銀魂』ヒットの要因は、脇役の濃さにあり

小栗旬『銀魂』ヒットの要因は“脇役の濃さ”にあり? ご長寿漫画・アニメ特有の人物描写作法を読む

実写版映画『銀魂』の評判がすこぶるいい。原作と比べて非常に再現度の高いキャスティングに、パロディ満載でテンポのいいギャグシーンも…

『怪盗グルー』“スラップスティック”でアニメ界に新風 幅広い世代を虜にする魅力を考察

『怪盗グルー』“スラップスティック”でアニメ界に新風 幅広い世代を虜にする魅力を考察

近年アメリカでは、ディズニー映画『ズートピア』や、ピクサー映画『ファインディング・ドリー』、『カーズ/クロスロード』のように、実…

速水健朗の『カーズ/クロスロード』評

速水健朗の『カーズ/クロスロード』評:「グローリー・デイズ」が照らす、80年代アメリカの栄光と転落

ハイスクール時代の野球のエース、そして町中の少年たちの憧れの的だった金髪の女の子。昔は特別だった連中も、今は酒を飲むと過去の栄光…

田村千穂の『カーズ/クロスロード』評

車だけで完結した世界ーー『カーズ/クロスロード』世代交代のすがすがしさ

車に心を洗われる──本作をまず吹替版で見て、さっぱりとすがすがしい気持ちで映画館を出た。ピクサーの作品中この『カーズ』シリーズが…

小野寺系の『カーズ/クロスロード』評

『カーズ/クロスロード』に見る、次世代に受け継がれるディズニー/ピクサーの精神

擬人化された車たちによる社会と、そこで繰り広げられるカーレースの興奮を、ピクサー・アニメーション・スタジオがCGで描いた作品『カ…

『怪盗グルー』イルミネーション大躍進の理由

『怪盗グルーのミニオン大脱走』から探る、イルミネーション大躍進の理由

普段はミニオン語しか喋れないミニオンたちが、調子っぱずれに「イ!ルミ!ネー!ション!」と声をあげる冒頭のオープニングタイトルから…

荻野洋一の『甘き人生』評

荻野洋一の『甘き人生』評:巨匠マルコ・ベロッキオが描く“苦い”夢

イタリアの異才マルコ・ベロッキオの最新作『甘き人生』の原題は “Fai bei sogni(ファイ・ベイ・ソッニ)” で、イタリ…

結城秀勇の『ハローグッバイ』評

夏の光を浴びて輝く、束の間の出会いと別れ 菊地健雄監督作『ハローグッバイ』が切り取った一瞬

ふたりの女子高生が、それぞれ別々の道を通って同じ学校へ向かう。やがて彼女たちが学校に着いたとき、この映画は極めて慎ましやかな手振…

小野寺系『ジョン・ウィック:チャプター2』評

がんじからめの世に一刺しの復讐を スタントマン魂が刻まれた『ジョン・ウィック:チャプター2』

2014年公開の『ジョン・ウィック』は、キアヌ・リーブスが『マトリックス』シリーズ以来の当たり役をつかんだ作品だ。ロシアンマフィ…

田村千穂の『ライフ』評

絶望的なのに、活気づけられるーー爽快SFホラー『ライフ』の輝かしいユーモア

「80億のバカがいる地球には帰りたくない」と、憂い顔のジェイク・ギレンホールは同僚のレベッカ・ファーガソンに向かってつぶやくのだ…

新作『パイレーツ~』が描く“光と影”

『パイレーツ・オブ・カリビアン』新作の裏テーマーー“家族の絆”と“単身者の孤独”を読む

過去のシリーズ作と比較して、意外にも“泣ける”仕上がりになっていたのが印象的だった、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』…

『オンリー・ゴッド』は失敗作?

『オンリー・ゴッド』は失敗作だったのか? N・W・レフン監督の苦悩捉えた迫真ドキュメンタリー

賛否の渦を巻き起こした世紀の問題作、『オンリー・ゴッド』。ヒット作『ドライヴ』によって、次作への期待が集まっていたニコラス・ウィ…

松江哲明の『ハクソー・リッジ』評

松江哲明の『ハクソー・リッジ』評:人間が一線を超える瞬間を捉えた“戦争映画”

実在の人物であるデズモンド・ドスを主人公に据えた本作は、第2次世界大戦末期の沖縄戦を舞台としています。しかし、宣伝では沖縄が舞台…

『ハクソー・リッジ』“地獄の戦場”の意味

『ハクソー・リッジ』は戦争を題材にしたヒーロー映画だ メル・ギブソンが再現した地獄の戦場

「沖縄戦」は、歴史のなかでも稀に見る凄惨な戦いとして知られる。太平洋戦争におけるこの地上戦で、日本側は兵隊と民間人合わせて20万…

宇野維正の『ナイト・オブ・キリング』評

現在最高峰の海外ドラマを探しているなら、『ナイト・オブ・キリング』を見ない選択肢はない

「Peak TV」(テレビ全盛期)、または「TV Bubble」なんてホットな新用語が各メディアを賑わせている、現在のドラマシリ…

松江哲明の『パトリオット・デイ』評

松江哲明の『パトリオット・デイ』評:実際のテロ事件をモデルにしながら、勧善懲悪に陥らない映画

今、世界で何が起きているのか。一流のエンタメ作品でありながら、それが俯瞰的に見えてくる作品でした。年末まで約半年ありますが、観終…

『20センチュリー・ウーマン』が示唆するもの

『20センチュリー・ウーマン』の“ポリフォニー”が描き出す、1979年という時代

観終えた直後ではなく、むしろそれからしばらく経ってから、その映画が思いのほか自分の心に深く突き刺さっていることに気づくことがある…

モルモット吉田の『映画 山田孝之3D』評

モルモット吉田の『映画 山田孝之3D』評:山下敦弘×松江哲明を飲み込む山田孝之のキャパシティ

記憶の糸をたどる行為は楽しい。深掘りしていくと、脳内奥深くのひだに隠れたぼんやりした風景が鮮明とまではいかなくとも、輪郭ぐらいは…

田中俊介『ダブルミンツ』の苦さと甘さ

ボイメン田中俊介、『ダブルミンツ』チンピラ役はなぜリアル? 鋭さと脆さを併せ持つ説得力

『恋がヘタでも生きてます』など、数々のドラマで印象を残してきた淵上泰史と、名古屋発のエンターテイメント集団BOYS AND ME…

『怪物はささやく』は大人にも希望をもたらす

自分自身のなかに潜む“怪物”との闘いーー『怪物はささやく』は大人たちにも希望をもたらす

「ダークファンタジー」と「『パンズ・ラビリンス』の製作スタッフが映画化」ーー最初はこのふたつのキャッチフレーズが自分の中で引っか…

荻野洋一の『LOGAN/ローガン』評

荻野洋一の『LOGAN/ローガン』評:スーパーヒーローが死滅した近未来のディストピア

ミュージカル映画のヒット作『レ・ミゼラブル』(2012)における主人公ジャン・バルジャン役の熱演を見た時、ヒュー・ジャックマンの…