作品評の記事一覧

(2489件)

公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。

『20センチュリー・ウーマン』は何度でも見たくなる

マイク・ミルズからの心のこもった贈り物 『20センチュリー・ウーマン』は何度でも見たくなる

トランプが大統領に当選した昨年末、人間の出てくるアメリカ映画を見るのがすっかりいやになって、ピクサーのアニメーション作品『カーズ…

ボブ・ディランはいかにスターとなったか?

サエキけんぞうの『ドント・ルック・バック』『ボブ・ディラン/我が道は変る~1961-1965フォークの時代~』評

ボブ・ディランについての重要ドキュメンタリー2作が一気に公開になった。両作品とも、1960年代前半の黎明期のディランについて扱っ…

『20センチュリー・ウーマン』の良さを解説

『20センチュリー・ウーマン』の“言語化しにくい”魅力 マイク・ミルズ監督に受け継がれた精神

天井の火災警報器を眺めて美しさを見出すような繊細な感性や、Tシャツに洗濯機のイラストをプリントするような創造的人格は、どのように…

BOMIの『GotG Vol.2』評

BOMIの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』評:ベビー・グルートは真似したくなるかわいさ

BOMIが新作映画を語る連載「えいがのじかん」。第6回となる今回は、マーベル・スタジオが贈るマーベル・シネマティック・ユニバース…

殺人願望を持つ少年の危うい冒険

殺人願望を持つ少年の危うい冒険ーージュブナイルとしての『アイム・ノット・シリアルキラー』

人を殺したい……そんな危険な願望を抱えていることを自覚し、それでも何とか真っ当な社会生活を営もうと努力している少年・ジョン(マッ…

『LOGAN』が甦らせたアメリカの魂

『LOGAN/ローガン』は“名作映画”の領域にーー本物のドラマに宿るアメリカの魂

とうとうアメコミ映画に、名作と呼べる作品が生まれた…本作『LOGAN/ローガン』のラストシーンを観ながら、そのような感慨に耽って…

岩渕想太の『カフェ・ソサエティ』評

パノラマパナマタウン岩渕想太が見た、ウディ・アレン『カフェ・ソサエティ』の魅力

ウディ・アレンの最新作『カフェ・ソサエティ』が現在公開中だ。同作はアレン監督が手がけたロマンティック・コメディ。1930年代のハ…

有機的で親密な愛の物語『光をくれた人』

『光をくれた人』は尊さに満ちた作品だーーデレク・シアンフランス監督、大舞台での演出を読む

『ブルーバレインタイン』(10)のデレク・シアンフランス監督が、ドリームワークスで映画を撮る。それだけでも事件だ。あの有機的かつ…

複雑さと分かりやすさが両立の『メッセージ』

複雑さと分かりやすさが両立 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による渾身の一作『メッセージ』

「ページに方程式をひとつ登場させるごとに、本の売れ行きが半減していくだろう」  天才物理学者として知られるスティーブン・ホーキ…

久保田和馬の『カフェ・ソサエティ』評

ウディ・アレンは新たなステップを踏み出したーー『カフェ・ソサエティ』が描く現実的な恋物語

日本では“オシャレなミニシアター映画”の代表として、90年代ごろから人気が高騰してきたウディ・アレン作品。現在公開中の『カフェ・…

モルモット吉田の『帝一の國』評

『帝一の國』の実写化はなぜ成功したのか? 菅田将暉らが息づかせたキャラクターのリアルさ

いやはや、面白い。『帝一の國』はシュールなギャグを交えた漫画原作の映画化としては、稀有な成功例である。原作が持つ独特の世界観を壊…

『GotG』続編は“サイコー!”なのか?

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は本当に“サイコー!”なのか?

興行成績が好調な近年のマーベル映画のなかでも、とくに大きな支持を得ているひとつが、コメディー色の強い異色ヒーロー作品『ガーディア…

志磨遼平の『夜明け告げるルーのうた』評

志磨遼平の『夜明け告げるルーのうた』評:無垢な“好き”を描き切る、アニメならではの感動作

湯浅政明監督による初のオリジナルアニメ映画『夜明け告げるルーのうた』が、5月19日より公開された。同作は、両親に対する複雑な心境…

BBQ映画としての『ワイルド・スピード』

速水健朗の『ワイルド・スピード ICE BREAK』評:シリーズの核心は“バーベキュー”にある

世の中には、バーベキュー・ピープルと呼ぶべき人々が存在する。  一応、ネットの世界ではバーベキューに過剰に反応する連中がいるので…

死体で一本!『ジェーン・ドウの解剖』

死体一つで1時間26分! “出オチ”では終わらない『ジェーン・ドウの解剖』の凄さ

凄惨な殺人事件の現場で見つかった、傷一つない美しき「名無しの死体」=「ジェーン・ドウ」。彼女はどうして死んだのか? いったい事件…

小野寺系の『スプリット』評

観客の心理を操る『スプリット』 ヒッチコックに通じるシャマラン監督の演出の秘密

M・ナイト・シャマランといえば、大きな評価を得た出世作『シックス・センス』以来、もはや彼のトレードマークとなった意外なラスト、そ…

松江哲明の『イップ・マン 継承』評

松江哲明の『イップ・マン 継承』評:古き良きカンフー映画の魅力が詰まった、安心のシリーズ

本作でシリーズ3作目となる『イップ・マン』ですが、僕は今回の『イップ・マン 継承』(以下、3)が一番好きです。映画単体の完成度で…

松江哲明の『ワイルド・スピード』評

松江哲明の『ワイルド・スピード ICE BREAK』評:進化し続けるハリウッドの『ドラゴンボール』

『ワイルド・スピード』シリーズは第1作目からすべて劇場で観てきました。シリーズもので続いている作品の中では一番好きです。1作目を…

荻野洋一の『夜空はいつでも〜』評

荻野洋一の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』評 絶望の浄化の先にあるもの

“きみがかわいそうだと思っているきみ自身を、誰も愛さないあいだ、きみはきっと世界を嫌いでいい。そしてだからこそ、この星に、恋愛な…

木村拓哉は生まれ直しの旅を終えた

木村拓哉は“生まれ直しの旅”を終えたーー総決算となる『無限の住人』の演技

SMAPが、ある種の諦念とともに活動してきたグループだとすれば(彼らは日常を肯定する歌を歌い続けたが、その楽曲の底辺には常に平常…

サエキけんぞうの『美女と野獣』評

大人のための実写版『美女と野獣』レビュー “諸星大二郎”さえ感じさせる細部の面白さ

大人であることとは何なのか? まず考えさせられた。この実写映画は、子どもも喜ぶだろうが、それ以上に大人向けである。大人と子どもの…

HBO製作『クォーリー』の衝撃

70年代アメリカを再現した強烈な臨場感ーーHBO製作『クォーリーと呼ばれた男』の衝撃

ハードボイルド、ノワール、クライム、バイオレンス、アクション——。このドラマを形容しようとすれば幾つもの言葉が浮かぶ。だがピタリ…

おとり捜査映画としての『潜入者』の魅力

80年代メキシコの麻薬売買や殺人を追体験 おとり捜査映画の観点から『潜入者』の魅力を考察

もし正体がバレたら、死を超えた恐ろしい制裁が待っている。まぶたを切られ目を焼かれ、家族までもが無惨な拷問を受け、家畜のように殺さ…

『僕とカミンスキーの旅』が問いかけるもの

まさに大人の寓話! 破天荒なロードムービー『僕とカミンスキーの旅』が問いかけるもの

ドイツ歴代興行記録を更新し、日本でも多くの笑いと感動を誘った名作『グッバイ、レーニン!』(03)のヴォルフガング・ベッカー監督と…

『ワイスピ』シリーズは“プロレス”だ

車があれば何でもできる! 『ワイルド・スピード ICE BREAK』は映画というより“プロレス”だ

現在シリーズ8作目『ワイルド・スピード ICE BREAK』が公開中のワイスピ・シリーズだが、これほど奇妙な映画シリーズもそうそ…