杉江松恋の新鋭作家ハンティング グラフィティそのものが小説となった『イッツ・ダ・ボム』
未知の世界を言葉で作り上げている作品を小説として読みたいと思う。 第31回松本清張賞受賞作である井上先斗『イッツ・ダ・ボム』…
杉江松恋の新鋭作家ハンティング 創元ホラー長篇賞『深淵のテレパス』の突き抜けたおもしろさ
小説を読むと構造がどうしても気になる。 これは書評をやっている者の職業病に近い。素直に物語を楽しみたい。そう思う反面、作者が…
シャーロッキアンにとって『名探偵コナン』とは? 『ササッサ谷の怪』編者・北原尚彦インタビュー
シャーロック・ホームズの産みの親として知られるイギリスのアーサー・コナン・ドイルは、実はジャンルにまたがって作品を発表し続けた作…
杉江松恋の新鋭作家ハンティング ボーイ・ミーツ・ガールの時間SF『天才少女は重力場で踊る』
物語の中心が実にはっきりした小説だな、と思った。 『天才少女は重力場で踊る』(新潮文庫Nex)は、ゲームブランド〈Lapla…
杉江松恋の新鋭作家ハンティング 〈わたし〉のために書かれたような物語ーー池澤春菜『わたしは孤独な星のように』
たとえ明日世界が終わるとしてもあなたとつないだ手が暖かいことに変わりはない。 池澤春菜『わたしは孤独な星のように』…
杉江松恋の新鋭作家ハンティング とにかく変な特殊能力バトルものの小説ーー五条紀夫『イデアの再臨』
何がなんだかわからないがとにかくおもしろい。 その感覚を味わってもらいたいので、五条紀夫『イデアの再臨』(新潮文庫nex)は…
杉江松恋の新鋭作家ハンティング 無限の広がりを持った小説ーー田中空『未来経過観測員』
文字通り、無限の広がりを持った小説だ。 田中空『未来経過観測員』(KADOKAWA)を軽い気持ちで読み始め、途中から、おっ、…
杉江松恋の新鋭作家ハンティング 機械の体を手に入れた〈わたし〉の家族史『ここはすべての夜明けまえ』
この文体にやられたのだ。 間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』(早川書房)に心がざわつかされている。新人の作品に触れることに…
杉江松恋の新鋭作家ハンティング 胸に突き刺さる現実の物語ーー麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』
小説に書かれた台詞が胸に突き刺さる。 投擲された槍みたいに、ずしんと刺さるというわけではないのだ。ぐさぐさ、ちくちくと刺さっ…
川出正樹が語る、翻訳ミステリ50年の受容史 『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション』インタビュー
翻訳ミステリはどのような経緯をたどって現在のように多くの人に読まれるようになったか。その受容史を俯瞰できる本は、意外なことに存在…
杉江松恋の新鋭作家ハンティング 十代の心情をあらゆる角度から描き出す『まだ終わらないで、文化祭』
どこから一方向からではなく、あらゆる角度から見て人の肖像を描く。 藤つかさ『まだ終わらないで、文化祭』(双葉社)を読んで、あ…